HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、近年、企業の人事担当者などのお客様から、入社2、3年目ぐらいまでの若手社員に関して「モチベーション低下が著しい」や「離職が多い」などの相談をいただくことが多くなっています。
経験を積んで一人前になりつつある若手社員に対して、企業側としては、さらなる活躍や成長を期待するものです。一方で、入社数年目の若手社員は、モチベーション低下などが起こりやすいがタイミングでもあります。
若手社員のモチベーション向上や離職防止を実現するには、若手の課題や特徴に合った研修や教育を行なうことが大切です。
記事では、まず若手社員のよくある課題を確認します。記事の後半では、若手向け研修を得意とする研修会社の視点から、若手向け研修の目的、具体的内容、研修のポイントを紹介しますので参考になれば幸いです。
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<目次>
若手社員とは?
最初に若手社員研修の主な対象者と、いまの若手社員にみられる特徴を解説します。
若手社員研修の対象
一般的に、若手社員は入社2~5年程度の社員を指します。会社の年齢構成によっては20代後半~30代前半まで若手ということもありますが、本記事での若手研修は“入社数年”の社員を対象に実施するものを指します。なお、若手社員の時期をすぎて管理職になるまでの社員を、一般的に中堅社員と呼ばれます。
入社2~5年程度の若手社員は、現場でのOJT研修も終えて、業務もひととおり経験してある程度の戦力となっていることが多いでしょう。企業も若手社員に対して“一人で成果をあげること”を求め、さらに今後の成長、「エース」と呼ばれる存在に成長したり、後輩を指導したり、管理職候補となったりすることを期待しています。
若手社員の特徴
多くの若手社員は、
・目の前の仕事に関しては、ある程度慣れて、1人で動かせる(慣れや飽き生じる)
・イレギュラー対応や高度な業務に対しては力量不足(会社から見ると未熟)
という状態です。
つまり、本人からすると、それなりに出来るようになってきて飽きも生じる一方で、会社からすると未熟でレベルアップして欲しい、という本人の感覚と周囲からの評価にギャップが生じがちです。
また、組織は、たとえば22歳で入社して65歳の定年まで、極端には40年間の時間軸で物事を考えるのに対して、本人は入社して3年=非常に長い時間と、時間感覚も異なる部分があります。
若手社員研修では、こうした特徴も踏まえたうえで、必要な知識やスキル、マインドを効果的に伝えることが求められます。
若手社員によくある課題
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、若手社員に関する相談のなかで、以下のような課題をうかがうことが多くなっています。
主体性が欠けている
若手社員の主体性の低さは、中小企業の管理職などが頭を悩ませることが多い問題です。スティーブン・R・コヴィー博士の書籍「7つの習慣®」では、主体性を、以下のように定義しています。
出典:『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー博士)
「主体性(主体的)」と反対の概念が、「反応的」です。若手社員の主体性が欠けていて反応的である場合、自ら選択したり責任をとったりすることを好まなくなります。
また、反応的であることで、以下のような状態に陥りやすくなるでしょう。
- 不平不満が多い
- 目の前の課題となかなか向き合おうとしない
- 自分で制御できない対象に、いつも振り回されている
- ネガティブな出来事が起きたときに、いつも他人のせいにする
- 起きた出来事に対して、すぐ感情的になってしまう など
慣れによってモチベーションが下がる
新人時代は誰しも、「早く一人前になりたい!」などの想いがあり、高いモチベーションでOJTなどを受けられていることも多いでしょう。また、入社1年目は、新しく覚えることの刺激も多く、「もっとチャレンジしたい」「ワクワクする」などの内発的動機づけがされやすい傾向があります。
しかし入社数年が経過すると、ひととおりの仕事を覚えることで、慣れによる退屈感などからモチベーション低下が起こりやすくなります。
失敗を恐れがち
若手社員の場合、ひととおりの仕事を覚えて一人前にはなったものの、以下のような想いから失敗を恐れてしまい、自分の能力を発揮したり、成果を出すためのチャレンジをしたりすることができない課題もよく起こります。
- ミスをしたら怒られるのではないか……
- 先日のような失敗はもうしたくない…… など
失敗を恐れてチャレンジをしなくなると、成功体験も積み上げにくくなりますし、成長実感も得にくくなるでしょう。
隣の芝生が青く見える
近年では、インターネットやSNSが普及したことで、華々しく活躍する他社の若手社員や、自由に働いているように見えるフリーランスなどの“隣の青い芝生”が目に飛び込んできやすくなりました。また、日々の仕事をするなかで、以下のようなネガティブな感覚を持っている場合、隣の芝生が青く見える傾向も特に強くなるでしょう。
- 成長実感が得られない……
- 職場の居心地があまり良くない……
- いまの仕事をやり続けることに希望が持てない…… など
いまの若手は、終身雇用の感覚はなく、企業が自分のキャリアを守ってくれるとは思っていません。だからこそ、“隣の青い芝生”が気になりますし、愛社精神・エンゲージメントも低くなりがちな傾向にあります。
後輩への指導力不足
若手社員になると、自分の下に新人などの後輩が入ることも増えてきます。小規模チームの場合、若手社員が後輩の指導にあたることもあるでしょう。
そこで後輩の指導やサポートがうまくできない場合、新人のミスや失敗によってトラブルが生じるなどの形で、自分の負担が増える可能性もでてきます。
若手向け研修の目的
効果的な若手向け研修の設計・実施をするには、以下3つの目的を意識していくことが大切です。
エンゲージメント強化
エンゲージメントとは、仕事や組織に対する愛着や心理的な結びつきのことです。
若手社員のエンゲージメントが高ければ、仕事へのやりがいや成長意欲などのポジティブな感情が生まれやすくなります。
若手向け研修では、「今の仕事は自分にとってどういう意味があるのか?」「いまの仕事とつくりたいキャリアがつながっている」などの意味付けなどをしてもらい、エンゲージメントを強化することが大切です。
キャリア意識の形成
意味付けとも関係することですが、いまの仕事と中長期的なキャリアビジョンや目標がつながっていれば、“隣の青い芝生”への過度な憧れはおさまり、自分のキャリアに対して主体的な意識が持てるようになります。
スキルUP
若手社員は、一人前で仕事ができるようになりつつあるとはいえ、中堅社員などと比べれば、専門能力などはまだまだ不足しています。
したがって、不足しているポータブルスキルや専門スキルをしっかり磨いていく必要もあります。
チームワークと協働の促進
チームワークや協働の促進も、若手社員研修の重要な目的の一つです。組織内での円滑なコミュニケーションや協力関係の構築は、業務の効率化や問題解決能力の向上に直結するからです。
研修を通じて、チームでの連携や協働の重要性を理解し、コミュニケーション能力やリーダーシップスキルの向上を目指します。またチームでの目標達成や問題解決に向けたディスカッションを通じて、組織内の信頼関係を深め、協力関係を構築することを意図する場合もあるでしょう。
イノベーションの促進
現代のビジネス環境において、現場における主体的なイノベーションの創出は、競争力の向上や新たな価値創造のために不可欠です。イノベーションは大きなものばかりではなく、そして、考えるヒントは現場にあります。若手の新しい感性を生かすためにも若手研修等で、業務改善やBPR、イノベーション等の考え方を教えて、個々人の創造性を高めることは大切です。
デザイン思考のワークショップやマインドマップ作成など創造性を高める演習、社会課題や業界の動向について討論する機会を設けることで、広い視野と問題意識を養えるでしょう。こうしたプログラムを通じて、既存の常識にとらわれず、新しいモノの見方や発想を身に付けることを目指していきます。
若手向け研修の具体的な内容
若手向け研修のコンテンツは、以下のようなものが一般的です。自社の若手の状況や課題、研修の実施目的に合わせて、プログラムを検討しましょう。
強み活用
本人が持つ“強み”を「どう活かすか?」という視点を磨くことが大切です。また、強みからキャリアを描いていくことも、非常に効果的です。
強みを軸にして、キャリアビジョンから仕事の意味付けへと考えていくと、前向きなイメージを作りやすく、また、自己肯定感・自己効力感も高まりやすいでしょう。
強みの理解には、自分の“才能”を知るアセスメント・ツール「ストレングス・ファインダー®」を使うことがおすすめです。
リーダーシップ
近年では、事業のサービス化などが進むなかで、今まで以上に多くのメンバーにリーダーシップを発揮することが求められるようになっています。
こうしたなかで若手社員が成果を出し、継続的に成長していくためには、2つのリーダーシップが必要です。
- 自らの責任で行動を選択し、自分自身や周囲に良い影響を与える
- 他者に目指すべきビジョンや方向を示し、鼓舞する
リーダーシップ行動で重要なポイントは、主体性の発揮です。主体性の低い若手社員には、リーダーシップ研修が特に大切になります。
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コミュニケーション能力
若手社員が一人で成果を出すには、まず、上司・ほかのメンバー・取引先・お客様などと良好な関係を築く必要があります。
良好な関係の構築や、構築した先で成果を出すうえで求められるのが、以下4要素で構成されるコミュニケーション能力です。
- 1.信頼関係を構築する力
- 2.聴く力
- 3.伝える力
- 4.交渉する力
また、若手社員として経験を積み、リーダーや管理職へとステップアップしていくと、人を動かす必要性も高まります。そうすると、コミュニケーション能力の重要性はさらに増していくでしょう。
若手社員は次世代リーダーの候補です。若手のうちにコミュニケーション能力の基本を身につけておくことが大切になります。
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タイムマネジメント
若手社員が成果を出し続けるには、限られた時間のなかで高いパフォーマンスを発揮しながら、仕事を進めていく必要があります。
そのために必要となるのが、タイムマネジメント(時間管理)という手法です。
タイムマネジメントでは、タスクの洗い出しや優先順位づけ、スケジューリングなどを実行していきます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、論理的思考のことです。ロジカルシンキングは、目標達成に向けた計画作成、プロジェクトの進行、タスク管理、問題解決などに不可欠なスキルです。
また、上司やメンバー、顧客に筋道を立て根拠を示しながらわかりやすく説明するといったロジカルコミュニケーションをするうえでも、ロジカルシンキングは不可欠です。
したがって、ロジカルシンキングは、ビジネスコミュニケーション力を向上させるうえでも、必要となるスキルになるでしょう。
問題解決力
仕事で成果を出すには、現状もたらされているネガティブ事象に対応する問題解決力も必要となります。
また、自分が設定した目標を達成するには、ゴールと現状のギャップを明らかにしたうえで、解決策を考え、実行していく課題解決力も必要です。
専門スキル
先述のとおり、若手社員がキャリアアップしていくには、各職種や業務に応じて必要な専門スキルを伸ばす教育も必要です。具体的には、以下のような教育になるでしょう。
- 営業力のレベルアップ
- 新たなプログラミング言語の習得
- プロジェクトマネジメント
- 新たなプロモーション手法 など
若手向け研修のポイント
若手向け研修で高い効果を出すためには、状況を踏まえながら、以下3つのポイントを大切にするとよいでしょう。
スキルよりも価値観への働きかけ
仕事で成果を出すには、先述のコミュニケーション力やタイムマネジメントなどのスキルがもちろん必要です。ただ、コミュニケーション力などのスキル以上に大切になるのは、組織や仕事に対する価値観や考え方の教育です。
たとえば、仕事に対するエンゲージメントが低かったり、当事者意識が低かったりする状態で、専門スキルの研修をしても、学ぶ姿勢も前向きなものではありません。また、業務での活用も期待できないでしょう。
ある経営者の方は、
とおっしゃっています。
特にいまの若手は、「仕事で成果をあげるために必要だから」ではなかなかモチベーションが上がりにくい傾向があります。したがって、若手向けの研修では、自分が望むキャリア、仕事のやりがい、得たいものといった自分事に紐づけていくステップが非常に大切になります。
成長習慣の形成
若手社員になると、新人時代のような手厚い成長の手助けは少なくなってしまいます。こうしたなかで成果を出し、自己成長を続けるには、成長習慣が大切になります。
たとえば、書籍やセミナーなどを通じて、自ら「学ぶ」習慣を持つことは、成長するうえでとても大切です。また、業務での経験を振り返り、新たな学びや気付きをえる習慣形成も大切になります。
振り返りを通じた学び・成長へのプロセスとしては、「コルブの経験学習モデル」が非常に有名です。
- 1.経験:具体的な体験をする
- 2.省察:体験の内容を振り返る(気付きをえる)
- 3.概念化:次に活かせるように概念化/抽象化する(学びに変える)
- 4.試行:実際に試してみる
具体的な方法としては、日々の日誌・日報を工夫する、上司との1on1などの仕組みを用意するとよいでしょう。
自分事への落とし込み
たとえば、「今年の売上目標3,000万円」という業務上の目標は、組織が事業計画を達成したり成長したりしていくうえで、合理的な目標となっていることが多いでしょう。一方で、目標の3,000万円が「個人にとって意味がある目標か?」と考えると、悪い表現をすれば「上から落ちてきた目標」になりがちです。
仕事に対してやりがいを持ち、主体的に取り組んでもらうためには、組織が与えた目標を自分事に落とし込んでもらうことが大切になってきます。
自分事への落とし込みをするには、「目的目標の4観点」というフレームワークを使うのがおすすめです。目的目標の4観点では、「自分-他者」「有形-無形」という2つの軸、4つの分類で、目標達成を価値づけしていきます。
具体的なやり方は、以下のページからダウンロードできる資料でチェックしてみてください。
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組織における部門やチームの目標は、 事業計画から落とし込まれることが多く、「自分事」ではなく「上から落ちてきたもの」に なりやすい傾向があります。目標達成を自分やメンバーの「自分事」にして、モチベーションを高める 原田メソッドの「目的・目標...
メンターの活用
メンター制度とは、経験豊富な先輩社員がメンターとして、若手に組織内での実務スキルやキャリア形成に関する個別のサポートをする仕組みです。若手研修とメンターの面談を組み合わせて運用することで、若手研修の効果を高めることが出来ます。
研修内でワーク等を実施しても、どうしても研修は1対多のアプローチが中心になってしまいます。しかし、研修の効果性を高めるためには、前向きな姿勢で研修に臨み、自分なりの課題やゴール設定をして、研修に行動変容に取り組むことが必要です。1対多の研修に、1対1の面談を組み合わせることで、上記のような研修への参加姿勢づくりや行動実践への落とし込みを促進することができます。
社外1on1やキャリア面談
いまの若手社員は、終身雇用の感覚が完全になく、キャリア形成・キャリア安全性への関心が非常に高くなっています。そして、年次が下がるほど、キャリア形成=転職という感覚も強くなっており、キャリアへの不安やビジョンに関しては、上司はもちろん人事等にも相談しにくいことが多くなります。
キャリアへの不安や悩みがある状態では、研修でのスキル習得やマインド醸成は効果が薄れてしまいます。そこで有効なのが、社外の専門家を活用した社外1on1やキャリア面談の実施です。
社外の人間なら、プライベートな内容も含めて、若手が不安や悩みを素直に打ち明けやすい環境も作れます。また、それに対して第三者が中立的な立場で率直な意見やアドバイスを提供してくれることで、若手社員も客観的な視野を手に入れ、本音を吐き出すことで前向きな思考や理性が生まれてきます。
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若手育成で企業が陥りやすい注意点と対処法
本章では、若手育成を進める上で、企業が陥りやすい注意点と対処法について解説します。
一律的な研修プログラムの実施:
若手に身に付けて欲しいスキルやマインドに関して、どこの企業でも共通するものは多いでしょう。そのため、若手研修を実施するにあたっても、一律的な研修プログラムが組まれがちです。これ自体は問題ありませんが、一方的な座学等を通じて、また講師のまとめ等が、一方的に企業が求める「型」に受講者をはめるような内容だと研修の効果性は大きく下がります。
いまの若手は個性や価値観が尊重されることに慣れています。従って、一方的に型にはめるような指導を非常に嫌う傾向がありますので注意が必要です。また入社数年が経過すると、若手一人ひとりの強みや経験、スキルレベル、マインドセットもかなりばらつきが生じてくるため、その点でも画一的な研修は効果が限定的になってしまいます。
こうした事態に陥らないためには、上記のような状況を前提として研修設計をすることが大切です。
例えば、eラーニングを活用して基礎を共通化した上で、対面の時間はグループ分けをして、それぞれのニーズにあわせた実践的な演習に費やすなどの工夫が挙げられます。
また、企業が求めるゴールやマインドセットを伝える際には、それを実践することが若手社員自身が得られるメリットを示したり、ゴールは示しつつも実践の仕方はそれぞれの強みを反映する余地があることを示したりするといった工夫も大切です。
スキル研修への偏り
若手研修を実施するに際しては、「若手にもう一段高い成果を上げられる人材に育ってほしい!」という期待があるでしょう。こうした短期的な声を汲み過ぎて、若手研修の内容が、知識やスキル面に偏り、マインドや価値観の醸成が後回しになってしまうケースは少なくありません。
しかし、若手社員が、継続して成果をあげられる人材となり、また、リーダーや幹部候補になるためには、スキルだけでなく、マインド面の醸成も不可欠です。
もちろんスキルは重要ですが、スキルはあくまでも道具です。人格やマインド面が完璧で、スキルのみが不足しているようであれば、スキル面のみをトレーニングすればよいでしょう。
しかし、たとえば主体性やリーダーシップ、またプロフェッショナルとしての成果意識や価値観など、こうしたマインド面にかけているところがあれば、スキルを鍛えても、そのスキルは効果的に生かされないでしょう。
年齢・経験を重ねる、また、ポジションが上がっていくと、マインド面の醸成は非常に難しくなっていきます。その意味でも、新人~若手の間にしっかりとマインド研修も実施しておくことが大切です。
参加に対する動機付け不足
参加者に、前向きで高い受講意欲を持って研修に参加してもらうことは、研修効果を最大化する上で極めて重要です。そのためにもまずは、若手自身に研修の意義や必要性を理解してもらう必要があります。
やり方としては、例えば、研修がキャリアアップの機会としてどのような位置づけにあるのか?あるいは、自己実現を目指すうえでどうつながるなど、メリットを具体的に示すこと、また、対話等を通じて、課題感や成長テーマを明確にすることです。
場合によっては、研修参加の手前で引っかかっている心理的なハードル等があれば、そういったものを解除しておかないと、研修の効果性が格段に損なわれてしまうでしょう。
実務とのブリッジング不足
研修で知識やスキルをインプットしても、実務で活用されず、成果創出につながっていないという悩みは比較的よく聞く話です。
知識インプットすることが重要な研修もありますが、基本的に研修を通じて行動変容を生み出さないと研修の意味はありません。そして、行動変容を起こすためには、実務とのブリッジングが非常に大切です。
研修内の用語や事例等に関しても、参加者に合わせて実務にブリッジングしやすいようにする必要がありますし、研修内でワーク等を通じて自分の仕事に落とし込み、また行動目標に落とし込んでもらうことが大切です。
また、行動変容を最大化するためには、研修で学ぶ⇒実務で実践する⇒研修で成果発表して振り返る⇒新たに学ぶ⇒実務で・・・というサイクルを研修の中に組み込んでしまうことが一番です。
タイムベースドラーニングと呼ばれるやり方で、週1回や月1回の研修を継続的に実施していくスタイルです。研修のオンライン化によってタイムベースドラーニングも非常にやりやすくなったので、ぜひ検討してみてください。
フィードバックの不足
フィードバック不足も、若手研修の効果を損なう要因のひとつです。若手は経験値が不足するため、自身の状況を客観的に認識できていないことが多々あります。
また、上司や組織側も「下手に叱るとハラスメントになってしまう」「“ほめて伸ばす”と言われるなかで、ネガティブフィードバックはモチベ―ションを落とすのではないか…」といった懸念や感覚からフィードバックが不足する傾向がみられます。
もちろんネガティブのみ、怒りを露わにした内容、人格や価値観を否定するといったフィードバックはNGですが、現状に対してきちんとフィードバックしなければ、若手は自身の成長課題や取り組み状況を客観的に把握できません。こうした状況を防ぐためにも、研修前の面談でのフィードバック、また研修後の実践状況に対するフィードバックなどは不可欠です。
まとめ
若手社員に生じがちなモチベーション低下や主体性欠如などの課題を解決するには、以下3つを目的とする若手向け研修を実施するのがおすすめです。
- エンゲージメント強化
- キャリア意識の形成
- スキルUP
若手向け研修の効果性は、以下3つのポイントを大切にすることで高まりやすくなるでしょう。
- スキルよりも価値観への働きかけ
- 成長習慣の形成
- 自分事への落とし込み
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、主体性の欠如やモチベーションの低下などの課題を解決する若手特化のオンライン研修を提供しています。
若手社員の行動変容につながる研修に関心がある方は、以下のページから資料をダウンロードしてみてください。
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