ストレングス・ファインダー®の使い方・活かし方を解説!診断結果を有効活用する方法

更新:2025/01/29

作成:2025/01/25

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

ストレングス・ファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカ最大の調査会社ギャラップ(Gallup)社の創業者であるドン・クリフトンが考案した資質(才能)発見と人材開発のプログラムです。

 

ストレングス・ファインダー®は、個人の才能(資質)を診断し、強み・成果につなげていくためのツールです。また、個人での利用だけでなくチームビルディングに活用し、相互理解を促し、高い成果を得られる組織づくりに利用することも可能です。

 

記事では、ストレングス・ファインダー®の診断結果例や活かし方、資質を活用するためのステップ、企業における活用事例やチームビルディングに活用する方法を解説します。

 

HRドクターを運営するジェイックでは、「ストレングス・ファインダー®読み解きワークショップ」「ストレングス・ファインダー®研修」を提供しています。その知見を踏まえて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

また、こちらに動画での簡単な解説もありますので、動画で概略を掴みたい方はご覧ください。

<目次>

ストレングス・ファインダー®とは?

ストレングス・ファインダー®は、米国ギャラップ社が開発した才能診断ツールです。Webサイト上で177個の質問に答えることで、自分の才能(資質)を知ることができます。現在、ブランド名は「クリフトンストレングス®」に改称していますが、内容に変更はありません。

 

ストレングス・ファインダー®はその名が表す通り、自身の才能(資質)を知るための診断です。才能に投資(意識して使う、スキル開発)することで、いつでも成果を生み出す「強み」として磨き上げていくことが出来ます。

 

従来の研修や人材育成は、本人の短所や弱み、課題を見つけて克服していくという考え方から作られているものも多くあります。しかし、ストレングス・ファインダー®の考え方は、自分の得意分野・強みを伸ばし、「成果を出す方法」として磨き上げることで、自然と弱みが問題ないものになっていくというものです。

 

ストレングス・ファインダー®の考え方に基づいて診断結果を活用することで、個人としてのパフォーマンスを高めることができます。さらにメンバーの自己肯定感・自己効力感の向上、強みを活かした組織作りに活用していくことも可能です。企業における具体的な活用事例も、記事の後半で紹介します。

 

才能(資質)と強みについて

ストレングス・ファインダー®を活用するうえで、はじめに才能(資質)と強みの違いを理解しておくことが必要です。

 

ストレングス・ファインダー®では才能を、「無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン」と定義しています。つまり自然と持っているもの、先天的なものです。

 

才能は、意識して活用し、磨き上げていかなければ、「強み=仕事で成果をあげる力」にはなりません。自身の「才能」を「強み」、すなわち成果につなげるためには、才能への投資が必要です。

 

ギャラップ社では、才能と強みの関係を、以下のように示しています。

  • 強み(常に完璧に近い成果を出す能力)
  • =才能(生来の考え方、感覚、行動)× 投資(訓練、スキル開発、知識構築)

 

才能と強みの違いを理解しておくことが、ストレングス・ファインダー®を活用して才能を見出し、強みにするために大切です。
*出典:クリフトンストレングスの科学について知る

 

ストレングス・ファインダー®で分かる4領域と34の資質

ストレングス・ファインダー®を受験することで分かる資質は全部で34種類あり、4領域に分類されます。

 

ストレングス・ファインダー®における資質の定義は、先ほど紹介した通り、「無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン」です。ストレングス・ファインダー®の診断結果では、よく使われている資質を1位から34位まで順位付けして示してくれます(プランによっては上位5つのみ)。

 

ストレングス・ファインダー®の診断結果を活用するためには、各資質の内容を知っておくことが必要です。ここでは、4つの領域と各領域に含まれる資質を一覧で紹介します。

 

人間関係力の領域

「人間関係力の領域」に含まれる資質は、人間関係を構築し、チームの絆を強化するといったことに役に立つ才能です。

 

「人間関係力」の資質が高い人は、人と人との絆を深め、人間関係を大事にして人間関係を築くことが得意です。チーム内の絆・人間関係を強化し、団結させ、より高いパフォーマンスを発揮させることができます。

 

人間関係力の領域には、以下のような資質があります。

  • 適応性:今の状況、流れに合わせて柔軟に適応していく資質
  • 運命思考:あらゆる人や物事は互いに結び付いていると考える資質
  • 成長促進:他者の可能性を理解し、成長させる資質
  • 共感性:相手の状況を自分に置き換えて考え、相手の気持ちや感情を察する資質
  • 調和性:意見の衝突を避け、意見を一致させる資質
  • 包含:相手を受け入れ、人に居場所を与えられる資質
  • 個別化:それぞれの個性を見つけ、異なるタイプの人をまとめる資質
  • ポジティブ:情熱的で他の人たちに熱意を人に分け与えることができる資質
  • 親密性:人と親密な関係性を築く資質

 

影響力の領域

「影響力の領域」に含まれる資質は、メンバーにチームのミッションや目標を伝えたり、上司やお客様を説得したりするなど、人に影響を与えることに役立つ才能です。

 

「影響力の領域」の資質が高い人は、主導権を握り、意見を表明し、周囲に耳を傾けさせることが得意です。チーム内外で主張したり、意見を他者に伝え、チームを鼓舞することに長けており、チームのパフォーマンスを高める重要な役割を果たします。

 

影響力の領域の資質は以下です。

  • 活発性:アイデアをすぐに実行し成果を出す資質
  • 指令性:状況の主導権を握り決断をする資質
  • コミュニケーション:自分の考えを言葉にし、印象的に説明する資質
  • 競争性:他者と比較し、努力する資質
  • 最上志向:何事に対しても上を目指し向上させる資質
  • 自己確信:自身の能力や決断に自信があり、人生を進んでいく資質
  • 自我:自身を重要な存在と認めさせ、大きな影響を与えることを重視する資質
  • 社交性:見知らぬ人と打ち解けて親しくなる資質

 

実行力の領域

「実行力の領域」に含まれる資質は、さまざまなハードルや困難を乗り越えて、目標達成することにつながる才能です。「実行力の領域」の資質が高い人は、物事を実現させる能力に長けています。アイデアを発展させて現実化し、目標達成に向かって努力を続けることができます。

 

実行力の領域の資質は以下です。

  • 達成欲:生産性高く、ひとつひとつの物事を達成する資質
  • アレンジ:要素をどのように組み合わせれば目標を実現できるかを考える資質
  • 信念:普遍的な価値観、倫理観、道徳観に関する資質
  • 公平性:人を平等に扱い、個よりも全体の利益を優先する資質
  • 慎重さ:リスクを検討し、決定や選択に細心の注意を払う資質
  • 規律性:秩序立てて物事を習慣化、ルーティンにする資質
  • 目標志向:目標を定め、目標達成に必要なことを行う資質
  • 責任感:責任意識を持ち、正直かつ忠実にやり切る資質
  • 回復志向:どこに問題があるのかを探りあて、問題を解決する資質

 

思考力の領域

「思考力の領域」に含まれる資質は、課題解決や目標達成の手法を考えたり、今後を見通したりすることにつながる才能です。「思考力の領域」の資質が高い人は、情報を収集・分析し、戦略的な視点からチームの目標達成のためのアプローチ・選択肢を想定し、意思決定を行う能力に長けています。

 

思考力の領域の資質は以下です。

  • 分析思考:物事の理由と原因の因果関係を分析する資質
  • 原点思考:経緯や背景を知り、本質的に理解しようとする資質
  • 未来志向:未来と未来にできることを心に描き、ビジョンを見せる資質
  • 着想:見た目には共通点のない現象に関連性やつながりを見出す資質
  • 収集心:情報、知識、アイデアなどを収集する資質
  • 内省:自分の知り得たことを考察し、より深める資質
  • 学習欲:常に向上を望み、学習を楽しむ資質
  • 戦略性:成果に向けてアプローチ方法を考える資質

 

*出典:天性の強みに関する34とおりの根拠
*出典:自身のクリフトンストレングスを活かした指導方法について知る

 

ストレングスファインダーの34資質の詳しい意味の活かし方、上位5資質の組み合わせを読み解くポイントは以下の記事で紹介していますので、興味があればぜひご覧ください。

 

 

ストレングス・ファインダー®の診断結果例と活かし方

ストレングス・ファインダー®を受けると、自身の特徴を知ることができますが、それだけではどのように活用していけばよいか分からないかも知れません。実際の診断結果をもとに、見方や活かし方などを解説します。

 

ストレングス・ファインダー®の診断結果例

診断結果

 

上記はあるスタッフの診断結果です。ストレングス・ファインダー®を受けると、このように34の資質を、自身に当てはまるものから順に順位付けしてくれます(プランによって、上位5つの資質だけが見えるものと、34個の資質全ての順位が見えるものがあります)

 

サンプルの結果を見ると、「未来志向」「達成欲」「学習欲」「戦略性」「自己確信」「分析思考」などが上位にあることがわかります。

 

また、各資質の順位状況を踏まえて、4つの領域でどこが強いかを知ることができます。サンプル結果では、上位の資質は「戦略的思考力」「実行力」の領域に多く、2つの領域が強みであることがわかります。診断の下には『あなたは、クリフトンストレングスの「戦略的思考力」の資質に強みがあります』と1位の領域についてコメントされています。

 

ストレングス・ファインダー®の活かし方

ストレングス・ファインダー®の結果を、どのように活かせばよいのでしょうか?

 

レポート

 

ストレングス・ファインダー®を受けると、上記のようなレポートももらえます(上記はレポートの一部です)。レポートには、自身の資質で強化すると良いものや使い方の注意等が書かれています。

 

レポートのなかには以下のように、資質の活かし方が書かれています。

 

トップ5つの資質から始めましょう。あなたの生来の最強の才能です。 

  1. クリフトンストレングスの上位資質を熟読する。 才能を最大限に活用するためには、初めにまず自分が上位資質を理解し、次にそれを他者に伝える方法を考える必要があります。
  2. 自分自身を振り返る。 自分の経験、モチベーション、自己認識について考えましょう。 その後、クリフトンストレングスの資質があなたをどのように形作っているか、つまり、あなたの行動とやり方、そして理由について考えます。
  3. これらの資質を日々に活かす。 最も高い資質を活かすために、本レポートのアドバイスから始めてみましょう。
  4. 盲点に注意する。 上位資質によって、時に意図していないネガティブな誤解が生じる場合があります。「弱みとは何か?」のセクションを読んで、上位資質が阻害の要因となるのを防ぎましょう。

 

続いてクリフトンストレングス6~10位の資質に着目しましょう。同じストラテジーを当てはめて、次の5つのクリフトンストレングス資質を最大限に活用します。強みベースのアプローチを日常生活に活かせば、最高の自分になれるでしょう。自分のベストのさらに上を行きましょう。そうすればよりエンゲージし、力が湧き生き生きとするでしょう。

 

活かし方としては、まず上位5つの資質に注目し、各資質を理解し、自分自身の日常を振り返り、レポートのアドバイスをもとに日々の生活や仕事に活かしていくということが大切です。強みによって生じるネガティブな側面や弱みも知り、資質を効果的に発揮することを邪魔しないようにすることも重要です。

 

レポートには、それぞれの資質の詳細な説明や活かし方が書かれています。レポートを活用して自身の強みを伸ばし、さらなる成長を得ることができるでしょう。

 

また、5つの資質の組み合わせによって生じるパターンを知っておくと、レポートの理解等もより進むでしょう。資質の組み合わせから来るポイント等を知りたい人はワークショップ等も利用すると良いでしょう。公式認定を受けた講師による解説を聞くことで、活用方法がイメージできるようになるしょう。

 

ストレングス・ファインダー®で分かった資質を活用する4ステップ

ストレングス・ファインダー®を受験することで強みの種となる資質が分かりますが、分かっただけで満足するのではなく、資質を活用して強み=「仕事で成果を上げる力」に磨き上げていくことが大切です。

 

ストレングス・ファインダー®で分かった資質を活かし、強みに変えていくために効果的なステップは以下です。

1.資質への理解を深める
2.資質の組み合わせから基本傾向を理解する
3.資質を活かしてアウトプットする習慣を作る
4.継続的に振り返り、成長につなげる

 

1.資質への理解を深める

まず最初のステップでは、

  • 自分の才能を知ること
  • 自分の資質を理解すること

が大切です。ストレングス・ファインダー®を効果的に活用するためには、自分が持っている資質を理解することから始まります。

 

受験するコースによって分かる資質の数が異なりますが、上位資質トップ5が分かるコースを受験した方は、上位5つの全ての資質をしっかりと理解することが大切です。

 

ストレングス・ファインダー®を本当に活用するのであれば、34資質すべての順位を知ることをおすすめします。全ての資質の順位を知ると、34の資質全体で偏りを知ることができます。

 

一つひとつの資質について知り・理解を深めることが大切です。特に上位5つの資質がどのような時に強みとして出るのか、どんなときに弱みとして出てしまうのかを理解しましょう。強みとして出ている状態を「バルコニー」といい、弱みとして出ている状態を「ベースメント」といいます。

 

例えば「目標志向」の資質が強い人は、目標達成に向けてハードルや課題を超えて力強く進んでいく力があります(バルコニー)。一方で、状況が変わっているのに当初設定した目標に拘り過ぎてしまったり、目標に向かいすぎるあまり組織内の人間関係や配慮を忘れてしまったりすることがあるでしょう(ベースメント)。このように自分が持っている思考や行動パターンだからこそ、成果に悪影響が出ないように注意することも大切です。

 

2.資質の組み合わせから基本傾向を理解する

ストレングス・ファインダー®の資質は、資質それぞれに意味があります。しかし、実際には各資質が単独で表出するのではなく、上位資質が組み合わさって行動や判断になってきます。そのため、資質の組み合わせを知ると、より自身の傾向を理解することができるでしょう。

 

まず上位5つの資質が4つの領域のどこに所属するかを確認することで、基本傾向を理解することができます。4つの領域は以下です。

  • 実行力
  • 影響力
  • 人間関係構築力
  • 戦略的思考力

 

資質がより多く所属する領域は、あなたの思考や行動として強く出ている特徴的なものです。

 

たとえば、実行力の領域の資質が上位5つのうち4つあったとします。その場合は「物事を成し遂げる方法を知っていて完遂したい、 思考よりも行動の優先順位が高い」特徴を持つ実行力の資質が強く出ることになり、モチベーションの原動力ともなるでしょう。

 

実行力に属する資質は、

  • 達成欲
  • アレンジ
  • 信念
  • 公平性
  • 慎重さ
  • 規律性
  • 目標志向
  • 責任感
  • 回復志向

となり、資質の組み合わせによって特徴は異なってきます。また、残りの資質が属する領域も影響を及ぼします。

 

そのため、ストレングス・ファインダー®を本当の意味で活用するためには、こうした組み合わせも含めて読み解くことがポイントです。しかし、ストレングス・ファインダー®の診断結果のレポートを見て各資質を理解しても、組み合わせによる傾向まで踏まえて、どう活用して強みに変えていけばよいかを自分だけで考えるのは難しいと感じる方も多いでしょう。

 

組み合わせから来る特徴を理解するというステップは、ストレングス・ファインダー®の各資質、強みの生かし方、読み解き方などに精通している認定ストレングスコーチが講師を務めるワークショップなどに参加することがお勧めです。

 

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、ストレングス・ファインダー®の生みの親である米国ギャラップ社の公式認定を受けたストレングスコーチが、ストレングス・ファインダー®の診断結果を読み解くワークショップを提供しています。参加することで診断結果を深く知り、強みの活かし方を理解できます。また組織内で開催することで、お互いの傾向、そしてチームの特徴等も分かり、相互理解につながります。興味のある方は以下のリンク先をご覧ください。

 

3.資質を活かしてアウトプットする習慣を作る

才能(資質)を強みに変えるには、才能に投資をすることが欠かせません。ギャラップ社が示す強みの方程式は以下です。

  • 強み(常に完璧に近い成果を出す能力)
  • =才能(生来の考え方、感覚、行動)× 投資(訓練、スキル開発、知識構築)

 

「才能に投資をする」を言い換えると、「才能を自覚して意識的に活用する場面を多く作ること」です。ストレングス・ファインダー®で自分の上位資質について理解を深めたら、資質を活かして日常や仕事で積極的にアウトプットを行うことが重要です。鍛えれば鍛えるほど、才能(資質)を磨くことができるでしょう。

 

アウトプットの注意点としては、繰り返しの通り、才能は強みにもなり、弱みにもなるということです。ストレングス・ファインダー®では才能を強みとして使っている状態を「バルコニー使い」、弱みとして使っている状態を「ベースメント使い」と呼びます。

 

ベースメントとは「地下室」です。才能を地下室に閉じ込めておくのではなく、お日様のあたるバルコニーで使うことが大切です。ストレングス・ファインダー®では、すべての才能に関してバルコニーとベースメントを示してくれています。自分がどんな状況の時にバルコニー使い、ベースメント使いになりやすいのかを自覚し、才能を活用していくことが大切です。

 

4.継続的に振り返り、成長につなげる

才能を強みに変えるには、アウトプットを続けることが必要です。才能は1回だけ、短期間だけ使っても、本当の強みとすることは難しいでしょう。アウトプットを続け、継続的に振り返ることが欠かせません。

 

振り返りの際には才能をバルコニーで使えていたか、ベースメントで使ってしまっていたかを確認すると良いでしょう。常に改善の意識を持って継続的に振り返り、成長につなげることで、才能を強みとしていくことができます。

 

才能に投資することで強みとなる

ストレングス・ファインダー®の診断結果で分かるのは、自身が持つ才能(資質)です。才能に投資することで、強みとして開花させることができます。

 

才能を本当の強みに変えていくための投資として、以下のようなことを意識して行う必要があります。

  • 才能に基づく訓練
  • 才能への知識
  • スキルの付加

才能を仕事の成果に結びつけるためには、仕事のどこでどう生かせるのか、どのような場面で意識的に活用すれば成果につなげられるのかといったことを考え、日常生活の中で意識的に使っていくことが大切です。

 

例えば「包含」の資質が上位にあったとします。包含の意味は、相手を受け入れようとする資質です。包含の資質へ投資を行い、強みとして活かしたい場合には、例えば、

  • 組織やグループに新しく入ってきた人が周囲と親しくなるのを助ける
  • 少数派の声を代弁する
  • 輪の外にいる人を引き入れる
  • 多様性を受け入れてグループを拡大する
  • 全員に役割と居場所を与える

こうした場面、役割を意識して才能を活用していくと良いでしょう。

 

一方で、包含が弱みとなってしまうケースとして、

  • 誰でも見境なく輪に入れてしまう可能性がある
  • 生産性よりも一緒に仕事することを優先してしまう

といったこともありますので、この点には気を付けながら才能に投資を行っていくことが大切です。

 

ストレングス・ファインダー®の34資質は、以下の記事でより詳しく紹介しています。強みとしての活かし方、弱みとなる使い方なども掲載していますので、各資質を知る参考にしてください。

 

 

企業におけるストレングス・ファインダー®の活用事例

ストレングス・ファインダー®を活用することによって、強みを活かした組織作りをすることができます。企業において、どういった場面でストレングス・ファインダー®が活用できるか事例でご紹介します。

 

内定者研修で活用する

ストレングス・ファインダー®を内定者研修で実施することにより、次のような効果が期待できます。

  • 自己肯定感・自己効力感の向上につながる
  • 自身の資質・強みを活かしてパフォーマンスする考え方を理解してもらえる
  • 入社後への期待を醸成し、内定辞退の防止につながる

強みという盛り上がりやすいテーマ、そして診断結果という共通言語があることから、内定者同士(同期)の相互理解につながり、交流関係を作ることもできるため、信頼関係構築にも役立つでしょう。入社へのモチベートや辞退防止にもつながるため、ストレングス・ファインダー®を活用した内定者研修は非常に有効です。

 

新入社員に受検してもらう

ストレングス・ファインダー®を新入社員に受検してもらうことで、それぞれの得意・不得意を把握することができます。個々の得意なことを把握しておくことで、新入社員の強みを活かしたマネジメントに役立てることができます。また新入社員自身も、自分の強みが分かることによって自信を持って業務に取り組むことができます。

 

事前に既存社員にストレングス・ファインダー®を受けてもらい、日常の行動や思考パターンと照らし合わせておくと、新入社員の診断結果を見た時に、行動傾向やマネジメントのポイントを想定しやすいでしょう。

 

新しい部署・プロジェクトのメンバーで受検・共有する

新しい部署やプロジェクトが立ち上がる時、ストレングス・ファインダー®を受検してお互いの資質を共有することも効果的です。途中から加わるメンバーがいる場合なども受検してもらい、既存メンバーも交えて共有会を行うとよいでしょう。

 

資質を共有することで相互理解を深めることができ、メンバーの得意とする業務を割り振る、といったことに役立てることができます。また、診断結果という形で、お互いの「違い」を理解することで感情的な対立等も生じにくくなります。プロジェクトや業務を推進していく際も個々の資質に注目し、各メンバーの強みと弱みを補完し合うことで、成果を上げやすくなります。

 

管理職・マネジャーに受検してもらう

管理職・マネジャーがストレングス・ファインダー®を受検することで、自身の資質・強みを知り、自身のリーダーシップスタイルやメンバーのマネジメントに活かすことができます。

 

管理職やマネジャーが自己理解して、リーダーシップ能力やマネジメント能力を向上させることは、チームのパフォーマンス向上につながります。組織として成果を上げていくためにもとても有効です。

 

部署全体で実施してワークショップ・研修を実施する

部署全体でストレングス・ファインダー®を実施、ワークショップ・研修を実施することは、チームのパフォーマンス向上やコミュニケーションの円滑化に効果が期待できます。上司・部下がお互いに強みを知り、強みの活用方法を理解することで、相互理解と共に強みを活かしたマネジメント、役割分担を実現することができます。

 

チームのパフォーマンス向上には、異なる強みを持つメンバーが協力することが大切です。上司も含め部署全体で個々の強みを可視化することで、効果的なチーム運営が可能になります。

 

HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、「ストレングス・ファインダー®読み解きワークショップ」、そして「ストレングス・ファインダー®研修」を提供しています。こうしたワークショップや研修を活用することで、より具体的な才能の生かし方、チームビルディングへの活用法などを理解でき、効果を上げることができるでしょう。ご興味あれば、以下をご確認ください。

 

ストレングス・ファインダー®をチームビルディングに活かすためのポイント

ストレングス・ファインダー®はチームビルディングに活用できます。うまく活用できれば、個々の特性を活かしたチームビルディングが実現し、チームの生産性向上にもつながるでしょう。ストレングス・ファインダー®をチームビルディングに活かすためのポイントを紹介します。

 

メンバー同士の相互理解を進める

ストレングス・ファインダー®をチームビルディングに活かすためには、まず最初にメンバーそれぞれが、どういった才能(資質)を持っているかをチームメンバー同士が理解することから始まります。

 

ストレングス・ファインダー®の診断結果で資質を把握した後、それらの資質を共有するとともに、過去の出来事・体験などで資質が活かされていたことなどを話したり、インタビューをしたりすることが効果的です。他にも、自分の取扱説明書を作るといった方法も有効です。

 

ストレングス・ファインダー®で分かる資質は、その人の価値観やモチベーションの源泉、行動や思考パターンです。メンバー同士の資質を共有していくことは、お互いの価値観を知ることにもつながり、より深いレベルで相互理解することにつながっていきます。

 

相互理解を深めるためにはコミュニケーションが必要不可欠です。自分やメンバーの才能を深堀りしながらコミュニケーションの時間を持つことで、メンバー同士の相互理解を深めると良いでしょう。

 

異なる資質を持つメンバーでチームを作る

チームビルディングでは、異なる資質を持つメンバーでチームを作ることも有効です。これによってチームパフォーマンスの最大化を考えた時、メンバー同士が適切に強み・弱みを補えるようになります。

 

例えば、戦略的思考力に強みがあるメンバーばかりでチームを作ってしまうと、実行力が伴わず、いつまでも検討ばかりで成果に向けたアクションが進まないといった事態になりかねません。同じ強みを持つメンバーを集めると、相互理解はしやすいですが、必ずしも仕事がスムーズに進むわけではないのです。

 

チームとして成果を求めるのであれば、「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」とバランスの取れた人材配置が重要となるでしょう。4領域を構成する資質も様々ありますので、その辺りを考慮しても良いかもしれません。

 

資質は掛け合わせることで、さらに大きな力を発揮することができます。「AさんとBさんの資質を掛け合わせたら、こうした大きな成果が期待できるのではないか」といったことを考えながら、チームパフォーマンスを最大化させるために、異なる資質を持つメンバーでチームを構成するようにしましょう。

 

ただし資質が異なると、意思決定や行動の価値観が違いますので、最初は相互理解しにくいものです。相互理解の場を設けることが大切です。

 

強み志向の組織文化を作る

ストレングス・ファインダー®をチームビルディングに活かすためには、経営層も含め、管理職やリーダー、メンバーが「強みを生かして仕事をしていく」という考え方をする強み志向の組織文化を作っていくことが大切です。

 

問題点や弱みに焦点を当てるのではなく、お互いの強みを認め尊重し合う文化を作っていくことで、ポジティブな雰囲気で仕事を行っていくことができます。その中で、メンバーのモチベーション向上や生産性の向上、レジリエンス向上やチームの結束力の強化なども期待できるでしょう。

 

強み志向の文化を作るためには、資質の理解・活用を進めていくのと同時に、「なぜストレングス・ファインダー®を導入して活用しているのか」を社内に浸透させることも大切です。

 

まとめ

ストレングス・ファインダー®は個人の才能(資質)を診断し、強みにしていくための診断ツールです。自分の才能を知り、磨いていくことで、成果につなげる力(強み)へと変えることができます。

 

また、個人だけでなく、組織で活用することも非常に有効です。強みを活かすことで、メンバーの自己肯定感、自己効力感の向上にもつながります。また、生産性も向上し、より高い成果を得られる組織に変わっていくことでしょう。

 

HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「ストレングス・ファインダー®」研修も行っています。講師はGallup社によるトレーニングを修了し、ギャラップ認定ストレングスコーチの資格を持っており、資質の組み合わせによる特徴を知りたい、チームの傾向を知りたい、強みを活かしたマネジメントを組織に導入したい場合にぴったりです。ストレングス・ファインダー®研修について知りたい方は、以下より詳細をご覧ください。

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

・新入社員の特徴と育成ポイント
・ニューノーマルで迎える21卒に備える! 明暗分かれた20卒育成の成功/失敗談~
・コロナ禍で就職を決めた21卒の受け入れ&育成ポイント
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