一口にコミュニケーション研修といっても、対象や課題に応じたさまざまなプログラムがあります。
・新入社員、若手社員向け
・中堅社員、管理職、経営幹部向け
・営業職、販売職向けといった職種別
同じ対象でも、解決したい課題やスキルレベルはそれぞれでしょう。課題や目的は「社内コミュニケーションを活性化させたい」「顧客との信頼関係構築の力を強めたい」「管理職のコーチング力やチームビルディング力をUPさせたい」など、複数出てくるかもしれません。
重要なのは課題と目的を明確にして、研修を設計・実施することです。効果的なコミュニケーション研修を実施するためには、解決したい課題に合わせて適切なプログラム内容を組み合わせていきましょう。プログラムの種類や内容をいくつか紹介します。
コミュニケーションの基礎
コミュニケーションスキルの基礎では、話す、聴くだけではなく、マナーや言葉遣い、相手の目線を想像する力など、ビジネスコミュニケーションに必要となるスキルを学びます。
- 対象:おもに新入社員や若手社員
- 課題:ビジネスで使えるコミュニケーションの基礎がない、あまりコミュニケーションが得意ではない など
- 目的:コミュニケーション力を向上させるメリットや役立つシーンなどを学ぶことで、研修にポジティブなイメージを持ってもらう。また、トレーニングでスキル向上も可能であることを伝え、「自分は苦手・上達しない」などの先入観を取り払う
若手のコミュニケーション強化にご興味あれば、下記の記事も参考になるでしょう。
コミュニケーションスタイルの理解
人のコミュニケーションスタイルは特性や価値観に応じて、いくつかに分類できます。コミュニケーションスタイルが異なると、話のすれ違い、対立が起こりやすくなってしまいます。
「合わない」「苦手だ」と思う相手とは、コミュニケーションスタイルが異なっているのかもしれません。まず自分のコミュニケーションスタイルを知り、自分とは異なるコミュニケーションスタイルを理解することで、理性を働かせ、円滑にコミュニケーションを取れるようになります。
営業や販売であれば、“苦手な相手”をなくす、また社内でも感情的なコミュニケーションの対立などが減少します。
- 対象:新入社員、若手社員、販売職、営業職
- 課題:一定のコミュニケーション能力はあるが、自分と「合わない相手」や「苦手な相手」に上手なコミュニケーションができない など
- 目的:診断を通じて自分のコミュニケーション傾向を理解する。また、コミュニケーションスタイルの概念を知ることで、相手に合わせたコミュニケーションができるようになったり、苦手意識をなくす
報連相の基本
報告・連絡・相談はコミュニケーションの基本です。適切なタイミングで報連相ができないと、トラブルの原因にもなりますし、成果もあがりにくいでしょう。
報連相が適切にできることによって、周囲とのコミュニケーションが円滑になります。先輩や上司からのフィードバックやアドバイスも得やすくなり、成果があげる、また、成長のスピードを早めることができます。
仕事を進めるための基本となる報連相は、新入社員のうちに正しく習慣化することが重要です。
- 対象:新入社員、若手社員
- 課題:適切な報告・連絡・相談ができない
- 目的:報連相の目的やメリットの理解とともに、実践的な報連相スキルを身に付けることで業務上の成果を上げられるようにする
気配り力
「気配り力」はコミュニケーションの質につながります。相手の立場や都合を考慮した気配りやコミュニケーションができると、ビジネスも円滑に進みやすくなります。気配り力があることで、スムーズに物事を進めることができます。相手の立場や都合を考慮した発言や行動があれば、顧客との信頼関係も構築しやすいでしょう。
逆に言うと、気配り力が足りないとクレームやトラブルが発生しやすくなります。依頼や仕事の進行が上手くいかない、相手を苛立たせる、スムーズに決まらないといったことが増加します。気配り力はビジネスを円滑に進め、成功に導くために重要なスキルです。
- 対象:新入社員、若手社員
- 課題:気配りの欠如や気付き力、感受性の不足によるクレームやトラブルが生じている
- 目的:社内や顧客に対する「気配り」「気付き」の力を身に付けて、ビジネスの成果につなげていく
アサーティブコミュニケーション
アサーティブコミュニケーションは、相手の気持ちや状況も尊重しながら、素直に自分の気持ちや意見を伝えるコミュニケーションスキルです。
ビジネスでもプライベートでも、相手に対しても言いづらい依頼、相手と異なる意見を伝えなければならない場面はあるでしょう。アサーティブコミュニケーションのスキルを身に付けていることで、相手にも自分にもストレスが少ない伝え方をすることができるようになります。
アサーティブコミュニケーションを学ぶことで、社内・社外を問わずコミュニケーションのストレスが減少しますし、より良い意思決定や交渉をすることができるようになるでしょう。
- 対象:おもに若手社員
- 課題:自分の意見をなかなか伝えられない、自分の意見ばかり主張してしまう
- 目的:ストレスのない自己主張をするとともに、自他ともに尊重できるコミュニケーション力を身に付ける
信頼関係の構築(ラポール形成)
ラポールはもともとフランス語であり、「信頼関係」や「心が通い合う関係」を意味する心理学用語です。ビジネスを円滑に進めていくために、信頼関係の構築はとても重要なものです。
特に仕事で顧客と接する営業や販売にとって、顧客と信頼関係を構築(ラポール形成)することは成果をあげるうえで不可欠です。信頼関係が無い状態で売り込みをしても逆効果になることも多いでしょう。
管理職にとっても部下とのコミュニケーションを良好なものにするためには、信頼関係の構築が必要不可欠です。ラポール形成について学ぶことで、社外、社内の人間関係を良好にし、信頼関係の構築に役立てることができます。
- 対象:販売職、営業職、管理職
- 課題:顧客やメンバーとの信頼関係の構築をスムーズに行ないたい
- 目的:心理学を踏まえて、ラポール形成に必要な原則と、ペーシングやミラーリングといったコミュニケーションスキルを身に付ける
ヒアリング力
ヒアリング力を高めることで、たとえば、営業や販売で顧客の本質的なニーズを引き出し、ニーズに合わせた商品やサービスを提案しやすくなるでしょう。
また、ヒアリング力が身に付けば、社内において上司はメンバーの困りごとや課題を上手く聞くことができるようになり、問題を早期に把握し対応しすくなります。
- 対象:販売職、営業職、管理職
- 課題(販売職や営業職):何をヒアリングしたらいいのかわからない、表面的なニーズしか聞けていない
- 課題(管理職):メンバーの課題や業務進捗の把握ができない
- 目的:施策の検討や提案するための現状、相手の意向、モチベーションなどをしっかりと把握できるようにする
プレゼンテーション
人を動かすために重要なのがプレゼンテーションのスキルです。プレゼンテーション力が弱いと商談やコンペで良い結果を得ることが難しくなるでしょう。また社内においても部下を動かしたり、上司に企画を納得してもらったり、といったことが難しくなります。逆に、相手に伝わる話し方ができると、人を動かしたり、影響を与えたりしやすくなります。
日本ではプレゼンテーションが苦手、という方も多いものです。しかし、必要なスキルを身に付けることで苦手意識をなくし、効果的なプレゼンテーションをすることができるようになるでしょう。
- 対象:営業職、管理職、幹部
- 課題:人を動かしたり、影響を与えたりするためのプレゼンテーション力を磨きたい
- 目的:プレゼンテーションで伝える内容・技術・手段を理解して、実践や振り返りを通じてプレゼンテーション力を高める
聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受ける
報連相がすべてのビジネスパーソンにとってコミュニケーションの基本だとすれば、聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受けるといったことをテーマとしたリーダーシップを発揮するために不可欠なコミュニケーションスキルです。従って、新任管理職、リーダー候補にとっては必須で身に付ける必要があります。
初めて部下を持つ新任管理職は、どう部下に接したら良いのか、リーダーシップをどう発揮していけば良いのか悩みを持つことも多いものです。また、リーダーや管理職は部下の育成・教育もする必要があります。そのためには「聴く・褒める・叱る・質問する・伝える・指示を出す・報告を受ける」といったスキルが大切です。
- 対象:新任管理職、リーダー候補
- 課題:管理職になったばかりで、どのようにメンバーを動かすべきかを悩んでいる
- 目的:管理職として「人を動かして組織の成果を上げる」ために必要な基本的なコミュニケーションスキルを身に付ける
コーチング
コーチングのスキルは、主に管理職や幹部が部下を育てるうえで有効です。メンバーのやる気を引き出し、自立性・主体性を引き出すことは高いパフォーマンスのために欠かせません。
部下の能力を引き出し、自主的に目標達成や課題解決に取り組めるようにするには、上司となる管理職もコーチングに必要なスキルを身に付けることが重要です。
またコーチングのスキルは営業や販売でも活かせる場面が多いでしょう。ラポール形成や質問の技法を用いることで、顧客が自らのニーズに気づいて購入を検討したり、サービスを申し込んだりすることにつなげられるようになるでしょう。
- 対象:管理職、幹部、営業職
- 課題:相手の意思や主体性を引き出すコミュニケーションスキルを身に付けたい
- 目的:ラポール形成や質問の技法など、コーチングのスキルを身に付ける
チームビルディング
チームメンバーが目標に向かって協力し合うことは、大きな成果を得るうえで不可欠です。メンバー個々人が違う方向、自分の成果を最大化するような動きをしていれば、チームとして目指す成果は得られません。
チームビルディング研修を通して、メンバー同士が理解を深め、コミュニケーションが活発になり、主体性をもって課題解決や目標達成に向かっていくことができるようになるでしょう。
- 対象:管理職
- 課題:チームが協力しながら目標達成していく状態を作り上げられていない
- 目的:ファシリテーションやアイスブレーキングなどのチームビルディングに必要なスキルを身に付ける
ファシリテーション
ファシリテーションとは、会議やミーティングにおいて参加者の意見を引き出しながら、議論を円滑に進めるスキルです。会議では管理職やリーダーが進行を担うことが多いでしょう。
会議やミーティングなどうまく進行させることができない、参加者の発言を引き出せない、時間内に目指すゴールに辿り着くことができない(何も決まらない)、といったことに悩んでいる管理職の方は多いでしょう。
ファシリテーションに必要なスキルを学び、身に付けることでミーティングなどの進行を円滑に行うことができるようになります。
- 対象:管理職
- 課題:会議やミーティング、研修などをうまく舵取りできずに悩んでいる
- 目的:ファシリテーションの重要性を確認したうえで、疑似会議のロールプレイングを通してスキルの定着を目指す
フィードバック
部下の成長を促すのに、フィードバックは欠かせません。しかし、部下に対してどうすれば適切な指摘ができるのか、反感を買わずに効果的なフィードバックができるのか、と悩む中堅社員や管理職は少なくありません。
中には一生懸命に部下にフィードバックしているのに、なかなか成果につながらない…と悩む管理職もいるでしょう。
- 対象:中堅社員・管理職
- 課題:メンバーのパフォーマンスを高めるフィードバックのやり方に悩んでいる
- 目的:フィードバックの目的や効果、種類などの基本を確認したうえで、ロールプレイングなどで実践しながらスキルを身に付ける。