管理職になりたがらない社員の成長戦略~責任感を醸成し、次世代リーダーを育成する方法~ Vol.2

管理職になりたがらない社員の成長戦略v2

本記事は、全2部構成でお送りします。Vol.1は下記よりどうぞ。

<目次>

今の時代の管理職に求められるスキル

弊社、株式会社ジェイックでは20代後半から30代前半の社員をどんどん昇格させるようにしています。マネジメントを嫌がる人が、全然いないわけじゃないですけど、あまりいないです。

 

なぜかというと、管理職に必要なスキルをしっかり認識してもらっているからです。

 

管理職に必要なスキルv2
出典:PR TIMES

 

上のスライドは、ここ10年間で「管理職に求められること」が変わったと思う人がどれぐらいいるかという調査結果です。

 

調査結果によれば、「スピード」「対話力」がいまの管理職には求められる、そして個人力の更なる向上が必要ということです。

 

個人の力というと、専門性に思われがちですが、そうではありません。下記は、管理職に必要なスキルが10年前と今でどう変わっているかを調べた調査結果です。

 

リスキリングv2
出典:PR TIMES

 

左側の比較グラフ3つは、この10年間で求められると思う人が減った要素です。上から「説得を重んじる」「トップダウンで物事を進める」「部下に自分の模倣を求める」です。

 

右側は、逆に上がった要素です。上から「対話を重んじる」「ボトムアップで物事を進める」「部下に自分とは異なる強みの発揮を求める」となっています。

 

部下とのコミュニケーションは、説得から対話に変わっています。

 

トップダウンで物事を進めるのが大事というのが20年前に求められた管理職です。しかし、今はボトムアップで物事を進める力の方が大事だと言われています。

 

また、部下の人たちに自分と同じようにやったらいいといって弱点を克服させる力が大事と思われていましたが、今は1人1人が違う強みを生かして伸ばしていくことが大事と変わってきました。

 

自分が全ての物事を1人で決めて進めなきゃいけないところから、みんなの強みを発揮して、みんなと一緒に成長していくことが大事だという認識に変わってきたわけです。

自信を持たせる重要性

超基本

 

もう1つは、管理職になりたがらない若手社員に対するアプローチとして大事なことは自信を持ってもらうことです。

 

「自信を持てない」ことも管理職になりたがらない大きな理由になっています。

 

「責任が重くなるから嫌だ」とか「ライフワークバランスが取れなくなるから嫌だ」などと言う裏側には、「自信がない」という不安があります。「嫌だ」という裏側には「自分には責任を担いきれないかもしれない」「管理職をやりながらワークライフバランスは取る力ない」といった風に思っているわけです。

 

だからこそ、自信を持たせてあげることが大事です。

 

「自分もできそうだな」と思えるのは「勉強も経験もしたし自分でもできそう」という感覚と、もう1つは「自分はこの会社で必要な存在だと思われてるから頑張らなきゃ」という感覚です。

 

もし御社の経営層や現管理職の方が、学びの機会の与え方や重要感の持たせ方がわからない場合は、経営層や管理職の方々にはリーダーシップのリスキリングが必要かもしれません。

 

上の意識を変えて、アプローチを変えないと、中間層の人たち、若手の引き上げは難しいでしょう。日頃から他者の長所を見つける習慣を、経営層や現管理職が持っておくことが重要です。その上で自信を持ってもらい、責任感の醸成をしていくことが大切です。

責任感を醸成するアプローチ

責任感を醸成する

 

若手が「管理職になりたくない」という裏側に、会社や事業に対する責任感が低いという理由がある場合もあります。

 

そうした際には、責任感が低い理由を取り除き、主体性を高めるアプローチをしっかり取り組んでいけば、管理職にチャレンジしたい人が増えてくるかなと思います。

昇格後のフォローアップ

仕事レベル0

 

若手の意欲を高めて、管理職に引き上げたら、その後のフォローアップも大切です。誰しも管理職になりたてのときは不安です。

 

不安なときには、丁寧なフォローアップが必要です。しかし、「もうリーダーなんだから自分で考えて動かないと駄目だよ」と放置してしまう人は多いです。

 

しかし、管理職になりたてのときは「まるで初めて仕事をする人に仕事を教える」かのごとくサポートをしてあげるのが大事です。

 

上記はブランチャードのSL理論に基づくマネジメントアプローチスタイルです。

 

プレイヤーとしては十分な経験を持った人でも、管理職になれば仕事レベルはある意味ではゼロに戻ります。ここで、「リーダーなんだから自分で考えて決めるんだよ」と援助型や委任型でマネジメントすると失敗します。

 

はじめはある程度の指示型から入って、管理職としての仕事を覚え始めたら徐々にコーチ型で離れていくようにします。そして、援助型を経て、最終的には全てを委任するスタイルに至るイメージです。

管理職に必要なスキル「カッツの理論」とは?

カッツ理論

 

プレイヤー層を管理職の人たちに昇格させたときに必要なスキルとしては、ヒューマンスキルを高める機会を与えることがおすすめです。

 

上記はマネージャーに必要なスキルを分類したカッツ理論を少しアレンジしたものです。これを見ると分かる通り、管理職層になると成果をあげるうえでヒューマンスキルの重要性が増してきます。これは「自分が動いて成果をあげる」から「人を動かして組織の成果をあげる」ことに役割が変わるからです。

 

早いうちから次世代リーダーに人間力を高める学びの機会を提供して自信を持ってもらうとよいでしょう。

 

とはいえ、ヒューマンスキルは「人間力」とも言う通り、高めることは決して簡単ではありません。そこで我々がヒューマンスキルを伸ばすときに活用している2つのコアプログラムを紹介します。

ヒューマンスキルを高める2つのコアプログラム

リーダーの樹

 

ジェイックでは、優れたリーダーを「樹」に例えて説明します。大きく揺るがない樹はしっかりと地中に根を張り、そして、そこから養分や水分を吸い上げて、太い幹から枝を通じて、葉っぱに供給して、果実を実らせていきます。

 

イメージとしては、ヒューマンスキルは「根」と「幹」にあたる部分です。そして、「枝」や「葉」は実務能力や専門性です。そして、「果実」が望む成果です。

 

ジェイックで活用している2つのコアプログラムは、それぞれ「根」と「幹」を鍛えるためのプログラムになっています。

 

まず、セルフリーダーシップ、主体性をしっかり持ってもらい、よりよいリーダーの考え方や物事の捉え方を醸成してもらうために「7つの習慣®」です。

 

そして、対話力、チームビルディング力を高めるために活用しているのが、デールカーネギーの『人を動かす』です。

 

2つのコアプログラムで、ジェイックでは中堅層、次世代リーダー育成をトレーニングをしています。

 

7つの習慣

 

まず『7つの習慣』は、全世界で4000万部売れている大ベストセラーであり、自己啓発の金字塔とも言われるような一冊です。『7つの習慣』をもとにした研修プログラムは、アメリカでは企業の売上ランキングTOP100社の90%が社員教育に取り入れているプログラムになります。

 

改善点01~03

 

先ほど紹介した通り、いまのリーダーや管理職に求められるものとして、強みを生かすマネジメントが入っています。そういった意味でも他者の価値観を受け入れる大切さを知る、その中で主体的に自らを変えていく、成長させていくことが大切です。

 

また、リーダーや幹部には、全てのことは自身が選択した結果があると自覚して、自分が流れを変える存在になるという決意が必要です。

 

こうした人間性を身に付けることで、次世代リーダーとしての土台が出来上がってきます。主体性を高め、他責感を排除することで責任感がさらに醸成されます。

 

「7つの習慣®」はこの状態を作っていくことができます。だからこそ、上述の通り、全米のトップ企業がこぞって導入しているのです。

 

「7つの習慣®」で人間力の器を作ったうえで、対話力やチームビルディング力を高めるために活用しているのが、デールカーネギーの『人を動かす』です。

 

人間関係とコミュニケーション

 

『人を動かす』には、ビジネスで成果を上げるために必要な人間関係を良くしていく原則が30書かれています。そして、書籍の内容を実践できるようになると部下や周囲との対話力に自信を持てるようになります。

 

「部下のAさん、何を考えてるか分からなくて苦手なんだよな」「Bさんのモチベーション、何で上がらないのか分からないんだよな」といった状況が続くと、管理職は自信がなくなってきます。

 

逆に、部下の関心事やビジョンがしっかりと把握できていると、それを踏まえてポジティブなアプローチ、役職や権威に頼らずに人を動かせるようになります。

 

人を動かす01~03

 

デール・カーネギー・トレーニングでは、聞き方、ほめ方、叱り方といった細かなコミュニケーションテクニックを学ぶものではありません。

 

相手の価値観に合わせた話し方、相手に行動を促す伝え方ができるようになるプログラムです。結果として、部下や一緒に仕事をしていくメンバーに対して影響力を発揮できるようになります。

 

ただ指示を出すだけではなくて、これがいかに相手の役に立つのかをあわせて伝えることができると、チームはポジティブに仕事に向かっていけるようになります。

 

「部下が主体的に動く状態を作れるようになる」、それが『人を動かす』を中堅層、次世代リーダーに学んでもらっている理由です。

 

繰り返しになりますが、ジェイックでは次世代リーダーを中心に「7つの習慣®」で、主体性を高めるための土台を作り、そしてリーダーになったときに必要になるチームビルディング力と対話力を、「人を動かす」を通じて鍛えて、自信を持ってリーダーになってもらえるアプローチをしています。結果として「リーダーをやりたい」「管理職になってみたい」という人も増えています。

ジェイックが展開する次世代リーダーの育成プログラム

ジェイックでは、自社で導入している社員教育をお客様にも提供するという考え方で教育研修を提供しています。

 

下記のようなプログラム構成になっており、エースカレッジ、リーダーカレッジ、デールカーネギーコースといった継続学習のプログラムを展開しています。これらのプログラムは、若手や次世代リーダーを鍛えたいという時に、1人から派遣してもらえるプログラムになっています。

 

もちろん社員数が多ければインハウスでの提供も可能ですが、意識が高い人同士や織り交ぜたりしながら、何人かずつを公開コースに出していただくこともおすすめです。自社内で若手やリーダー育成を全てまかなうのが難しい場合は、お気軽にご相談いただければと思います。

 

ジェイックの継続型教育

 

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【本記事はPDFでもダウンロードできますので、PDFでご覧になりたい方はこちらより】

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|取締役 兼 常務執行役員

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て入社。
IT戦略事業、全社経営戦略、教育事業、採用・就職支援事業の責任者を経て現職。企業の採用・育成課題を知る立場から、当社の企業向け教育研修を監修するほか、一般企業、金融機関、経営者クラブなどで、若手から管理職層までの社員育成の手法やキャリア形成等についての講演を行っている。
昨今では管理職のリーダーシップやコミュニケーションスキルをテーマに、雑誌『プレジデント』(2023年)、J-CASTニュース(2024年)、ほか人事メディアからの取材も多数実績あり。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
・社長が知っておくべき、業績達成する目標管理と人事評価
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