「ストレングス・ファインダー」は、世界で50年以上の歴史があり、2,500万人が実践している強み発見診断です。自分の強みの素になる「才能」を見つけ、成果につなげる方法を身に付けることができます。
ストレングス・ファインダー®は、以下のような課題を持っている人におすすめの診断です。
- 「自分の強みを見出したい!」
- 「強味を活かして成果につなげたい……」
- 「メンバーのだめなところばかりに目がいってしまう……」
- 「若手の能力がなかなか伸びない……」
- 「次世代リーダー人材がなかなか育たない……」
- 「メンバーの低いモチベーションを改善したい……」
- 「リーダーシップを発揮できない人材が多い……」
記事では、ストレングス・ファインダー®の概要、診断で分かる領域・資質の解説を行うとともに、診断結果の事例と活かし方、メリット、ストレングス・ファインダー®の受け方などを紹介します。
HRドクターを運営するジェイックでは、「ストレングス・ファインダー®読み解きワークショップ」「ストレングス・ファインダー®研修」を提供しています。その知見を踏まえて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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また、こちらに動画での簡単な解説もありますので併せてご覧ください。
<目次>
- ストレングス・ファインダー®とは?
- ストレングス・ファインダー®の4領域と34の資質
- ストレングス・ファインダー®の診断結果例と活かし方
- ストレングス・ファインダー®から得られるメリット
- ストレングス・ファインダー®の受け方
- まとめ
ストレングス・ファインダー®とは?
ストレングスファインダー®の成り立ち
ストレングス・ファインダー®とは、世界トップクラスの調査会社であるGallup社が、50年以上かけて、さまざまな心理学やビジネスパーソンへのインタビューなどをもとに開発した才能診断ツールです。
診断の原型は「人がうまくできないことではなく、うまくできることを研究したら、何が起きるだろうか?」という研究を行ったドン・クリフトン博士が考案しました。「strengths finder」という名前のとおり、「強みを見つける」ための診断となっています。現在、ブランド名は「クリフトンストレングス」に改称していますが、内容自体は変わっていません。
一般的な研修や人材育成の考え方は、本人の短所や弱みを見つけ、克服させるものがほとんどです。しかし、ストレングス・ファインダー®は、自分の得意分野・強みを伸ばし、「成果を出す方法」として磨き上げることで、自然と弱みを問題ないものにしていくという方法をとります。
ストレングス・ファインダー®の考え方に基づいて人材育成やマネジメントをすると、各自がやりがいを実感しながら最高レベルの実力を発揮できるようになるでしょう。
*出典:クリフトンストレングスの歴史
才能(資質)と強み
ストレングス・ファインダー®を活用するうえでは、まず才能(資質)と強みの違いを知っておくことが重要です。
ドン・クリフトンは、才能を「自然に繰り返される思考、感情または行動のパターンである」と定義しています。つまり、誰もが自然と持っているものです。
ストレングス・ファインダー®では、才能は自覚して意識的に活用しないと、強み=「仕事で成果をあげる力」にはならない。自分の才能を仕事に活かし成果に役立てるには自分の資質を見つけて「強み」にする必要があるといいます。
たとえば、「コミュニケーション」という才能を持つ人材がいたとします。コミュニケーションという才能は、「自分の頭のなかに浮かんだ思考を“言葉”として相手に伝える」力ですが、この才能があるからといって仕事がうまくいくとは限りません。
自身の「才能」を「強み」、すなわち成果につなげるには、以下のことが大切です。
- 才能への投資
- 才能に基づく訓練
- 才能への知識
- スキルの付加
つまり、仕事の成果に結びつけるためには、才能を仕事のどこでどう生かせるのか、どのような場面で意識的に活用すれば成果につなげられるのかといったことを考え、才能への理解と投資を行うことが大切です。
Gallup社では、才能と強みの関係を、以下のように示しています。
- 強み(常に完璧に近い成果を出す能力)=
- 才能(生来の考え方、感覚、行動)
- × 投資(訓練、スキル開発、知識構築にかける時間)
このように、才能と強みの違いを理解しておくことが、ストレングス・ファインダー®を活用して、あなたの才能を見出し、強みにするために大切です。
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ストレングス・ファインダー®の4領域と34の資質
ストレングス・ファインダー®では、4つの領域と34の資質をもとに自身の資質を表します。
34の資質のなかで自身に当てはまるものを1位から34位まで順位をつけてくれることによって、自身の強みだけでなく、自身にないものや弱みなども知ることができます。
各資質の内容を知っておくことは重要なので、それぞれがどのような意味なのか見ておきましょう。
人間関係力の領域
「人間関係力の領域」とは、人間関係を構築し、チームの絆を強化するといったことに役に立つ才能です。この領域の資質が高い人は、個の集合よりもチームを団結させ、より高いパフォーマンスを発揮させることができます。
人間関係力の領域には、以下のような資質があります。
- 適応性:今の状況、流れに合わせて柔軟に適応していく資質
- 運命思考:あらゆる人や物事は互いに結び付いていると考える資質
- 成長促進:他者の可能性を理解し、成長させる資質
- 共感性:相手の状況を自分に置き換えて考え、相手の気持ちや感情を察する資質
- 調和性:意見の衝突を避け、意見を一致させる資質
- 包含:相手を受け入れ、人に居場所を与えられる資質
- 個別化:それぞれの個性を見つけ、異なるタイプの人をまとめる資質
- ポジティブ:情熱的で他の人たちに熱意を人に分け与えることができる資質
- 親密性:人と親密な関係性を築く資質
影響力の領域
「影響力の領域」は、メンバーにチームのミッションや目標を伝えたり、上司やお客様を説得したりするなど、人に影響を与えることに役立つ才能です。主張したり、意見を他者に伝え、チームを鼓舞することに長けており、チームのパフォーマンスを高めます。
影響力の領域の資質は以下です。
- 活発性:アイデアをすぐに実行し成果を出す資質
- 指令性:状況の主導権を握り決断をする資質
- コミュニケーション:自分の考えを言葉にし、印象的に説明する資質
- 競争性:他者と比較し、努力する資質
- 最上志向:何事に対しても上を目指し向上させる資質
- 自己確信:自身の能力や決断に自信があり、人生を進んでいく資質
- 自我:自身を重要な存在と認めさせ、大きな影響を与えることを重視する資質
- 社交性:見知らぬ人と打ち解けて親しくなる資質
実行力の領域
「実行力の領域」とは、さまざまなハードルや困難を乗り越えて、目標達成することにつながる才能です。アイデアを発展させて現実化し、目標に向かって努力を行います。
- 達成欲:生産性高く、ひとつひとつの物事を達成する資質
- アレンジ:要素をどのように組み合わせれば目標を実現できるかを考える資質
- 信念:普遍的な価値観、倫理観、道徳観に関する資質
- 公平性:人を平等に扱い、個よりも全体の利益を優先する資質
- 慎重さ:リスクを検討し、決定や選択に細心の注意を払う資質
- 規律性:秩序立てて物事を習慣化、ルーティンにする資質
- 目標志向:目標を定め、目標達成に必要なことを行う資質
- 責任感:責任意識を持ち、正直かつ忠実にやり切る資質
- 回復志向:どこに問題があるのかを探りあて、問題を解決する資質
思考力の領域
「思考力の領域」は、課題解決や目標達成の手法を考えたり、今後を見通したりすることにつながる才能です。
- 分析思考:物事の理由と原因の因果関係を分析する資質
- 原点思考:経緯や背景を知り、本質的に理解しようとする資質
- 未来志向:未来と未来にできることを心に描き、ビジョンを見せる資質
- 着想:見た目には共通点のない現象に関連性やつながりを見出す資質
- 収集心:情報、知識、アイデアなどを収集する資質
- 内省:自分の知り得たことを考察し、より深める資質
- 学習欲:常に向上を望み、学習を楽しむ資質
- 戦略性:成果に向けてアプローチ方法を考える資質
*出典:天性の強みに関する34とおりの根拠
*出典:自身のクリフトンストレングスを活かした指導方法について知る
ストレングスファインダーの34資質の詳しい意味の活かし方、上位5資質の組み合わせを読み解くポイントは以下の記事で紹介していますので、興味があればぜひご覧ください。
ストレングス・ファインダー®の診断結果例と活かし方
ストレングス・ファインダー®を受けると、自身の特徴を知ることができますが、どのように見ればいいかわからないかもしれません。本章では、実際の診断結果をもとに、見方や活かし方などを解説します。
ストレングス・ファインダー®の診断結果例
上記はあるスタッフの診断結果です。ストレングス・ファインダー®を受けると、このように34の資質を、自身に当てはまるものから順に順位付けしてくれます(後述しますが、上位5つの資質だけが見えるテストと、34個の資質全ての順位が見えるテストがあります)
サンプルの結果を見ると、「未来志向」「達成欲」「学習欲」「戦略性」「自己確信」「分析思考」などが上位にあることがわかります。
また、各資質の順位状況を踏まえて、4つの領域でどこが強いかを知ることができます。サンプル結果では、上位の資質は「戦略的思考力」「実行力」の領域に多く、2つの領域が強みであることがわかります。診断の下には『あなたは、クリフトンストレングスの「戦略的思考力」の資質に強みがあります』と1位の領域についてコメントされています。
ストレングス・ファインダー®の活かし方
ストレングス・ファインダー®の結果を、どのように生かせばよいのでしょうか?
ストレングス・ファインダー®を受けると、上記のようなレポートももらえます(上記はレポートのほんの一部です)。レポート内には、自身の資質で強化するのがよいもの、それ以外のものが書かれています。
また、レポートのなかには以下のように活かし方が書かれています。
トップ5つの資質から始めましょう。あなたの生来の最強の才能です。
- クリフトンストレングスの上位資質を熟読する。 才能を最大限に活用するためには、初めにまず自分が上位資質を理解し、次にそれを他者に伝える方法を考える必要があります。
- 自分自身を振り返る。 自分の経験、モチベーション、自己認識について考えましょう。 その後、クリフトンストレングスの資質があなたをどのように形作っているか、つまり、あなたの行動とやり方、そして理由について考えます。
- これらの資質を日々に活かす。 最も高い資質を活かすために、本レポートのアドバイスから始めてみましょう。
- 盲点に注意する。 上位資質によって、時に意図していないネガティブな誤解が生じる場合があります。「弱みとは何か?」のセクションを読んで、上位資質が阻害の要因となるのを防ぎましょう。
クリフトンストレングス6~10位の資質に着目しましょう。
同じストラテジーを当てはめて、次の5つのクリフトンストレングス資質を最大限に活用します。強みベースのアプローチを日常生活に活かせば、最高の自分になれるでしょう。自分のベストのさらに上を行きましょう。そうすればよりエンゲージし、力が湧き生き生きとするでしょう。
つまり、活かし方としてはまず資質のなかの上位5つに注目し、各資質について理解し、自分自身を振り返り、レポートのアドバイスをもとに日々の生活や仕事に活かしていくということです。さらに、強みによって生じるネガティブな側面や弱みも知り、資質を効果的に発揮するのを邪魔しないようにすることも大切です。
レポートには、それぞれの資質の詳細な説明や活かし方が書かれています。レポートを活用して自身の強みを伸ばし、さらなる成長を得ることができるのです。
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ストレングス・ファインダー®から得られるメリット
ストレングス・ファインダー®を受けることには、以下のような効果・メリットがあります。
自己肯定感の向上
自己肯定感という言葉の産みの親である心理学者(臨床心理士)の高垣忠一郎氏は、自己肯定感を以下のように定義しています。
ストレングス・ファインダー®で強みにつながる資質・才能を見つけると、たとえば、今まで仕事のミスが多いことで悩んでいた人も「自分はたしかにミスも多いが、高い調和性や共感性もある!これを活かせば成果をあげられる」と不完全さを含めた自己を肯定しやすくなります。
生産性の向上
ストレングス・ファインダー®によって生産性を向上させることができます。
「自分はミスばかりするダメな人間だ」と自己否定ばかりしていると、以下のような状態からパフォーマンスや生産性がさらに低下しやすくなります。
- プレッシャーや緊張が強くなる
- 慢性的な緊張から、肩こりや眠りの質が悪くなる
- 心身の不調から集中力が低下し、作業スピードも遅くなる など
一方で、「自分はたしかにミスも多いが、〇〇という強みがあるじゃないか!」と自己肯定できると、余計な緊張をせずに前向きに仕事に取り組めるようになるでしょう。
なお、Gallup社では、ストレングス・ファインダー®で知った才能・強みを仕事に活用している人は、自身の役割における生産性が7.8%、生活の質が3倍も高いというデータを公開しています。
*出典:クリフトンストレングス34
強みを活かした組織づくりの実現
ストレングス・ファインダー®によって、強みを活かした組織づくりができます。
企業でストレングス・ファインダー®を行なうと、メンバーの才能を把握できますし、相互の強みを共有できます。それぞれの才能や資質に合った教育、適材適所の配置、役割分担を行なえば、強い組織づくりが可能になります。
同じ仕事をしてもらうにしても、相手の強みを活かした目標設定や仕事の仕方、マネジメントができれば、モチベーションや成果は大きく変わってくるでしょう。
なお、Gallup社では、ストレングス・ファインダー®で自身の才能・強みを発見した人は、6倍も仕事にエンゲージしている確率が高いとしています。
*出典:クリフトンストレングス34
ストレングス・ファインダー®の受け方
ストレングス・ファインダー®には、3つの受診方法が用意されています。本章では、各方法のやり方と特徴を紹介します。
*出典:クリフトンストレングス34
Gallup社の公式サイトでアクセスコードを直接購入する
Gallup社の公式サイトで、以下3種類のアクセスコードが販売されています。自分が必要とする資質に合ったものを購入することができます。
それぞれの方法と特徴は以下です。
- ①クリフトンストレングスの上位資質(トップ5):3,754円
- ⇒診断を受けてトップ5の資質だけを知ることができるアクセスコード
- ②クリフトンストレングス34:8,448円
- ⇒診断を受けて34資質すべての順位を知ることができるアクセスコード
- ③クリフトンストレングス34アップグレード:6,990円
- ⇒トップ5の結果を持っている人が、6~34の順位を知ることができるアクセスコード
Gallup社の公式サイトからアクセスコードを購入すると、Web上で活かし方の資料が手に入ります。
*2024年3月12日時点の金額です|公式サイト:https://store.gallup.com/h/ja-jp
*米国企業のため価格はドル建てになっており、円ドル相場の推移等によっても金額が変わることがあります。
書籍「さあ、才能に目覚めよう」を購入する
「さあ、才能に目覚めよう」という書籍を購入すると巻末に綴じ込みがあり、開くとストレングス・ファインダーを受検するためのアクセスコードが記載されています。
書籍では、各資質の解説や活かし方も解説されています。
なお、アクセスコードは1回しか使えません。したがって、診断を受検するにはコード未使用の新品の本を購入する必要があります。
また、書籍のアクセスコードでわかるのは、トップ5の資質だけです。したがって、すべての資質を知りたい場合は、あとからアップグレードするか、はじめから公式サイトでクリフトンストレングス34を購入する必要があります。
認定を受けた講師による研修を受ける
認定を受けた講師による研修というのもあります。
ストレングス・ファインダー®の研修は、自身の診断結果を知ったあと、認定講師から活かし方のレクチャーを受けられるというプログラムです。
ストレングスファインダーを提供しているギャラップ社では、ストレングスコーチの育成を行っており、認定を得た講師からレクチャーを受けられます。書籍などでの実施に比べて、理解がより深まり、仕事などで効果的に活用することができるでしょう。
ストレングスコーチの認定を得た講師による研修は日本でもいくつかの会社が提供しており、自己流での活かし方ではなく、信頼性の高いやり方を教えてもらえます。
HRドクターを運営する研修会社ジェイックでも、「ストレングス・ファインダー®」研修を実施しています。研修講師は、Gallup社によるトレーニングを修了し、ギャラップ認定ストレングスコーチの資格を取得しており、診断結果に関して深い解説とノウハウの提供が可能です。Gallup社直伝のコンテンツや知見をもとに研修を行うことができます。
まとめ
ストレングス・ファインダー®の考え方は、自分の得意分野・強みを伸ばし、「成果を出す方法」として磨き上げることで、自然と弱みが問題ないものになっていくというものです。
“強みにフォーカスする”という特徴があるため、自社のメンバーにストレングス・ファインダー®を受けてもらうと、自己肯定感や生産性が向上し、組織が大きく変わるはずです。
ストレングス・ファインダー®は、書籍『さあ、才能に目覚めよう』に記載されたアクセスコードを使うほか、Gallup社の公式サイトでも受検可能です。
また、HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「ストレングス・ファインダー®」研修も行っています。講師はGallup社によるトレーニングを修了し、ギャラップ認定ストレングスコーチの資格を持っており、より成果の高い研修を提供しています。
研修を受けたい人は、以下ページからぜひ申し込んでみてください。
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