キャリア自律が必要とされる背景
変化の激しい現代社会において、個人が主体的にキャリアを考え、選択していく「キャリア自律」の重要性が高まっています。背景には、日本型雇用の限界や価値観の多様化、就業期間の延長などがあります。
キャリア自律は、企業と従業員の双方にとって必要不可欠な要素となりつつあります。この背景を理解しておくことはキャリア自律支援を実施する際にとても重要です。
若手・優秀層の離職防止とエンゲージメント強化
従来の終身雇用や年功序列といった日本型雇用制度は、完全に崩壊したといえるでしょう。職種の専門化や技術進化やそれに伴う新たな職種の誕生、グローバルトレンドへの追従などを踏まえて、雇用制度は成果主義と転職が当たり前の状態へと変わっています。また、大手企業ではジョブ型人事への移行を始まっています。
若手や優秀層ほど、自分のキャリア形成を真剣に考えてる、また不安を抱いており、「転職を経てキャリア形成していく」という考えを当たり前に持っています。その中で、キャリア自律支援をすることで、離職防止をすることが不可欠です。”キャリアへのもやもやとした不安”を放置しておくと、エンゲージメント低下や離職へとつながります。
また、現在の高度な知的労働、またリモートワークにおいては、エンゲージメントがパフォーマンスに直結します。その点でも、“いまこの職場で、この仕事をしている意味づけ”につながるキャリア自律支援が大切です。
価値観や働き方の多様化に伴うキャリア支援の多様化
ワークライフバランス等の価値観も広がり、働き方も従来の「同じ企業でのキャリアアップ」だけでなく、「転職によるキャリア形成」「専門性の追及によるプロフェッショナルやCXOとしてのキャリア」、さらに副業、複業、フリーランス、起業なども一般的となり、個人のキャリア観や人生観は多様化しています。
こうした中で、組織内での昇格・昇進というキャリアパスの提示だけでは従業員の動機付けはできなくなっています。起業は従業員一人ひとりの価値観に合わせたキャリアビジョンの明確化を支援し、いまの仕事に意味づけしてもらうことが必要となっています。働き方の多様化と個の尊重が重視される現代において、一人ひとりに合わせたキャリア自律の支援が、組織全体の活性化につながる重要な要素となっています。
シニア層に対するキャリア支援の必要性
少子化に伴う労働力不足の中で、定年延長や再雇用制度の活用が進み、社員の就業期間は長期化しています。その結果、40代後半~50代の中高年層で、役職定年やライフステージの変化を見据えたキャリアの再設計や、リスキリングの重要性が高まっています。
60代以降も働き続けてもらうことを前提とした場合、スキルの再獲得やアップデートによって、シニア世代が活躍できる環境を整備する必要があります。60代以降も含めた長期的な視点でのスキルアップ・キャリア形成支援が、企業の持続的成長には欠かせません。
また定年延長などを考えると、役職定年以降の時間もかなり長くなってきます。その時間をやる気を持って、また、30代40代のロールモデルとして過ごしてもらうためにもキャリア自律の支援が重要となります。












