本章では、原田メソッドの根幹をなすツールである、3大ツールと「オープンウインドウ64」について紹介します。
原田メソッド3大ツール①「長期目的・目標設定用紙」
「長期目的・目標設定用紙」は、自分が達成したい目的や目標を具体的に定め、そのために必要な行動計画や自己分析を行うためのツールです。
原田メソッドの実践において、長期目的・目標設定用紙は、確実な目標達成をサポートするために不可欠なツールです。
長期目的・目標設定用紙は以下のような構成になっています。
(1) 目的・目標の設定
自分が達成したいと思う目標を明確にして、達成期日を決めます。目標は、具体的かつ測定可能なSMARTなものにすることが重要です。
(2) 目的・目標の4観点
「目的・目標の4観点」では、「自分/他者」、「有形/無形」の2つの軸、4つのカテゴリーで目標に意味づけをします。
例えば、「今期中に50件の新規契約を決める」という目標なら、自分×有形「評価されて昇進昇格する」、自分×無形「自信がつく」、他者×有形「会社の売上が増える」、他者×無形「同僚のモチベーションが上がる」などがあげられるかもしれません。
4観点で目標をとらえなおすことで、想いが高まり、目標達成を目指すモチベーションが大きく向上し、達成を後押しします。
(3) 行動計画
「行動計画」では、達成したい目標に向けて、具体的にどんな行動をするかを設定します。行動は「期日行動」と「ルーティン行動」の2種類に分けられます。
期日行動とは、特定の日付に達成するべき目標で、例えば「6月30日までに宅建の試験に合格する」「5月31日までに過去問集を1回やり終える」などです。
また、ルーティン行動は、毎日繰り返す習慣的な行動で、例えば「毎営業日、見込み先10件に電話する」などです。
行動計画を作ることには、以下のようなメリットがあります。
- 目標を小さくブレイクダウンし、実現可能な行動に落とし込むことができる
- 行動の優先順位や期限を明確にすることができる
- 行動の成果測定、改善点を見つけることができる
(4) 支援者・支援内容
支援者・支援内容のブロックでは、目標達成のために協力して欲しい人や具体的にサポートして欲しい内容を記述します。書き出した内容はサポートを得るために自分がどんな関わりをしたらいいかの視点で行動計画に追記します。
高い目標であればあるほど、目標達成するためには周囲の支援や協力が必要です。支援者をあらかじめ明確にしておくことで、よりスムーズに目標を達成することができます。
(5) 自己分析
自己分析では、過去の成功・失敗を振り返り、自分の成功パターンや失敗パターンを洗い出します。
自己分析の目的は、今回の目標達成プロセスを、成功パターンにはめるための要素を盛り込む、また失敗パターンに陥らないようにするための予防策を盛り込むことです。
例えば、「仲間と協力しながら進めることで、モチベーションが途切れずに継続できた」という成功パターンがあれば、改めて支援者を見直し、上司や部下を目標達成に巻き込むためのルーティン行動を設定するといったことがポイントです。
また、「壁にぶつかったときに気持ちが折れてしまった」というのがよくある失敗パターンであれば、「予想される壁をすべて書き出して心の準備をしておく」「壁にぶつかったときに相談できるように、上司に定期面談を依頼する」といったことが有効かも知れません。
原田メソッド3大ツール②「ルーティンチェックシート」
ルーティンチェックシートは、目標達成に必要なルーティン行動を毎日実践し、進捗を記録するためのツールです。
ルーティンチェックシートには、目標達成に必要なルーティン行動を具体的に記入します。日々のルーティンを実践できたら「〇」、実践できなかったら「×」を記入して運用していきます。
ルーティンチェックシートで日々のルーティンに取り組むことで、以下のような効果が得られます。
- 目標達成に向けたプラスの習慣形成
- 目標達成に効果のあるアクションの明確化と見極め
- 「目標達成のために行動をやり切った!」という自信の醸成
定期的、1か月に1回を目安としてルーティンの達成率や効果を振り返って、ルーティンは見直し、必要に応じて修正することが大切です。
原田氏は、「正しく設定されたルーティンの達成率が86%になれば、目標達成がほぼ見えてくる」と話し、ルーティンの達成率にこだわることが重要だとしています。
原田メソッド3大ツール③「日誌」
「日誌」は、目標達成に向けた日々の行動や結果や振り返りを記録するツールです。
日誌を書くことは、自分自身に対するセルフコーチングです。日誌を書くことで、自分の行動や結果を客観的に見て、改善点や気付きが生まれます。また、自分の成功体験や成長を実感することで、自信やモチベーションを高めることができます。
原田氏は「成功の最小単位は1日である」として、毎日の行動が目標達成に大きく影響してくることを強調しています。日々の効果性を最大限に高めるのが、原田メソッドの日誌フォーマットです。
原田メソッドの日誌に記入する項目は、以下のようなものです。
- タイムスケジュール:前日に記入して、翌日の行動予定を時間単位で記入します。また、当日の夜には予定と実績を振り返ります。
- 今日必ずやること:タイムスケジュールの内容も踏まえて翌日必ず達成することを記入します。
- 自己効力感(仕事効力感):今日の良かったことや気づいたことを記入します。自己効力感には、どんなに小さなことでもかまいませんので、その日うまくいったこと、成果があがったこと、そして、そこで感じるポジティブな感情を振り返ります。
- 自己肯定感(自尊感情):自己肯定感の項目には「沈んだ表情の同僚を元気付けた」「通勤電車の中でお年寄りに席を譲った」など、人間的成長につながったと思える行動や体験を記入します。
- 今日をもう一度やり直せるなら:うまくいかなかったこと、期待通りの結果にならなかったことを振り返ります。たんに「失敗してしまった」「これが原因」と振り返るのではなく、「こうやれば上手くいったかもしれない」とイメージすることで、失敗を精神的に完了し、次実施するときの成功イメージを持つことがポイントです。
- ヒントになった言葉や出来事:目標達成に役立ちそうな気づきや思いついたアイディア、参考になった同僚や顧客の言葉などを記入します。これらが蓄積されることで、達成を後押しするヒント集になるでしょう。
原田メソッドのツール④「オープンウインドウ64」
「オープンウィンドウ64」は、達成するための具体的なアクションや必要な知識やスキルなどを洗い出すことを目的としたツールです。
マンダラートやマンダラチャートとも呼ばれ、日本人なら誰もが知るメジャーリーガーの大谷翔平選手が高校時代に作ったオープンウィンドウ64をご覧になったことがある方も多いかもしれません。
全81マスからなるツールで、使うことで名前の通り、目標を達成するための64個のアイデア(目標達成に向けた窓)が出てきます。
最初に中央のマスに自分が達成したい目標を書き込み、周りの8マスに目標達成に向けて重要なキーワード、取り組む分野を書き込んでいきます。そして、8つのキーワードやテーマ毎に関連する具体的な行動を考えることで、思考がどんどん広がり、最終的に目標を達成するための64の具体的アイディアが導き出されます。
HRドクターでは、オープンウィンドウ64の詳細と活用の仕方を分かりやすく解説した記事も用意していますので、ご興味あれば以下のリンクよりご覧ください。