新入社員や若手社員の離職を防ぐうえで離職防止研修の実施タイミングも重要です。
1~3年目の社員やリーダー社員を対象に、主な離職理由と研修タイミングを紹介します。配属時期や壁にぶつかる時期は各社によって異なる部分もあると思いますので、自社の状況に当てはめながらご覧ください。
1年目社員
1年目は、社会人生活や仕事に対する期待と現実のギャップが主な離職要因となります。
新入社員は今まで学生をしていたわけなので、入社前に描いていた社会人生活は想像上のものであり、多くの場合、バラ色だったり甘かったりする可能性があります。そのため、実際に入社して仕事内容や職場の雰囲気が想像していたものと違うといったリアリティギャップが多かれ少なかれ生じます。
加えて、職場の人間関係にうまく馴染めない、ライフスタイルの変化によるストレスや疲労と仕事によるストレスが重なるといったことが早期離職の原因になります。現場配属のタイミングが、リアリティショックは生じやすく、人間関係や仕事のストレスも一気に増えますので、配属して数ヶ月後ぐらいがおすすめの研修実施タイミングです。
なお、離職防止という意味では、配属前の初期研修の中でリアリティギャップに対する心構えをきちんと学んでもらうプログラムを組み込むことも必須です。
2年目社員
2年目は、大きく2つの要因が重なることで離職につながります。
1つ目の要因は、扱われ方の変化です。入社1年が経過して、次の新入社員が入社するタイミング、また現場に配属されるタイミングで、組織や上司の関心は次の新入社員に移ります。これに伴って、それまで「1年目」として、ケアされていたものが、急に「もう2年目だから」と自走を促されることもよくあります。こうした状況は一種の孤独感やストレスにつながります。
また、本人側も1年目は初めてのことも多く、まずは慣れよう・吸収しようというスタンスでいたところから、2年目に入ると徐々に仕事に慣れて、働き方や社風とのミスマッチ、仕事内容のことなどを考える余裕が出てきます。この余裕が、悪い方向に行くと“悩み”や“不満”に転化します。
従って、2年目の社員の離職防止は、後輩が配属されて上司や先輩の関心の変化を感じ始める、仕事に慣れて様々なことを考え始めるタイミングがおすすめです。
3年目社員
3年目は、2年目以上に実務能力も向上し、1人前に近づいてくる時期です。会社によって、後輩への指導を任せられたり、成長企業であればチームリーダーを任せられたりする人も出てきます。
そうした中で、会社のことも客観的に見ることができるようになり、キャリアのことを考え始めるタイミングです。
いまの仕事で得られている成長実感、待遇や働き方、あと3年・5年働いた先といったことと、ネットや友人を通じて入ってくる他社の情報などを比較して、転職という選択肢を考え始める人も出てきます。同期との差も見えてきた中で、本当にこの仕事が向いているか?と考え始める人もいます。
上記のような点を踏まえて、3年目にはキャリアパスの理解やキャリアデザインなどの研修を実施するとよいでしょう。
新任リーダー
入社3年程度を越えて1人前となり、リーダー層までなると離職の危険性は低下するように思いますが、そんなことはありません。
プレイヤーだった時は何かあればリーダーの指示に従えばよかったものが、リーダーになると正解が分からない中で自分で意思決定しなければなりません。また、責任範囲も個人ではなくチームの成果に対してコミットを求められます。違いに戸惑う社員もいるでしょう。
実際にリーダーとして仕事をするなかで、成果をあげられない、チームをまとめられないという社員も出てきます。リーダーにとってメンバーとの関係性がうまくいかないことは大きなストレスとなります。また、リーダーになると、これまでとは異なるスキルや知識が必要になります。そういったスキルや知識面でも壁を感じる社員が出てきます。
他にも、ピラミッド型の組織のなかでリーダーから先の昇格について、「上が詰まっている」と感じたり、「ジェネラリストではなく専門性を発揮するプロフェッショナルになりたい」と考えたりする人も出てきます。
従って、リーダー層に対しては、リーダーになる前からリーダーに必要なスキルや知識をインプットするとともに、リーダーになった後も壁への対処やリーダーとしての苦悩を共有する、また、次のキャリアステップを考えるといった機会を作ることが大切です。