「誠実な関心を寄せる」の詳細と実践のポイント
はじめに、本記事のテーマ「誠実な関心を寄せる」の原則を詳しく解説します。
1.相手の気を惹こうとするのではなく、相手に関心を寄せる
カーネギーは、“相手に関心を寄せる”を実践している最良の先生として、ペットの「犬」を例に挙げています。
犬は飼い主が近くに来たら、全力でしっぽを振り、嬉しそうに駆けまわって喜びを見せます。多くの場合、犬は純粋に飼い主に関心を寄せて心からの好意を示しています。
飼い主もそのことが分かっているから、犬を家族のように大切に可愛がります。
純粋な関心を寄せる犬とは対照的に、私達人間は、テクニックで“相手の気を惹こう”とするワナに陥りがちです。
「相手の気を惹こうとする」というのは、例えば、相手に好かれたいからと言って、自分を不自然に着飾ったり、相手が喜びそうなことを並び立てたりするなどのことです。
しかし、表面的なテクニックで相手の気を惹こうとしたところで、相手に簡単に見透かされてしまうものです。
表面的なテクニックで相手の関心を引こうと考えるのではなく、まず自分が相手に関心を寄せることが、何より大切です。
2.人は自分に興味を持ってくれる人に、関心を寄せる
これでは、いくら努力しても、もちろん無駄だ。人間は、他人のことには関心を持たない。ひたすら自分のことに関心を持っているのだ──朝も、昼も、晩も。”
(デール・カーネギー『人を動かす』より引用)
上記の引用にもあるように、人は基本的に「自分自身」に対して一番の関心をもっています。
「他人に関心を寄せる100倍の関心を自分に持っている」などと言ったりもするくらいで、とにかく一番気になる存在は、自分自身だということです。
だからこそ、一番の関心事である“自分”に関心を寄せてくれる相手がいたら、人はその相手に関心を持ちますし、好意を感じるようになるのです。
3.相手に誠実な関心を寄せるためのポイント
相手に誠実な関心を寄せることの重要性は、ここまででお伝えした通りです。とはいえ、「相手に誠実な関心を持ちましょう!」と言っても、あまりにも漠然としすぎていると感じるかもしれません。
どんなに相手に関心を持っていたとしても、そのことが相手に伝わらなくては意味がありません。
「私はあなたに心の底から関心を抱いているのですよ!」という事が、相手にしっかり伝わるよう、伝え方の工夫もポイントになります。
伝え方の工夫の例として、カーネギーは『人を動かす』の中で、機密調査に必要な情報を握っている社長の元を訪れたチャールズ・ウォルターズ氏のエピソードを紹介しています。
当初、社長は口が重く情報を引き出すことは叶わないように思えました。
しかし、ウォルターズ氏は社長秘書と交わした会話の中で、社長の息子が切手の収集に熱心であるという情報を掴みます。
(デール・カーネギー『人を動かす』より引用)
ウォルターズ氏は、当初の用件ではなく、社長の関心事である息子のこと、切手のことを話題にするようにしました。この試みが功を奏し、ウォルターズ氏は見事に目的を果たします。
身近なビジネスシーンの例で考えてみましょう。
例えば、お客様との商談において「自分たちの商品・サービスをアピールしたい」ということに意識が向かうあまり、相手の関心事や抱えている課題のヒアリングが表面的なものとなり、信頼関係を築けず失敗してしまったというのはよくある話です。
相手に誠実な関心を寄せるためには、相手が関心を持っていることを話題にして、耳を傾けることが大切です。
一見すると、相手の関心事と自分の関心事は、かけ離れているように感じるかもしれません。
相手の関心事に耳を傾けたところで、自分の提案したいものにはつながらないように感じるかもしれません。
しかし、相手の関心事に耳を傾けることによって、相手への誠実な関心が伝わり、好印象やその後の人間関係となって返ってきます。
相手への誠実な関心を伝えるためには、「相手が何に関心があるかを聞く」という行為を実践することが大切です。







