「聞き手にまわる」の詳細と実践のコツとは?
まず初めに「聞き手にまわる」の原則を詳しく解説します。
なぜ、聞き手にまわることが重要なのか?
冒頭でも触れたように、コミュニケーションにおいては「上手に話す」以上に「上手に聞く」ことが肝心です。
なぜ聞き手にまわることが重要なのでしょうか。カーネギーは『人を動かす』の中で次のように説明しています。
(デール・カーネギー『人を動かす』より引用)
カーネギーが言うように、寡黙な人もおしゃべりな人も、基本的に人は“自分自身”に興味を持っているものです。だからこそ、自分のことを話したいし、自分の話を聞いてくれる人に出会いたいと思っています。
しかし、誰もが“自分自身”に興味を持っているからこそ、自分の話を熱心に聞いてくれる人は、なかなかいません。従って、自分の話に真摯に耳を傾けてくれる人がいれば時間を忘れ心地よい気分で話すことができますし、自分の話を熱心に聞いてくれる相手には好印象を抱くものです。
すなわち、聞き上手になることで、それ以上の特別なことをしなくても、簡単に相手にとって特別な存在になれるというわけです。そして、相手にとって特別で重要な存在であることが、人間関係や人を動かす上で良い影響を与えることは言うまでもありません。
聞き上手は話し上手である
聞くことの重要性はわかっていても、「相手と共通の話題や知識が無ければ難しいのでは?」と思うかもしれません。
カーネギーは『人を動かす』の中で、とある晩餐会の場で、有名な植物学者と何時間も語り合ったエピソードを紹介しています。
話し上手とは、驚いた。あの時、私は、ほとんど何もしゃべらなかったのである。しゃべろうにも、植物学に関してはまったくの無知で、話題を変えでもしない限り、私には話す材料がなかったのだ。もっとも、しゃべる代わりに、聞くことだけは、確かに一心になって聞いた。心から面白いと思って聞いていた。それが、相手にわかったのだ。したがって、相手はうれしくなったのである。こういう聞き方は、私たちが誰にでも与えることのできる最高の賛辞なのである”
(デール・カーネギー『人を動かす』より引用)
植物学の詳しい知識を持たないカーネギーと、植物に対する深い造詣と知識を持つ植物学者の会話は、一見するとあまり盛り上がらないように思えるかもしれません。しかし、カーネギーは何時間も相手の話を聞き続け、しまいには「世にも珍しい話し上手だ」と評されています。
このように、人は話すことで大いに満足感・充実感を得られます。したがって、自分から積極的に話さなくても、相手の話に熱心に耳を傾ける。<これだけで、相手から「非常に心地よく楽しいコミュニケーションの時間、会話の時間を提供してくれる喋り上手だ!」と思ってもらえるのです。
心の底から関心を持って聞く
先ほど引用したエピソードの中で、一つポイントがあります。
話を聞くときには、相手に興味を持ち心から面白いと思って聞くことが大切です。自分が大して興味を感じない話題に対してうわべだけ話に聞き入っているかのように振る舞えば、相手から簡単に見透かされ、むしろ逆効果になってしまうでしょう。
「聞く・聴く」ことに関するスキルには、コーチングや傾聴などがあります。聞き上手になるうえで、これらのスキルは非常に有効ですが、それ以上にまず「相手自身、また相手の関心事に興味を持つ」姿勢が重要です。
カーネギーは「興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たなくてはならない」と話しています。
良い聞き手となるためには、相手の行動や感情の動きなど、「日ごろから周囲の人のいろいろなことに興味を持つクセ」を習慣にするとよいでしょう。







