
エンゲージメント向上のための施策は、以下9つの分野に大きく分けることができます。どれも、従業員が主体的に仕事に取り組むことを促す大切なアクションです。
エンゲージメントを高めるアクションプランの立案や振り返りをする際には、紹介する各分野をバランス良くカバーできているか、ぜひ一度チェックしてみてください。
1. 働く意義
- 自分は何のために働くのか?
- 自分の仕事にはどのような価値があるのか?
- 顧客にどのような価値を届けているのか?
- 自分の仕事を通して、誰にどう貢献できるのか?
こういった問いに対して確固たる答えを持っている従業員は、日々の業務に主体的に取り組むことができます。研修等で上記のような問いを提起し、自分なりの答えをアウトプットしてもらう機会を設けると効果的です。
また、ミッションやビジョンの浸透、事業の価値や従業員が生み出した価値を知らせる「顧客の声」等を社内に発信し、浸透させるのも良いでしょう。
2. 期待される貢献の明確化
誰しも、自分がいったい何を期待されているのかよくわからない状況では、主体性を持ちづらいものです。
「仕事の成果としてどういったものを期待されているか?」「組織への貢献として、どのようなことを期待されているか?」を明確に理解できれば、エンゲージメントは向上します。
従業員一人ひとりにどういったことを期待しているかを日頃から伝えられるよう、マネジメントの仕組みを整えましょう。
3. 成果を上げることへの支援
従業員が仕事で成果を上げるためのサポートも、従業員エンゲージメント向上のために重要な施策の一つです。
日々の業務において、組織や上司から適切なサポートを受けることで、従業員は「自分は尊重されている」という感覚を得ることができます。この感覚が、エンゲージメントを高めていくのです。
求められている成果を上げて組織に貢献するために必要な環境が、各従業員に用意されているかをチェックしてみてください。
4. 貢献への承認と評価
従業員が企業に貢献したことをしっかり承認、評価することも重要です。
貢献への承認と評価を与えることで、「企業に貢献できている」「自分のがんばりが認められている」「企業は自分を正当に評価してくれている」という感覚を従業員に持ってもらうことが可能になります。
こまめなフィードバックや1on1ミーティング、また、評価制度に対する納得感を高めていく取り組みも大切です。
5. 存在承認と所属の欲求
組織のなかで自分の存在が認められている実感があると、従業員エンゲージメントは高まります。従業員一人ひとりに、「組織やチームに必要とされている」感覚や「組織やチームの一員として認められている」感覚を与えるような施策が効果的です。
存在承認や所属の欲求を満たすうえではコミュニケーションの活性化が重要です。とくにコミュニケーション頻度の向上、個人としての側面の尊重や興味関心を示すこと、従業員同士での感謝を伝えるコミュニケーション(thanksカード等)が有効です。
6. 成長の支援
従業員のスキルアップや新たな知識・経験の獲得を支援する施策も、従業員エンゲージメント向上に効果的です。「自分の成長を応援してもらえている」という感覚は、働きやすさややりがい、企業への信頼感を生み、それらが仕事に対する主体性な姿勢へと繋がります。
具体策としては、キャリア形成支援、チャレンジ目標の設定、勉強会やセミナーの参加費補助、また、通常業務から離れたプロジェクトへの抜擢や権限の委譲等が挙げられます。
7. 社内コミュニケーションの活性化
同僚や部署のメンバーとの関係構築も、エンゲージメント向上に役立ちます。スムーズなコミュニケーションが可能で、少しでも疑問や悩みが生じたらすぐ質問・相談できる職場は、従業員にとって働きやすい職場です。
また、自分の意見を気兼ねなく言える環境を作ることは、従業員の主体性の促進に直結します。ミッション・ビジョン・バリューを浸透させる手段としても、社内コミュニケーションは重要です。
ランチ交流会や飲み会、業務の意見交換会、その他社内イベントを開催して、従業員同士が気軽にコミュニケーションを取れる場を用意しましょう。経営層と社員が交流できる機会を設けるのもおすすめです。
8. 自己決定権の尊重
仕事において「自分で決められる」という感覚が、自主的・主体的な行動を促進します。
組織において、すべてのことを一人ひとりの従業員に決めてもらうのは不可能ですが、目標の決め方、仕事の進め方等において、従業員自身に裁量を与えたり、従業員から意見を挙げてもらい一緒に決めたりすることはできるでしょう。
自己決定権による仕事の楽しさを従業員一人ひとりが実感することで、日々の業務においても、前例にとらわれない斬新なアイデアを提案したり、リスクを恐れず難しい課題に積極的に挑戦したりする文化も生まれるでしょう。
9. ワークライフハーモニー
ワークライフハーモニーとは、仕事と人生の調和を指す言葉です。Amazon社のCEOジェフ・ベゾス氏によって、ワークライフバランスを発展させた概念として提唱されました。
ワークライフハーモニーは、ワークライフバランスのように仕事と人生(私生活)を分断されたものとして天秤にかけるのではなく、ワークとライフの2つが組み合わさって一つの環をなすものとしてとらえる考え方です。仕事と人生(私生活)の両方を充実させることで、お互いの質が高まっていくと考えます。
従業員が仕事でも私生活でも幸せな時間を過ごし、良い循環が生まれるようにサポートすることも、エンゲージメント向上をもたらす方法の一つです。働き方改革等の勤怠管理に関する部分もワークライフハーモニーの一部と言えます。