キャリアデザイン研修の目的と必要性
キャリアデザイン研修は、従業員個人のキャリア構築をサポートするというだけでなく、企業にとっても重要な意味を持つようになっています。なぜキャリアデザイン研修の必要性が増しているか確認しておきます。
VUCA時代や人生100年時代への対応
VUCAとも呼ばれる不確実な時代に突入する中で、人事制度や雇用のあり方も変わり、終身雇用制度が崩壊するとともに、企業の寿命も短くなり、大手企業でも倒産やM&Aの対象となっています。
一方で、医療等の進歩により人間の寿命は延び、「人生100年時代」と言われるようになりました。人間の寿命が企業の寿命を大きく上回る時代となり、雇用も流動化する中でキャリアの中で何度かの転職することも当たり前になってきます。
結果として、終身雇用を前提に「新卒で就職した会社に定年まで在籍し、自分のキャリアを会社に委ねる」という時代は終わりました。個人にとっては、自身のキャリアを真剣に考え、「自分はどういうキャリアを作りたいか?」「どんな働き方をしたいか?」「今の仕事がキャリアにどうつながっているか?」を真剣に考える必要がある時代になっていました。
若手や優秀な人材のつなぎ止め
前述の通り、「新卒で入社した会社に定年まで勤める」というキャリアはむしろ珍しいものとなりつつあり、キャリア構築は労働者、特に若年層の大きな関心事となっています。
Z世代と呼ばれる若手にとっては「転職を前提に、会社に依存しないキャリアを作る」というのが当たり前の感覚であり、新卒で入社した時点から「いつ辞めるか?」「どんなところに転職するか?」が頭の片隅にあるとも言われます。
上記のような価値観をもった世代は、今いる企業での将来やキャリアを思い描けなくなるとモチベーションは低下しますし、会社を見切って転職します。従って、若手や優秀な人材に長く働いてもらうためにも、キャリアデザイン研修等でのキャリア開発支援が重要になっています。
最近は、このキャリア形成への関心の高まりを受けて、キャリア安全性という概念も注目されています。キャリア安全性の概念を詳しく知りたければ、以下の記事をご確認ください。
法律面での対応
国の方針としても、失業してしまう人を減らし社会を安定させるためにも、キャリア開発やリスキリングは重要なテーマとして位置づけられています。たとえば、2016年に職業能力開発促進法が改正・施行され、労働者にセルフ・キャリアドックが義務付けられました。
セルフ・キャリアドックとは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取り組み、また、そのための企業内の仕組みを指します。
企業側にも、従業員に対するキャリアコンサルティングの機会確保や能力開発の支援が努力義務として課されました。現段階では企業側は努力義務という形になっていますが、将来的には義務化される可能性も考えらます。また、人材育成支援助成金などの人材育成や組織開発に関する助成金でも、受給資格として従業員に対するキャリアコンサルティングの実施が義務付けられるようになっています。
このように国の制度的にもキャリアデザイン研修等を通じて、従業員のキャリア支援をするように促す流れとなっています。
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