
オーナーシップが育まれると、仕事に対して自立性を持ち、能動的な姿勢を持つようになります。社員の多くがオーナーシップを持つことで、以下のようなメリットが生まれます。
ミスやトラブルが減り、仕事の品質が向上する
社員のオーナーシップが発揮されない組織は、それぞれが受け身で「自分がやらなくても誰かがやってくれるだろう」と捉える他責の文化です。一方で、オーナーシップが発揮されると、「この業務を動かしているのは自分である」という責任感が生まれます。
一人ひとりの社員が「自分の仕事である」という責任感を持つことで、各プロセスの納期が守られたり、品質が上がったりすることに加えて、工程と工程、役割と役割の間で生まれるミスやトラブルも減少します。
顧客満足が向上する
社員がオーナーシップを発揮する効果は、ミスやトラブルの減少に繋がりますので、顧客満足度は向上します。
また、顧客へのサービス提供は、営業や販売、そして、製造や物流、事務など、さまざまな部門が関わります。関わる一人ひとりが「顧客に約束した品質でサービス提供するのは自分の責任である」と考える組織では、顧客に提供されるサービス品質が確実に向上し、顧客満足は更に向上するでしょう。
社内コミュニケーションが活性化する
社員がオーナーシップを持つ組織では、自分がコミットした仕事を進めるために自然と周囲のメンバーとの関わりが生じ、社内のコミュニケーションが活発になります。
責任を押し付けあうような他責の文化がないことはもちろん、単なる“仲良しクラブ”の雑談でもなく、仕事への責任感に基づくコミュニケーションです。コミュニケーションの活性化は日常の仕事が円滑に進むことに加えて、失敗や成功事例の共有、新しいアイディアの創出などが生じやすい環境に繋がります。
人材育成の効果が高まる
社員が受け身の姿勢だと、どんなに質の高い研修を企画しても、参加者は「会社が研修をするから受けている状態」になり、企画側が求める効果は得られにくくなります。
しかし、社員がオーナーシップを持っていると、「自分の役割を全うするために、どんな成長が必要か、どんな改善が出来るか?」という能動的な姿勢で研修に参加します。研修が終わった時点で、「自分の仕事でどう役立てるか?」「明日から何をするか?」という実践事項が決まっている可能性も高く、研修効果が得られやすくなります。
従って、若手の早期即戦力化などを目指す企業では、人材教育の初期段階でオーナーシップを身に付けさせるのがおすすめです。
リーダーが育ちやすくなる
社員のオーナーシップ育成は、多くの企業が抱える次世代リーダーの育成問題を解消させるうえでも非常に役立ちます。
組織における「リーダー」とは、すなわち、「組織のことを自分のことのように考えられる人」です。組織の問題、組織の収益、組織の将来を自分事として考えられることこそが、いわゆる組織が求める“経営者感覚”です。
逆境に強い組織になる
多くの企業が頭を抱える外部環境の激しい変化を乗り切るうえでも、オーナーシップは非常に重要です。
オーナーシップが低い社員が多い組織では、社員は「外部環境の変化に対する対応」を経営陣の仕事、会社の話として捉え、「誰かが解決してくれるだろう」と他人事で見ています。結果として、経営陣だけが奔走して、情報収集して、意思決定して、陣頭指揮を執ることになります。
一方で、オーナーシップが高い社員の場合、外部環境の変化に対する対応は自分事として捉えられます。もちろん、大きな意思決定をすることは経営陣の役割です。しかし、各現場においても主体的に小さな変化を起こして変化対応します。
情報を経営陣に上げたり、提案して決裁を仰いだりすることで、商品やサービス、組織を変化に対応させようとします。社員一人ひとりが、自分の出来る範囲で変化に対応しようとするのです。
100人の組織で、数人の経営陣だけが変化対応に奔走する組織と、100人全員が対応を考える組織。どちらが変化対応に強いかは言うまでもありません。