レジリエンスを高めるとは?個人と組織で強化するポイントを紹介

更新:2023/07/28

作成:2022/01/27

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

レジリエンスを高めるとは?個人と組織で強化するポイントを紹介

レジリエンスを高めるとは、自分自身の感情や状況を客観視したうえで分析を行ない、最善であろう方法をポジティブに選択ができるようになることです。

 

私たちの仕事は、過去数十年で肉体労働から知的労働、また感情労働へと大きく変化しています。単純作業はどんどん自動化・IT化され、日々受け取る情報量も増大する一方です。また、意思決定や複雑な調整を迫られる仕事も増えるなかで、働く人のストレスは増大しやすくなっています。

 

こうした状況で、ストレスに潰されることなく目標達成や自己成長を続けるには、レジリエンスを高めることが大切です。トップアスリートなどの間ではレジリエンスの概念は以前から注目されていましたが、近年ではビジネス分野でも普及しつつあります。

 

記事では、レジリエンスの概要を確認したうえで、レジリエンスがもたらすメリット、レジリエンスが高い人の特徴、レジリエンスを強化するための方法を解説します。

<目次>

レジリエンスとは?

頭を抱える男性

 

レジリエンスとは、「しなやかな心の強さ」を指す概念です。もともとは物理学の用語であり、「跳ね返り」「復元力」などの意味があります。そこから、意味を転じて心理学の分野で使われるようになり、近年では、プロスポーツやビジネス分野でも広がるようになりました。

 

レジリエンスは、心理学の世界ではイギリスの孤児の観察や治療の長期観察から使われ始めました。そこから徐々にプロスポーツやビジネスの世界に広がり、「ストレスを上手に受け止めて跳ね返す力」「失敗や落ち込みから復活する力」といった意味で使われています。

 

日本は同調圧力が強く忍耐力が高い人が多いため、ストレスに対しては「耐える、我慢する」という考え方がまだまだ一般的です。「耐える、我慢する」というアプローチは、決して悪いものではありません。ですが、「耐える、我慢する」という対処だけでは、限界を超えたときに心が折れてしまう危険性があります。

 

こうした理由から、近年の日本においても、欧州を発祥とするレジリエンスの概念、「ストレスをうまく受け止めたうえで、受け流す、跳ね返す」といったしなやかな対処のスキルが注目されるようになりました。

 

レジリエンスに注目が高まっている背景

職場における能力開発でレジリエンスが注目される理由は、働く人のストレスが増大する要因が増えているからです。

 

厚生労働省が平成28年度に行なった調査結果「職場におけるメンタルヘルス対策の状況」によると、仕事で強いストレスを感じている人は約6割にも上ります。

 

強いストレスを感じている人がこれだけ増えている背景は、「時代変化の速さ」と「労働環境の変化」です。知識労働や感情労働のなかで、日々膨大な情報や感情と向き合い、調整と意思決定、スピード対応が求められる環境では強いストレスがかかります。

 

ストレス自体の絶対量が増えているなかで「耐える、我慢する」の対処だけをしていては、やがてストレスによって心が折れてしまうこともあるでしょう。実際に、職場におけるメンタルヘルスの発症率も増えているといわれます。

 

近年の能力開発やマネジメント分野では、上記のような背景から、レジリエンスの重要性が注目されるようになっています。

レジリエンスがもたらすメリット

レジリエンスの向上は、メンバーや組織に以下のメリットをもたらします。

 

ストレス耐性の向上

レジリエンスを高める最大のメリットは、ストレスに強くなることです。

 

先述のとおり、現代社会で働く人は、さまざまなストレス要素に悩まされがちです。ストレスに弱い場合、次第に心が折れてしまい、集中力が落ちたり、身体や心に変調をきたしたり、最悪の場合は仕事を続けられなくなることもあるでしょう。

 

一方で、レジリエンスが高ければ、ストレスをうまく受け止めたうえで、跳ね返したり受け流したりしながら、心が折れることなく仕事を続けられます。結果としてレジリエンスの高いメンバーの増加は、職場の定着率が高まることにもつながってくるでしょう。

 

目標達成の促進

設定した目標を達成するには、目標に合った行動計画を実施していく必要があります。そして、社会情勢や市場環境の変化が激しい状況では、計画通りに目標達成できるケースはまれです。実施したことがうまくいかなかったり、思い描くような成果が出なかったりすることも多々あります。

 

うまくいかないという状況は、それ自体がストレスです。しかし、レジリエンスが高ければ、こうした状況においても、うまくいかないことを受け止めたうえで、目標達成に向けて、現状に合った行動計画の修正や改善を柔軟かつスピーディーに行なえるようになります。

 

ハードルを乗り越えることによる成長促進

とりわけ難度の高い新規事業や責任のある仕事などでは、ハードルや困難が生じやすいものです。レジリエンスが高まると、こうしたストレスがかかる厳しい状況に対してもじっと耐える・我慢するという受け身の姿勢ではなく、ストレスを受け止めたうえで、柔軟な対応で乗り越えられるようになります。

 

ハードルを乗り越えることができると、「乗り越えられた」という体験が自信になり、同時に困難にぶつかったときの対処方法などの経験則も得られます。獲得した自信や経験則は、次の挑戦にも活かせることでしょう。

 

組織力の強化

レジリエンスの向上で個人レベルのストレス耐性が高まると、組織として向き合うべき課題が生じたときにも、メンタル不調によるメンバーの途中離脱などが起こりにくくなります。

 

また、ビジネスにおいては、各メンバーが設定した目標は組織の上位目標に紐付いています。したがって、メンバーそれぞれが自身の課題や壁にしなやかに対応しながら目標達成を目指せるようになれば、組織としての生産性や目標達成率も高まっていくでしょう。

 

メンタルヘルスの問題が少なくなる

メンタルヘルスは「心の健康状態」を指す概念です。ストレスが蓄積されることでメンタルヘルスに不調を来たし、身体の不調やパフォーマンスの低下が引き起こされます。

 

重度のメンタルヘルスになれば、鬱などの精神疾患等の症状が出てしまうこともあり、休職や離職にもつながります。社員にメンタルヘルス問題が発生すると、企業は慎重な対応を迫られ、費用的にも工数的にも大きな負担が生じてしまいます。

レジリエンスが高い人が持つ5つの特徴

ビジネスマンのイメージ(上半身)

 

レジリエンスが高い人の特徴を見てみます。特徴を真似るだけでも、レジリエンスを高めることにつながります。

 

自身への客観視ができる

レジリエンスを発揮するには、まず、自分が置かれている環境やストレスがどのくらいかを把握することが大切です。ゆえに、レジリエンスが高い人は、基本的に自分自身に関する以下の情報を客観視して分析するスキルが高い特徴があります。

 

  • 感情(怖い、つらい、楽しい、苦しい、ワクワクする など)
  • 生理的反応(緊張で手が震える、ストレスでお腹が痛い など)
  • 出来事への解釈(自分は物事をこうとらえている、今の状況をどうとらえるべきか、など)
  • 自分の行動(あのときの行動は軽率だった、もっと積極的に行動すべきだった など)

自分自身を客観的にとらえる力を「メタ認知」と呼びます。「自分から離れたもう一人の自分が、上空や離れたところから自分を見るイメージ」です。メタ認知によって、自分のストレス状況や要因を把握することで、ストレス自体が軽減されたり適切な対処もしやすくなったりします。

 

感情と反応のコントロール力がある

メタ認知が高くなり、また、レジリエンスのスキルが身に付くと、自分の感情や反応へのコントロールがうまくなります。

 

例えば、メンバーとの意見の衝突で怒りの感情が生じたときに、自身への客観視を通して「自分はいま非常に怒っている」と認識します。そして、「少し今の場所を離れて頭を冷やす」という反応をすることで、怒りを爆発させずに上手にマネジメントすることが可能になります。

 

そして、自身の感情をとらえて冷静に思考して反応を選ぶことで、適切な対応策を講じて、ストレス原因を解決したり排除したりすることが可能になります。

 

ポジティブ思考である

置かれた状況に対する自分の感情を把握できていて、感情のコントロールも可能になると、ストレス状況を乗り越えるポジティブな思考が生まれます。ここでのポジティブ思考は、感情や状況の把握とコントロール力に基づく経験則からくるもので、根拠のない楽観主義ではありません。

 

レジリエンスが高い人のポジティブ思考は、現状を適切にとらえたうえで「何とかできる」と思える現実的な楽観性とも言い換えられるでしょう。

 

柔軟な思考力がある

例えば、ゴールに向かって行動計画を実施する過程で、思いどおりにならない壁にぶつかったと仮定します。ぶつかったときに「絶対に既存の方法でうまくいくはずだ」という頑な姿勢を持っていると、うまくいかない状況が続き、ゴール到達への精度も下がってしまい、ストレスもどんどん増大していくことになります。

 

一方でレジリエンスが高い人は、自分自身の感情や状況を客観視したうえで分析を行ない、最善であろう方法をポジティブに選択します。また、再び新たな壁にぶつかったら、状況に応じた選択をすればいいという考え方があるため、壁にぶつかったり失敗したりしたときの軌道修正も速いのが特徴です。

 

信頼できる友人や家族がいる

レジリエンスの高い人は、信頼できる人間関係に恵まれています。言い換えれば、自分だけでは対処できない問題に直面したときに、相談できる人がいるということです。

 

例えば、仕事の大きな失敗によって昇進が難しくなったとしても、「これからも応援しているよ!」といってくれる家族がいれば、気持ちを切り替えて今の状況でベストを尽くせるようになるでしょう。

 

また、周囲に対して話すことで自分の感情が整理されたり、アイデアが出てきたりして、解決に向かうという効果もあります。

 

しかし、信頼できる友人や家族、同僚がいない場合、ストレスが強くなるほど自分の悩みや仕事を一人で抱え込みがちになります。

レジリエンスを高める方法~個人~

レジリエンスを強化するには、以下の方法やコツを実践する必要があります。

 

ABCDE理論を用いてメタ認知と柔軟な思考力を養う

ABCDE理論とは、アルバート・エリスが提唱した心理療法です。以下のように自分の価値観や思い込み、思考のクセに気付くABCと、思考を修正するためのDEを組み合わせる思考法の総称です。

 

  • A(Activating Event):事実、出来事(いま何が起きているか?)
  • B(Belief):自分の信念・価値観(自分は対象に対して、どうとらえる傾向があるか?)
  • C(Consequence):結果(信念・価値観からくる考えで、どういう結果が生じるか?)
  • D(Dispute):反論(自分の捉え方に反論/修正できないか?)
  • E(Effect):効果(修正によってどのような影響や効果が得られるか?)

例えば、チームメンバーとの間に意見の衝突が起きたとします。この場合、以下のようにABCDE理論を活用します。

 

  • A:メンバーと衝突している、「相手に負けたくない、絶対に自分の意見を通す!」と感じている
  • B:負けず嫌いで、議論で人に負けることが嫌いだ。また、過去の成功体験にもそれなりに自信を持っている
  • C:このまま衝突していると、メンバーとの関係が悪くなりそうだ
  • D:この場面は本当に「負けてはいけない」場面なのか?「勝つ」ことに意味があるのか?自分の経験がこの場面で100%通用するのか?時代の変化、状況の違いがあるかもしれない。
  • E:「相手がなぜそういう意見なのか?」を聞くことで、より良い意思決定ができるし、相手との関係性も悪くならないかもしれない

日常生活の出来事にABCDE理論を当てはめてトレーニングをすることで、レジリエンスが鍛えられるでしょう。

 

自分の思考傾向を理解する

レジリエンスを高めるには、自分の考え方のクセを知ることも大切です。先ほどのABCDE理論でいう「B」の部分、信念や価値観です。

 

人は自分の信念や価値観に触れることに対して、怒りやストレスを感じがちです。例えば、前述したような「負けず嫌い」の人は「負ける」ことに対して敏感に反応しがちですし、人間関係を大切にする人は「相手にどう思われるか」にストレスを感じがちです。

 

このように自分の思考傾向は個性や強みにつながりますが、同時にストレスの要因にもなりがちです。自分の考え方のクセや価値観を把握することで、ストレスを感じている要因を把握したり、「絶対に◯◯」ではなく意見や内容に応じた柔軟な対応ができるようになったりするでしょう。

 

自尊感情や自己効力感を高める

自尊感情とは、自分を肯定的に受け入れる気持ち、自己肯定感のことです。例えば、自尊感情が高ければ、仕事で大きな失敗をしても、「自分はできる限りの努力をした」や「目標達成はできなかったけど、◯◯は良かった」「失敗しても自分自身の価値が失われたわけではない」などの捉え方ができるようになります。

 

自尊感情を高めるには、日誌による振り返りで、以下のような人間的成長につながるポジティブな体験や行動を記載するのもおススメです。

 

  • 自分の詳しい提案でお客様に感謝された
  • 後輩の話に耳を傾けられた
  • 主体的に仕事に取り組めた など

また、自己効力感とは、困難や課題に対して「自分ならできる」と思える自信です。自己効力感を高めるには、成功体験を積むことが大切になります。

 

例えば、いままで無理と思っていた目標をクリアしたり、壁を乗り越えたりする体験をすれば、自信もつきやすくなるでしょう。新人などの場合は、小さな成功体験を積み上げることから始めるのがおススメです。

 

影響の輪に集中する

スティーヴン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』では、私たちの関心を持っていることは、以下の2つに分けられるとします。

関心の輪

 

  • 関心の輪:自分が関心を持っている事柄
  • 影響の輪:自分がコントロールできる事柄

関心の輪というのは、関心事のうち、以下のように自分ではコントロールできないことです。

 

  • 明日の天気
  • 上司の機嫌
  • 顧客の意思決定

など

 

一方で、影響の輪とは、以下のように自分でコントロール可能なものになります。

 

  • 外出時に折り畳み傘を持っていくかどうか
  • 上司の関心事を想像して報連相する
  • 顧客に連絡して懸念点やサポートの必要性を訊いてみる

など

 

例えば、営業で「自分の売上を増やして、表彰されたい」と考えていたとします。このとき、以下のような関心の輪ばかりに集中しているとストレスが溜まりがちです。

 

  • 会社や上司からの評価
  • ライバルとなりそうな同僚の業績
  • 顧客の意思決定、社内稟議の状況

上記を意識すること自体は問題ありません。しかし、自分がコントロールできない関心の輪ばかりに意識を向けていると、自分が影響できないことに感情や機嫌を左右されてストレスが溜まりがちです。

 

一方で、「自分の営業目標を達成する」⇒「目標達成のために〇〇をやり抜く」という影響の輪に集中する人は、自分がすべきことをコツコツやり抜くことに意識を向けますのでストレスを感じづらく、また結果的に成果も上げやすくなるでしょう。

 

また、ストレスを解消するうえでも、影響の輪に集中することは大切です。例えば、「人間関係でうまくいかない」ことにストレスを感じているとき、ストレス処理が下手な人は「あいつが変わればうまくいくのに!」と考えます。

 

しかし、相手の思考や言動は関心の輪ですので、自分がコントロールすることはできず、ストレスはなくなりません。

 

ストレス処理がうまい人は、例えば「相手から距離を取る」「言葉の受け止め方を変える」「間に入ってくれる人を作る」など、自分の影響の輪でストレスを解決しようとします。結果的に、ストレスの解消もうまくいくことが多いでしょう。

 

明確なビジョンや目標を持つ

自分の大切な価値観を見つめ直したり、将来のビジョンを考えたり、ビジョンを達成するための具体的な目標を設定したりすることも、レジリエンス向上に繋がります。

 

とくに自分の価値観やビジョンと仕事が結びつくと、仕事上のレジリエンスが大きく高まります。中長期的な価値ある目標があることで、主体性を発揮することが出来ます。また、短期的な成功や失敗に一喜一憂せずに困難を乗り越えて行動することが可能になります。

 

良好な人間関係を築く

レジリエンスに繋がる人間関係構築力を高めるためには、テクニック的にコミュニケーションスキルを習得するよりも、まず人間関係の根本的な姿勢を見つめ直すことが大切です。

 

「自分がどのように他者と向き合っているか」を分析することから始めて、次に、「理想の人間関係はどのようなものか」を考えましょう。

 

最後に、理想の人間関係を築くという目的のもとで、個別のスキルを鍛えていきます。適切な自己主張(アサーション)、傾聴、自己(他者)承認などに目を向けるのがおすすめです。

 

外部研修を活用する

個人がレジリエンスを独りだけで鍛えることは、少し難易度が高い部分もあります。なぜなら、レジリエンスは目に見えない概念であり、「ストレス解消法」のようなテクニック的なものではなく、より深いところにある「物事の捉え方や向き合い方」だからです。

 

従って、プロによる研修を活用することも、レジリエンスを効果的に高めるための選択肢でしょう。

 

体系的な外部研修を活用することで、主体性や精神的柔軟性、キャラクター・ストレングス、メタ認知、自己効力感など、レジリエンスを鍛えるために求められる共通スキルを身に付けられます。

レジリエンスを高める方法~組織~

近年では、個人のレジリエンスだけでなく、「企業や組織のレジリエンス」という概念も注目されています。

 

組織のレジリエンスとは、個人のレジリエンス概念を組織にあてはめたもので、“法人”が外部要因によるビジネス環境の変化などに耐え、成長・繁栄していくために必要不可欠なものです。

 

心理的安全性の高い職場を作る

心理的安全性が担保されている職場では、メンバーに過度なストレスがかからず、仕事にやりがいを感じられる上に、個人やチームのパフォーマンスが向上します。

 

心理的安全性の高い職場にするためにはリーダーが率先して、相互理解を生み出して信頼関係を築くことや、自らの失敗や無知を開示するようなコミュニケーション、部下から意見をもらうなどのファシリテーションスキルが大切です。

 

メンバーのレジリエンスを高める教育を実施する

メンバー個人のレジリエンスを高める教育をすることで、必然的にレジリエンスの高い組織を作ることができます。

 

例えば、メンバー個人が「自分の状態や物事を客観的に捉えて(メタ認知)、ネガティブ感情から抜け出す技術を習得する」ためのコーチングなどもレジリエンスを高める教育の一つとしておすすめです。

 

企業のミッションやビジョンを浸透させる

永続的に成長を続ける企業は共通して、時代を経ても陳腐化することのないパーパスやミッション・ビジョンなどが浸透しています。

 

パーパスやミッション・ビジョンは中長期的に目指すべきゴール、組織が存在する理由です。「私たちは何を実現するために集まっているのか?」という組織の根幹となる軸がしっかりと浸透することで、短期的な失敗やハードルを乗り越えて、変化して、前に進もうとするエネルギーが生まれてきます。

 

個人のレジリエンスを高める上でも明確なビジョンや目標は大切ですが、組織レジリエンスを高める上でも、根源的なパーパスやミッションを研ぎ澄まし浸透させ続けることが重要です。

まとめ:社員のレジリエンスを高めて強い組織をつくろう

レジリエンスとは、ストレスをうまく受け止めたうえで、受け流す・跳ね返すというしなやかな対処をするスキルです。レジリエンスを高めると、以下のメリットが得られます。

 

  • ストレス耐性の向上
  • ハードルを乗り越えることによる成長促進
  • 目標達成の促進
  • 組織力の強化

レジリエンスが高い人には、以下の特徴があります。

 

  • 自身への客観視ができる
  • 感情と反応のコントロール力がある
  • ポジティブ思考である
  • 柔軟な思考力がある
  • 信頼できる友人や家族がいる

レジリエンスを強化するには、以下の方法を実践するのがおススメです。

 

  • ABCDE理論を用いてポジティブな思考を養う
  • 自分の思考傾向を理解する
  • 自尊感情や自己効力感を高める
  • 影響の輪に集中する

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 取締役

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

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