リーダーシップ発揮に必須の7つのスキルとは?リーダー育成のポイントを解説

リーダーシップ発揮に必須の7つのスキルとは?リーダー育成のポイントを解説

リーダーシップとは、ある集団の中で、その集団を方向づけ、目的を達成するために、メンバーを鼓舞し、導くことによって、その集団の方向性やパフォーマンスを向上させる能力やスキルのことを指します。

 

近年はVUCAの時代ともいわれており、外部環境や顧客ニーズ、競合の動きなどの変化が激しかったり、予想しにくかったりします。

 

また、産業がサービス化するなかで、トップダウンですべてを意思決定したり、顧客に価値提供したりすることも難しくなっています。

 

こうしたなかで事業を進め、組織を成長させていくには、社内に高いリーダーシップを持つ人材が必要です。
実際に管理職などを担うリーダー人材の重要性はもちろん、一般のプレイヤー層にリーダーシップを発揮してもらう重要性も増しています。

 

記事では、リーダーシップ発揮に必要となる7つのスキル、リーダーを育てるうえでのポイントを解説します。

<目次>

リーダーシップとは?

人を引っ張っていくイメージ

 

リーダーシップとは、企業やチームのビジョンや目指すべき方向を示し、メンバーを鼓舞する力です。

 

組織が成立するための要件としては、バーナードの3要素が有名です。
バーナードの3要素、「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」をしっかりと組織内で成立させるように働きかけるのが、リーダーの役割ともいえるでしょう。

また、組織内で模範のリーダーとなり、組織の成果に責任を持つのが、管理職です。管理職は、担当組織のトップという意味でのリーダーでもあります。

 

ただし、リーダーシップは管理職だけが持つものではありませんし、他者にだけ発揮するものでもありません。

 

冒頭でもコメントしたとおり、リーダーシップはすべてのメンバーが発揮すべきものであり、その原点は、自分自身に対するセルフリーダーシップです。

 

逆にいえば、自分自身に対するセルフリーダーシップを発揮している人材が、周囲に対して徐々にリーダーシップの範囲を広げ、そして、実務的な意味でのリーダーである管理職になっていく、といえます。

リーダーシップは才能ではなくスキルである

SKILLの文字のパズル欠を掲げるイラスト

 

リーダーシップは、ゴールを決めてゴールに向けて決断して前に進んでいくことです。

 

特性(幼少期までに形成された価値観や性格)的な強みや弱みはありますが、リーダーシップは、才能ではなく後天的に獲得できるスキルです。

 

以降の章で解説する各スキルを習得していくことで、才能に関係なく、リーダーシップを発揮できるようになるでしょう。

リーダーシップ発揮に必要な7つのスキル

リーダーシップを発揮するには、以下7つのスキルを身に付けることがポイントです。

 

主体性

主体性とは、自分のチームや課題、自らの仕事に対して、当事者意識を持って向き合う姿勢であり、いわゆるオーナーシップとも類似します。

 

オーナーシップが高ければ、目標や課題に対して自ら考え、自ら意思決定できます。また、自らの選択に責任を持って主体的に行動できるでしょう。

 

究極的にいえば、「自分自身の人生」に対して主体性を発揮しているかが、リーダーシップの根幹となります。

ゴール設定力

成果を生み出すには、向かうビジョンや目標(ゴール)の設定が必要です。ただし、目標(ゴール)は、設定すれば何でも良いわけではありません。

 

ゴールや目標設定にはいくつかの側面があります。たとえば、気持ちを奮い立たせるようなビジョンやゴールです。

 

気持ちを奮い立たせ、動機付けるには、「現実的に来年達成できるか」などよりも、「ワクワクするか」「達成したいと心から思えるか」が非常に大切です。

 

同時に、行動計画を考えていくためのゴール、目標も大切です。

 

たとえば、今まで月100万円の売上しかないチームで「2022年度は、とにかくたくさん売る!」や「年末までに1億円分売る!」などの目標を設定しても、曖昧や非現実的であるため、実際の計画作成や行動に結びつきません。

短期目標の場合、以下のSMARTの法則を使い、「2022年度は、新製品Aで毎月150万円を売り、年末までに1,800万円を目指す」という現実的かつ具体的な目標を立てることが大切になります。

<目標設定におけるSMARTの法則>

  • Specific(具体的である)
  • Measurable(計測できる)
  • Achievable(達成できる、現実的にチャレンジできる)
  • Relevant(上位目標と関連する)
  • Time‐bound(期限が定められている)

判断力

判断力とは、重要事項を見極める力です。ビジネス現場における意思決定は、テスト問題のような唯一の正解はありません。

 

しかし、ビジョンや目標を立てる、行動計画を作成する、課題を解決していくうえでは、以下のようにさまざまな要素を総合的に分析し、見極めて意思決定につなげる判断力が必要となってきます。

  • 市場環境
  • 自社の置かれた状況
  • 必要となるリソース
  • 使える、調達できるリソース
  • 見込める効果やメリット
  • 失敗したときのリスクや不可逆性

自己効力感

自己効力感とは、困難や課題に直面したときに「自分ならできる」と思えることです。自信の高さとも言い換えられます。

 

たとえば、経営陣から高いミッションが示されたり、チームが困難に直面したりしたときに、リーダーの自己効力感が低いと前向きな姿勢を示せません。

 

一方で、リーダーの自己効力感が高いと、難しいミッションや苦境に萎縮することなく、「我々ならできる」という前向きな姿勢でチャレンジできるようになるでしょう。

レジリエンス

レジリエンスは仕事におけるストレスや困難を受け止め、跳ね返し、適応・回復していくスキルです。

 

ストレス耐性と似た概念ですが、強風にあおられても、柔軟に受け流すことで絶対に倒れない「柳の木」のようなイメージであり、ストレスを耐える・我慢するとは大きく異なるスタンスとなります。
「折れない心」「しなやかな心」などとも表現されます。

 

レジリエンスは、自己効力感と同じように、壁にぶつかったときに前を向いて進むために大切なスキルになります。

セルフマネジメント

セルフマネジメントとは、いわゆる自己管理のことです。以下のような要素を総合的に管理して、心身を整えて、生産性高く仕事に取り組むための必須スキルです。

  • スケジュール管理
  • タスク管理
  • 生活管理
  • 健康管理
  • 感情のコントロール など

自分自身のセルフマネジメントができなければパフォーマンスは上がりませんし、当然のことながら、他人のマネジメントも行なえないでしょう。

実行力

リーダーの役割は、目標やビジョンをメンバーに示して終わりではありません。

 

チームが成果を出すためには、ビジョンや目標に基づく行動計画を立て、メンバーに実行を促す必要があります。

 

壁にぶつかったとき、メンバーが不安を持ったとき、基準を見せるとき、リーダーが背中を見せることが大切になります。
もちろん背中を見せるだけでなく、タスクマネジメントなども含めて実行することが大切です。

 

また、実行力を高めるには、背中を見せたり、タスクマネジメントしたりする以外に、メンバーとの関係構築力、コミュニケーション力も必要になります。

リーダーを育てるには?

企業がリーダーを育てるには、どのようにすればよいでしょうか。また、そもそもリーダーは、“育てて育つ”ものなのでしょうか。

 

本章では、リーダー研修の必要性を含めて、リーダーを育てるとはどういうことかを詳しく解説します。
なお、本章で紹介するリーダーは、「リーダーシップを発揮する人材」よりも「組織を引っ張るリーダー=管理職」という意味合いが強くなってきますのであらかじめご了承ください。

 

リーダーは育つのか?育てるのか?

昔から「リーダーは育つのか、育てるものなのか?」という議論があります。

 

組織のなかには、リーダーシップの発揮に必要な特性を強みとして持っている人もいますし、仕事のなかで自ら身に付けていく人もいます。
その意味では、「リーダーは自ら育つ」という意見は間違いありません。

 

一方で、冒頭で触れたとおり、近年では、企業をとりまく著しい環境の変化によって、リーダーの重要性は高まっています。

 

また、企業が事業成長を実現していくためには、“自ら育つリーダーだけでは足りない”ことが大半です。

 

前述のとおり、リーダーシップの要素は、後天的に身に付けられるスキルです。
だからこそ、リーダーを“育てる”ことで、より多くの人がリーダーシップを身に付けられますし、リーダーがより早く育つことになります。

 

だからこそ、企業は「リーダーが育つのを待つ」のではなく、「リーダーを育てる意識を持って取り組む」ことが大切になってくるわけです。

リーダー研修の必要性

リーダー育成のうえで重要となるのはリーダー研修です。

 

ただし、リーダーに必要なリーダーシップや各種スキルは、座学で知識をインプットしたからといって身に付くものではありません。

 

体系的な知識の習得には、たしかに座学が不可欠ですが、強いリーダーを育てるには、座学やオンライン講座などで学んだことを現場で実践し、振り返りを通じて身に付けていくことが必要になります。

 

したがって、リーダー研修も、単発ではなく「インプット ⇒ 実践 ⇒ 振り返り」という一連のサイクルを回すための仕組みとしてとらえることが大切です。

 

「リーダー研修=知識のインプット、座学」ととらえると、その重要性が見えてきません。

 

上述のとおり、「リーダー研修=インプット ⇒ 実践 ⇒ 振り返りという一連のサイクルを回すための仕組み」ととらえることが大切ですし、上記を意図して研修を設計することが効果的なリーダー研修を実施するためのポイントです。

リーダー研修で育むべきヒューマンスキル

強いリーダーを育てるうえで非常に重要となるのが、ヒューマンスキルを向上させることです。ヒューマンスキルとは、「人と信頼関係を築き、人を動かす力」です。

 

管理職層としてのリーダーは、人を動かして、組織の成果を生み出すことが求められる役割になるからこそ、ヒューマンスキルが不可欠なのです。

 

ヒューマンスキルの位置づけは、米国の経営学者ロバート・カッツ氏が提唱した「カッツ理論」で考えるとわかりやすいでしょう。

 

カッツ理論とは、組織の各階層で必要なビジネススキルをわかりやすく整理したものです。

 

カッツ氏は、ビジネススキルを以下の3つに分類しました。

  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)
  • ヒューマンスキル(人間関係能力)
  • テクニカルスキル(業務遂行能力)

また、カッツ氏は、組織内のマネジメント階層を以下のように分類しました。

  • トップマネジメント:経営者層(社長、CEOや取締役 など)
  • ミドルマネジメント:管理者層(部長、課長、拠点長 など)
  • ロワーマネジメント:監督者層(チームリーダーや主任 など)

カッツ理論によると、各階層におけるビジネススキルの割合は、以下のとおりになると示されています。

 
各階層におけるビジネススキルの割合

管理職層としてのリーダーがリーダーシップを発揮し、組織の成果を生み出すには、実行力が不可欠であり、実行力を高めるには、ヒューマンスキルが重要となります。

 

繰り返しますが、ヒューマンスキルをわかりやすくいえば、「メンバーと信頼関係を築き、メンバーを動かす力」です。

 

ヒューマンスキルを発揮するには、リーダーシップ発揮に必要な7つの力で述べたなかでも、主体性やセルフマネジメント、実行力のなかでは関係構築力やコミュニケーション力が大切になります。

 

たとえば、リーダーとメンバーの関係が悪ければ、リーダーが発信する目標やビジョンに耳を傾けてもらえませんし、高いモチベーションでの計画実行も難しくなります。

 

また、たとえば、リーダーが自分の感情やスケジュールの管理ができなければ、メンバーからの信頼も得られませんし、リーダーからの指摘やフィードバックも説得力を持たなくなるでしょう。

リーダーがこうした目標達成に向けて計画を実行していくには、まずはセルフマネジメント力を高め、メンバーから一目置かれる存在になる必要があります。

 

また、相手の話に耳を傾けるコミュニケーションによって、メンバーと良好な関係を構築することが大切になるでしょう。

 

リーダー研修では、管理職としての実務能力、目標設定やタスク管理のスキル、人材育成のスキルなども学ぶことになります。

 

ただ、最も大切なことは、「メンバーと信頼関係を築き、人を動かすためのヒューマンスキル」を学ぶことです。

JAIC リーダーカレッジ

ヒューマンスキルの高いリーダーを育てるには、HRドクターを運営する研修会社ジェイックが提供する「JAIC リーダーカレッジ」がおすすめです。

 

JAIC リーダーカレッジでは、以下3つのコンテンツを組み合わせることで、強いリーダーを育て上げていきます。

  • 「7つの習慣®」
  • 「原田メソッド」
  • 「コミュニケーション研修」

「7つの習慣®」とは、世界4,000万人が、管理職としての精神的な自立や人間力、リーダーとしての信頼関係の築き方を学ぶプログラムです。

「原田メソッド」は、日本の主要企業約500社で導入された実証済のプログラムとなっており、目標達成プロセスのなかで良い習慣を身に付け、能力や人格を磨く内容です。

 

そして、『コミュニケーション研修』は、部下を育て、人を動かすコミュニケーションを高めることを目的としたものです。

 

ヒューマンスキルを向上させるリーダー研修に興味がある人は、以下の資料をダウンロードしてみてください。

まとめ

リーダーシップとは、企業やチームのビジョンや目指すべき方向を示し、人々を鼓舞する力です。
リーダーシップは、才能ではなくスキルです。したがって、天性のものではなく、後天的に身に付けられるものです。

 

リーダーシップを発揮するには、以下7つのスキルを磨くことが有効です。

  • 主体性
  • ゴール設定力
  • 判断力
  • 自己効力感
  • レジリエンス
  • セルフマネジメント
  • 実行力

事業や組織の成長を支えるのに必要なリーダーを確保するためには、育つのを待っているのではなく、リーダー研修を通じてリーダー、特に管理職層としてのリーダーを育てる必要があります。

 

リーダーを育てるには、リーダーシップの発揮に必要な知識やスキルを教えたうえで、職場で実践し、振り返るというサイクルが何より大切です。

 

また、リーダー研修のなかでは、実務的なスキル以上に、メンバーと信頼関係を築き、メンバーを動かすヒューマンスキルを向上させることが大切になります。

 

HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、「JAIC リーダーカレッジ」というリーダー研修を提供しています。
リーダー研修を探している場合は、以下の資料もぜひダウンロードしてください。

 

また、管理職層ではなく、メンバー層も含めてリーダーシップを向上させたい場合には、「7つの習慣®」研修が最適です。ご興味があれば、資料をご覧ください。

著者情報

近藤 浩充

株式会社ジェイック|常務取締役

近藤 浩充

大学卒業後、情報システム系の会社を経て、ジェイックに入社。執行役員としてIT技術者の派遣を行う「IT戦略事業部」の創設、全社のマーケティング機能を担う「経営戦略室」室長を歴任。取締役/教育事業部長として、社内の人材育成、マネジメントで手腕を磨く。2013年には中小企業向け原田メソッド研修の立ち上げを企画推進し、自部門および全社の業績を向上させた貢献により、常務取締役に就任。カレッジ事業本部長、マーケティング本部長、教育事業本部長等を歴任。

著書、登壇セミナー

・社長の右腕 ~上場企業 現役ナンバー2の告白~
・今だからできる!若手採用と組織活性化のヒント
・withコロナ時代における新しい採用力・定着率向上の秘訣
・オンライン研修の「今と未来」、社員育成への上手な取り入れ方
・社長が知っておくべき、業績達成する目標管理と人事評価
・社長の右腕 ~ナンバー2の上司マネジメント / 部下マネジメント~
・オーナー経営者が知っておきたい!業績があがる人事評価制度と組織づくりのポイント
・社長の右腕 10の職掌 など

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