「笑顔を忘れない」の詳細と実践
最初に「笑顔を忘れない」の原則を詳しく解説します。
動作は言葉よりも雄弁である
笑顔の重要性について、カーネギーは以下のように話しています。
(デール・カーネギー『人を動かす』より引用)
犬も赤ちゃんも、私たちから愛情を得ようと考えて、コミュニケーションをしているわけではありません。犬が可愛がられるのは、飼い主に全力でしっぽを振って喜びを表現しているからであり、赤ちゃんが周りの大人から好かれるのは笑顔を浮かべているからです。
私たちは、表面上の言葉以上に、表情や態度に相手の真意を感じるものです。だからこそ、コミュニケーションにおける「笑顔」は大切なのです。
笑顔がもたらす効果とは?
笑顔は私たちにどのような効果をもたらすのでしょうか?『人を動かす』の中でカーネギーは、心理学者ジェイムズ・マッコネル博士の以下の言葉を引用しています。
(デール・カーネギー『人を動かす』より)
ビジネスにおいて、笑顔でいることは具体的にどんな恩恵があるのか?身近な例で考えてみましょう。もし、どこかのお店に買い物に出かけたとします。
もし、ムスっとした表情で接客する店員と笑顔を浮かべながら楽しそうに接客する店員がいたら、どちらに声をかけたくなるでしょうか?きっと、ほとんどの人が後者と答えるでしょう。
店員さんの立場で考えれば、笑顔でいることが、より多くのお客様から声をかけられ、相談に乗る機会が増え、自分の売上すなわち仕事の成果にも直結するわけです。
ファン顧客もどんどん増え、よりたくさんの金銭的報酬を得ることにもつながるでしょう。このように、笑顔は、私たちのビジネスにおいても確かな恩恵をもたらしてくれるものです。
また、笑顔は目に見えなくても、声に乗って相手に届きます。
(デール・カーネギー『人を動かす』より)
私たちはビジネスシーンの中で、電話でやり取りすることも多いでしょう。上記にあるように笑顔は顔の見えない相手にも伝わります。
同じ状況、同じ内容であっても、笑顔の場合とそうでない場合とで、相手が受ける印象は大きく変わります。
笑顔で相手に接することは、仕事がやりやすくなったり、家庭が円満になったりするなど、笑顔はあらゆる人間関係にポジティブな効果を発揮します。
笑顔を作ることは、自分も幸せにする
笑顔でいることは、相手だけではなく、自分も幸せにします。
“世の中の人は皆、幸福を求めているが、その幸福を必ず見つける方法が一つある。それは、自分の気の持ち方を工夫することだ。幸福は外的な条件によって得られるものではなく、自分の気の持ち方一つで、どうにでもなる。幸不幸は、財産、地位、職業などで決まるものではない。何を幸福と考え、また不幸と考えるか──その考え方が、幸不幸の分かれ目なのである。
たとえば、同じ場所で同じ仕事をしている人がいるとする。二人は、だいたい同じ財産と地位を持っているにもかかわらず、一方は不幸で他方は幸福だということがよくある。なぜか? 気の持ち方が違うからだ。”
(デール・カーネギー『人を動かす』より)
“楽しいから笑顔になるんじゃない。笑顔になるから楽しくなるんだ”といった言葉は聞いたことがあるかもしれません。
最近の脳科学の研究では、笑顔になることで、幸福を感じさせる脳内物質が分泌されることが分かっています。幸せだから笑顔になることも事実ですが、笑顔になることで幸せを感じられることも事実なのです。
カーネギーが言うように、笑顔になる、ポジティブな気持ちになることで、私たちは幸せになれるのです。
笑顔になりたいときの処方箋
ここまでお伝えしたように、笑顔でいることは、私たちに様々なメリットをもたらしてくれます。しかし、人間ですから、気分や感情によって、笑顔になれない時もあるでしょう。
このような時は、どうすればいいでしょうか?
ここで、ひとつ問題です。
何の回数だと思いますか?想像がつくと思いますが、答えは「1日の笑顔の回数」です。
私たちは、年を重ねて大人になると、「楽しいことがあったから」「面白いことがあったから」「宝くじが当たったから」など、何かしら理由がないと笑顔になることができなくなってしまいます。
もし、子供のように、理由が無くても笑顔になることが出来さえすれば、これまでよりもずっと多くのチャンスに恵まれるのかもしれません。
カーネギーは、『人を動かす』の中で、ハーバード大学のウイリアム・ジェイムズ教授の言葉を引用しています。
(デール・カーネギー『人を動かす』より)
私たちが笑顔になったり、ポジティブな気持ちになったりするのは、気分や感情次第だと思うかもしれません。しかし、前述の通り、笑顔を作ったり、前向きな態度を示したりするなど、私たちは動作によって間接的に気分や感情をコントロールすることができます。
ですから、悲しいこと、つらいことがあっても、元気に前向きな態度や表情で振舞うことが大切です。こうすることで、悲しいことやつらいことを忘れ、やがて気持ちが前向きになり、心の底から笑顔を浮かべることができるようになります。
根性論のように聞こえるかもしれませんが、笑顔になれない時こそ、無理やりにでも笑顔をつくることが大切です。
まずは表情だけでも笑顔にする、そしてこの時ついでに、いま抱えている問題がすべて解決してうまくいったことを想像してみましょう。
繰り返しますが、笑顔になることで人間関係がうまくいく、笑顔になることで幸せになれるのです。







