新人教育を成功させ、即戦力へと成長させる「教え方」のポイント。「教え方」だけでなく、
- 新人教育の「心構え」と注意点
- OJTから生じるストレスへの対処法
- おすすめのカリキュラム
まで分かりやすく解説しています。
今回は、失敗しがちな新人教育のNGポイントも記載していますので、是非、参考にしてみてください。
<目次>
- 新人教育の目的とは!?
- 新人教育をすることによるメリットとデメリット
- 新人教育の効果が変わる「教え方」のスキル!
- 新人育成の失敗例【NGな教え方】
- 新人教育が上手い企業は仕組み化している教え方の5ステップ
- 新人教育が上手い上司が実践する教え方のポイント
- 新人教育によるストレスと対処法
- 新人教育を成功させるカリキュラムのポイントと設計例
- 新人教育に効果的な手法3選(マニュアル/OJT/Off-JT)
- まとめ:新人教育は「教え方」の原理原則を理解しよう!
新人教育の目的とは!?
新入社員に対して、新人教育や新人研修を取り入れる企業が多いです。
しかし、新人教育といっても、目的を持たずに教育や研修をただ行うだけでは、効果性が薄れてしまいます。新人教育を行う目的について確認していきましょう。
新人教育の目的
新人教育の目的は、企業によって様々です。しかし、どの企業の新人教育にも共通する目的は、”新人に即戦力になってもらい、活躍してもらうこと”です。
とは言っても、新卒採用で入社した新人と中途採用で入社した新人とでは、社会人としてのマインドセットや、ビジネススキルには大きく差があります。
ですので、新入社員の特徴や属性に合わせて新人教育の目的を変えていくことが重要です。
新人教育の必要性
仕事を始めるにあたって、目的を設定することは重要です。では、新人教育という仕事において、目的を設定する意味とはなんでしょうか?
前述した通り、新卒で入社した新人と、中途採用で入社した新人では、持っているスキルなどが違います。中途採用で入社した方に、新卒入社した新人に教えるような「社会人としての心構えをしっかり持ってもらう」を目的とした新人教育であれば、早期退職に繋がる可能性もあります。
よって、新人教育において、目的を定めることは何よりも重要なのです。
新人教育をすることによるメリットとデメリット
前章では、新人教育を行ううえで重要な基本的な考え方を解説しました。
ここまでの内容で、「正直、新人教育って根気が必要そうだし、ぶっちゃけ面倒くさいかも…」と感じた方もいらっしゃると思います。
新人の教育に工数がかかるのは、ご存じの通りだと思いますが、悪いことだけではありません。
では次に、新人教育をすることで生じる、メリットとデメリットについて把握していきましょう。
新人教育によるメリット
最初に新人教育のメリットを理解しましょう。
・メリット①新人の即戦力化
先述した通り、新人教育によって新人が「即戦力」となるスピードが速くなります。日ごろからのフィードバックやアドバイスを徹底的に行うことで、新人の成長が加速し、会社の成長へとつながります。
・メリット②組織風土の醸成
入社はじめに、会社の経営方針である「ミッション、ビジョン、バリュー」を新人に理解してもらうことで、コミットメントに対する意識が変わります。会社で”新人自ら”が働くことの意味を見つけやすくなり、働くことに対して意欲的になるメリットがあります。
・メリット③指導者側の成長
新人教育をすることで、成長するのは、新人だけではありません。指導者側である教育担当者も成長することができます。教えるためには、新人の成長に必要な要素を整理し、論理的に分かりやすく伝える必要があるので、指導者側の成長にも繋がります。
新人教育によるデメリット
続いて、新人教育のデメリットも把握していきます。
・デメリット①工数に負担がかかる
新人教育は、ご存じの通り、どうしても教育担当者の工数がかかります。通常業務に加えて、新人の教育もするので、普段の業務以外にも精神的な負担がかかる場合もあります。
・デメリット②教育担当者を選出するのが難しい
デメリット①で記載した通りに、教育担当者自身が、通常業務をこなし、ある程度の結果を残すまでは、新人教育で精神的な負担がかかるケースがあります。
さらに、新人と円滑なコミュニケーションを取るためには、新人が「どんな時にモチベーションがあがるのか」「どんな時に落ち込みやすいのか」など、把握する必要があります。
把握した後に、「適切な担当者を選ぶ」ことが難しく、こちらデメリット①と同様、時間がかかってしまいます。
新人教育の効果が変わる「教え方」のスキル!
まずは、新人教育を行う目的について説明しました。次は、実際に新人への「教え方」に関する前提条件を解説していきます。
「教え方」は「スキル」である
新人教育や社員教育に関わったことがある人なら「覚えの悪い新人についイライラしてしまった」「集中力のない受講者を叱りたくなった」といった経験が一度や二度はあるのではないでしょうか。
教える側としては貴重な時間を割いて教えるわけですので、学ぶ側には100%の真剣さで吸収して欲しいと思うのは自然な心理です。
ただ、同時に「教え方」のスキルが大切であることも事実です。「人が覚えるためにはどういうステップを踏めばいいか」「人はどうやって学ぶのか」「人の集中力はどれぐらい持つのか」など、教える側が「教え方のスキル」を身に付けてプログラム設計・実施することで教育研修をより効果的なものにすることが出来ます。
なお、注意すべきこととして、教える側には、「スキル」と同時に「あり方」も必要になるという点です。マネジメントや社員教育の分野で「上司は部下を理解するのに3年かかるが、部下は上司を3日で見抜く」という慣用句があります。
人材教育をするうえで、根本として「この人は尊敬できる」「この人から教わりたい」「この人から学ぶものがある」と思われないと、効果的な教育は出来ません。人に教えるうえでは「教える側も常に見られている」という自覚を持つことで、教え方のスキルをより効果的に使うことが出来るでしょう。
新人育成の失敗例【NGな教え方】
社員教育において教え方のNGパターンとも言うべき典型は以下の3つです。
感情的になりすぎる
職場において教える側と学ぶ側のパワーバランスは、始めから「教える側」に偏っています。
従って、教える側の不機嫌な感情や苛立ちが態度に出ると、習う側は萎縮してしまいます。熱心に教えているからこそ、つい感情がこもってしまう場合もあるでしょう。
しかし、相手が萎縮してしまえば、質問に来なくなりますし、“上手くなる”ことよりも“怒られない”ことに意識が向くようになります。ネガティブな感情を出すことは、新人教育の効果といった観点では確実に逆効果です。こうしたトラブルを防ぐうえでも、教育プロセスのマニュアル化、また、新任リーダーやOJT指導者など「教える人」への「教え方の教育」は重要です。
自分の経験を絶対視する
プレイヤーとして優秀な実績を出した人が陥りがちな教え方の落とし穴は、自分の経験を絶対視してしまうことです。自分の実績は、当時の環境や状況、そして、自分の能力や価値観、動機が組み合わさって出来上がったものです。環境や状況、相手の動機や強みが変われば、“自分のやり方”がベストとは限りません。
発言に一貫性がない
教えられる内容がころころ変わることは、学ぶ側にとっては不安です。「今日教わった内容は今後変わってしまうのではないか」と疑心暗鬼の状態を生み、知識の吸収を阻害してしまいます。もちろん、現実的にケースバイケースであったり、状況が変わって指示が変わったりすることもあるでしょう。
ただ、大きな変化があって発言が変わる場合は経緯を伝えたり、状況が流動的であれば事前に共有したり、ケースバイケースであれば意思決定のプロセスを伝えたりするなど、本人が理解・納得できるようにすることも大切です。
新人のビジョンに沿った教育をしていない
新人の業務に対するアドバイスやフィードバックは重要です。しかし、本人が与えられた仕事に対して、本人なりの「意義」を見つけてもらうことは新人のモチベーションにも関わるので、さらに重要です。
会社や事業部、チームのビジョンや目標を達成させるために教育することも大切ですが、それよりも、「新人の将来、成し遂げたいこと」に関連付けて、教育することが新人を育成するうえで必要な心構えです。
新人教育が上手い企業は仕組み化している教え方の5ステップ
社員教育が上手い会社では、「教え方の5ステップ」を意識して社員教育を行っています。以下は、新人のOJTをイメージしながら見ていただくと分かりやすいと思いますが、教え方の原理原則ですので、普段の部下指導やOff-JTを行ううえでも活用できるものです。
1.仕事の全体像や意味を伝える
新人を育成する場合、いきなりすべての仕事を任せることはないでしょう。いきなり全部の仕事を教えても理解しきれませんので、新人が取り掛かりやすいところから順を追って教えていくことになります。難易度が低く、単純作業や反復作業になることも多いでしょう。
こうした状況では、教えられる側は“自分が取り組んでいることの全体像”が見えなくなったり、“自分の仕事が意味のあるものなのか”分かりにくくなったりしてしまうことがあります。時には「雑用をやらされている」感覚になり、大きくモチベーションを下げてしまうこともあります。
そのうえで、これから教える内容が全体像の中でどこを担っているか、価値創出や活躍することにどう繋がるかという位置付けや目的、意味をしっかり説明することが大切です。
今やっていることが自分の成長にどう繋がっているか、組織の一員としてどう貢献しているかを理解することで、たとえ地道な取り組みであっても、“必要なステップを進んでいる”という実感が得られるようになります。
常に「全体像との繋がり」や「ゴールへのステップ」を意識させることで、本人のモチベーションを保ちながら、業務知識や実務能力を身に付けてもらい、責任や裁量の大きな仕事を徐々に任せていくのが理想的な流れです。
新人のうちから全体像やゴールへのステップを意識する習慣を付けさせることは、将来的に仕事の意味を自分自身で見出し、モチベーションをセルフコントロールできるようになることにも繋がります。
2.やってみせる
人材育成で有名な山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という名言をご存知の方は多いと思います。この順番がまさに「教え方」の原理原則です。
文章や口頭でいくら説明されても、やったことのない新人にはピンと来ません。しかし、実際に目の前でやってみせることで、一気に内容のイメージがつくようになるのです。また、目の前で先輩やOJT指導者がやっている様子を見ることで、「出来る」イメージが強まり、新たな業務に取り組む不安感も小さくなります。
ただし、「やってみせる」うえでも「全体像を教える」ことは大事です。“この仕事を大きく分けるとどんなステップになるのか”、“各ステップで何がゴール・ポイントなのか”という全体像を教えてから「やってみせる」ことで、見えている側の理解・吸収が進みます。
3.内容を説明する
全体像を伝えたうえでやってみせて、イメージを持ってもらった次は、各ステップのポイントや細かな手順を教えていきます。内容を説明するうえでは、事前にマニュアルを作っておいた方がスムーズです。
すべてのポイントやノウハウをマニュアル化することは出来ませんが、基本的なステップ、守るべきルール、ミスしやすいポイントなどは、事前に整理しておきましょう。教える側もマニュアルを整理することで、伝えることに抜け漏れがなくなります。マニュアルを共有しながら説明していく中で、本人にもしっかり書き込ませ、“自分のマニュアル”を作らせていくと記憶が定着しやすくなります。
4.本人に経験させる
何となく全体像を理解して、先輩やOJT指導者がやっているのを見てイメージが湧いた後に、細かく説明を受けることで、新人の頭の中には「出来そうなイメージ」が湧いています。このタイミングから、なるべく間を置かずに「本人に経験させる」と学習が加速されます。
顧客対応の仕事では難しいですが、社内作業であれば、本人に“マニュアルを確認させながら説明させる”ことも有効です。これはラーニング・ピラミッドの考え方に基づくやり方です。講義やデモンストレーションを“見る”ところから、“自ら体験する”ことで一気に学習が加速します。さらに“人に教える”ことで学習定着率は高まります。“マニュアルを見ながら説明させる”ことで、いわば人に教えるプロセスを疑似体験させるわけです。
5.評価・フィードバックを伝える
本人に業務を経験させた後には、必ずフィードバックを行いましょう。新人が新しい業務をやって、いきなりパーフェクトに出来ることは有り得ません。欠けている部分をすべて指摘するようなフィードバックは避けましょう。
山本五十六で言うなら「ほめてやらねば、人は動かじ」です。フィードバックは、ポジティブなフィードバックとネガティブなフィードバックで、「3:1」の割合が理想だと言われています。
実際にこの通りやることは難しいでしょうが、「出来た部分」「上手い部分」をフィードバックすることは忘れないようにしましょう。
本人に経験させる中でも、誤った部分は随時指摘していくこともあると思いますが、評価・フィードバックする際にも改めて伝えていきましょう。フィードバックする時には「あなたが誤った〇〇のステップは」という伝え方になるとネガティブフィードバックになってしまいますので、「〇〇のステップは誤りやすいから」といった伝え方にするといいでしょう。
上記が一連の教えるサイクルです。実際に教えていくうえでは1~5までのプロセスを何度も繰り返して、1つの仕事を身に付けさせていくことになります。教え方が下手な人の場合、一度教えた後が「本人にやらせる ⇒ ネガティブフィードバック」の繰り返しになっていることがあります。教えられる側のモチベーションは下がっていきますし、本人の頭の中にも失敗イメージが刷り込まれてしまいます。
「全体像と紐付けてモチベーションを高める」「やってみせて成功イメージを強める」「改めてポイントを確認する」プロセスを時折混ぜることも、忘れないようにしてください。
仕組み化することで、教育経験が少ない人でも部下を育成できるようにしたり、戦力化までのスピードを速めたりするためにも、マニュアル化の意義は軽視すべきではありません。
例えば、スターバックスでは、アルバイトに対するマニュアルとOJTを通じた徹底した教育プログラムです。だからこそ、あれだけの店舗展開して人が入れ替わっても、安定したサービスを提供することが可能になのです。
新人教育が上手い上司が実践する教え方のポイント
教え方が上手な人になるために注意しておくべきポイントは、次のようなものです。教え方の5ステップを行ううえでも、ぜひ取り組んでみてください。
分かりやすい言葉で伝える
業界では当たり前に使っているような言葉が、業界未経験の新人には意味が分からないことはよくあります。「分かりやすい言葉」とは「相手がイメージできる言葉」です。「教える内容」と「相手が知っている言葉」を紐付けて、相手の反応を見ながら伝えていきましょう。
質問しやすい状況を作る
分からないことを確認せず、“分からないまま”仕事を進められてしまうと、後々大きな問題を生んでしまう可能性があります。「分からないことや困ったことがあれば質問してください」と言っておいても質問に来ない人もいます。
極端なことを言えば「マニュアルを捲っていって100%理解できているか確かめてみよう。1%でも不安なところがあれば質問して」と質問せざるを得ないようにするのも大事です。
なお、質問しやすい状況を作るために大事なことは“同じことを聞かれてもイラつかない”ことです。肝に銘じておきましょう。
本人に考えさせる
教え方の5ステップの中で紹介したように、“マニュアルを見ながら説明させる”ことも本人に考えさせるやり方の1つです。他にも下記のステップで教えることも「考えさせる」やり方の1つです。
- まずは目の前でやってみせて、メモをとらせる。
- 相手にメモを読ませながらもう1回やってみせる(メモを改善させる)
- メモを見ながら相手にやらせる(横でフォローする)
自分で考える、アウトプットさせることで学びが深まり定着します。すべて教えてしまうのではなく、自分で考えさせたり、アウトプットさせたりする場を作りましょう。
相手本位で教える
すべて自分のやり方に当てはめて教育していくのではなく、相手の性格や経験によって、教育手法をアレンジしていくことも重要です。例えば、作業をやりながら慣れていくタイプもいれば、図解を見て理解するタイプ、ドキュメントを読んで理解するタイプもいます。
5ステップの原理原則は変わらなくても、その中で相手に合わせて教えていきましょう。「自分のやり方に合わない=出来ない」ではありません。いくつかやり方を試す中で、相手にあった方法が見つかる場合もあるでしょう。
「育てる」ことが「教える側の仕事」だと心得る
「育てる」のが教える側の仕事なのは、当たり前の話です。ただ、教える側は自分の時間を割いて「教えてあげている」と思ってしまいがちです。特に相手が上手く吸収してくれないと「なんで出来ないんだ」と感情的になってしまうこともあるでしょう。
しかし、「努力する」ことが相手の義務なら、「出来るようにする」ことが教える側の仕事です。一呼吸置いて「どうしたら出来るようになるか」を冷静に考えることが大切です。
新人教育によるストレスと対処法
新人教育の失敗例を前章で解説しました。しかし、新人教育が上手くいかずに、ストレスを抱えてしまう担当者もいます。
次は、新人教育がうまくいかない理由と簡単な対処法を説明します。
新人教育が疲れる原因は!?
新人教育の担当者の場合、「新人が報連相を全然しない」「覚えが悪くてイライラする」「新人との相性が悪く、コミュニケーションが取りづらい」「通常業務の時間が圧迫される」など、さまざまなストレスが生じます。ストレスによって、疲弊を加速させる主な原因は以下の4つです。
- 社会人としての基礎が不充分なまま新人が配属される
- 教育担当者の心構えが整っていない
- 新人教育担当者の「教える技術」が不足している
- 新人教育が仕組み化されておらず、担当者に丸投げされている
上記であげた4つは、特にOJT担当者が抱え込みやすいストレスになっています。
OJT担当者に新人教育を任せる前に、「新人の状態」と「OJT担当者の状態とスキル」の両面に目を向けるようにしましょう。(OJTに関する教育については後述しています)
新人の教育担当者に必要なマインドセット
新人の教育担当者が認識しておくべき重要な心構えとしては、「人材の成長は時間がかかる」ということです。新人の成長スピードは、個々のスキルや特性によって大きく異なるうえに、組織にとって新人教育は、会社の5年後、10年後を左右します。
なので、教育担当者に教育やマネジメントの知識がないと、「どうして自分の部下だけ成長が遅いのだろう」「はやく結果をださせないと」「なんで同じことを何度も言わなければならないんだ」とストレスに感じ、精神的に疲弊してしまいます。
よって、教育担当者のストレスを未然に防ぐためにも、教育担当者向けたレクチャーなどを実施することが効果的です。
上手くいかない時のストレス対処法
何度も記述しますが、「新人教育は簡単にはうまくいかないものだ」ということを前提とした心構えの方が、精神的な負担は圧倒的に軽減されます。
ただ、どうしてもうまくいかない時には以下を実践してみるのも良いです。
- 自分が新人時代だった頃を振り返る
- 上司に状況を相談してアドバイスをもらう
- マネジメント関連の書籍等を読んで自分の行動を振り返る
- 人の成長は「タイミング」だと認識しておく
- 新人の過去ではなく、未来を考える
- 新人ではなく「自分が」どうするのかを考えるようにする
- 部下との接し方や教育方法について自ら情報を取りに行く
- 同じく部下を抱えている人に意見を求める
- 部下の本音を引き出す努力をする(業務外などでも接点を持つ)
- 遠回しな言い方はしない(怒ることを恐れて遠回しな言い方をすると、結局伝わらなくて意味ない)
新人教育を成功させるカリキュラムのポイントと設計例
新人教育は、先述した通り、うまくいかないことがほとんどです。ストレスの対処法も解説しましたが、重要なのは、うまくいかないときのために、新人教育を成功させるためのカリキュラムをあらかじめ設計することです。
新人教育を成功させるカリキュラムのポイントと簡単な例を解説します。
カリキュラムを作る目的とゴールを明確にする
序章で、新人教育で重要なことは、新人教育の目的を持つことでした。カリキュラムを作る目的は、新人教育の目的を達成するための潤滑油となるシナリオを作成し、円滑に新人教育が進むように仕組みを整えることです。
カリキュラムのゴールは、新人教育の目的によって変わりますので、カリキュラムをテンプレートにするというよりは、目的に合わせて柔軟に修正できるようにしましょう。
新人教育を成功させるカリキュラムの具体的なポイント
カリキュラムを作る目的とゴールが明確になれば、実際にカリキュラムを設計していきます。しかし、やみくもにプログラムや教育コンテンツを組んでも、新人教育の効果性は最大化しません。
重要なのは、ポイントを押さえることです。
プログラムを成功させるポイント5選
新人教育を成功させるコツは以下の5ポイントです。
- 教育内容に抜け漏れのないプログラムで設計する
- 部門配属後を意識して設計する(OJTを意識する)
- オンラインでの新人教育を検討する
- 社内での教育と外部委託での教育を併用する
- OJTを丸投げにせず、配属後も定期的に新人と担当者に接触する
カリキュラムの設計例
カリキュラムは会社によってそれぞれですが、一般的には、以下のフローや期間で新人教育を設計することが多いです。
カリキュラムの設計例
カリキュラムの設計例を具体的に見ていきましょう。
1)入社前研修(内定者研修)
-内定者同士や社員との交流やキャリアビジョン設計
2)入社後研修①(人事所管のOff-JT)
-社会人としてのマインドセット/経営方針や組織図/ビジネスマナーやコンプライアンスの教育
3)入社後研修②(人事所管のOJT)
-入社後研修①」で学んだことを「4部門配属後のOJT」で活かすための実務体験
4)部門配属後OJT
-配属部署で必要となる業務スキルを取得する
5)部門配属後の人事Off-JT
-配属後の新人のモチベーションや教育担当者との関係性を把握する
新人教育に効果的な手法3選(マニュアル/OJT/Off-JT)
前章では、カリキュラムの設計から新人教育を成功させるポイントを説明しました。最後に、カリキュラムの他にも効果的な新人教育の手法3選を紹介します。
新人教育に効果的な手法①マニュアル化
カリキュラムは設計図でしたが、マニュアルはより具体に落とし込んで作成します。例えば、ビジネスマナーで取得して欲しい内容があれば(身だしなみ、挨拶の仕方、敬語の使い方や種類、電話対応、報連相の大切さ、名刺交換etc…)などです。
マニュアル化することで、教育担当者が一から教育案を作成する必要はなくなりますし、教育の質を均一にすることができます。
新人教育に効果歴な手法②OJT
OJT(On the JOB Training)は、実際に業務を経験しながら学ぶことが出来る教育スタイルで、より実践的なビジネススキルを身に着けることが出来ます。
また、個別で新人の教育を行うので、新人の成長スピードや知識など、個々に合わせた柔軟な教育をすることが可能です。
新人教育に効果的な手法③Off-JT
OJTと対する教育スタイルのOff-JTも新人教育に効果的なメリットを持っています。
個々ではなく全体での教育なので、集中して取り組める環境を作ることができ、他者の考え方や価値観に触れる経験が出来ます。
まとめ:新人教育は「教え方」の原理原則を理解しよう!
自社で活躍するリーダーを育てていくためには、「背中を見て覚えろ」よりも、教え方の原理原則を踏まえた指導をすることが効果的なのは言うまでもありません。
教え方の原理原則は、全体像を伝えること、そして、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という名言のプロセスです。
「教え方」のスキルを知っているかどうかで、OJT指導や新人教育の効果性は変わってしまいます。ぜひOJT指導者などに「教え方を教える」場を作り、組織全体での“社員教育の効果性”を高めてください。
また、株式会社ジェイックでは、社会人の基礎・当たり前を習得させる2種類の研修を提供しております。
ご興味がございましたら、ぜひご覧ください。
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