インポスター症候群の問題を解決するには、本人の自助努力に任せるだけでなく、組織開発を通してサポートしていくことも重要です。具体的にどのような組織開発でインポスター症候群の人をサポートしていけるかを見ていきましょう。
インポスター症候群の理解
自分はダメな人間だと感じてしまうインポスター症候群の人に対して、「単に考え過ぎているだけなのでは?」と思ってしまう人も多いかもしれません。
これまでにご紹介したように、インポスター症候群は、遺伝的な要因のほか、家庭環境や文化からの影響もあり、ネガティブなセルフイメージが構築されてしまっていることも多いものです。「気持ちの持ちようですぐ何とかなる」というものではなく、改善するためにはそれ相応の取り組みや期間が必要になってきます。
本人の努力だけでなく、周囲の理解と協力も必要です。まずは組織内できちんとインポスター症候群と改善に向けた取り組みを周知することが大切です。
強み理解と強みを活かすマネジメント
人はそれぞれ、異なる強みを持っています。
自分が当たり前にしていることが、他の人から見れば強みであることはよくあります。そのため、自分自身ではなかなか強みに気づきにくく、他者からのフィードバックや自己分析のためのツールを活用しないと、意外と認識できないこともあります。
積極的に仕事に取り組めるようにするには、強みの概念を理解して自分の強みを適切に認識し、活用する術を学ぶということが効果的です。
定期的な1on1の実施
自分の現状を認識するためには、他者からのきめ細やかなフィードバックというのが欠かせません。
そこで有効なのが1on1です。個別に面談していくことで、本人の認識と周囲の認識をすり合わせていく、また適切なフィードバックを提供することが出来るでしょう。認識のズレを解消していくことで正しく自己評価できるようになり、自己卑下に陥ってしまうのを防ぐことができるようになります。
上司のフィードバックスキルと対話力の強化
昔ながらの指導法でありがちなのが、欠点を指摘して改善させていくことで、一人前の人材に育て上げようとするやり方です。しかし、上司が部下を成長させようとダメ出しばかりしてしまうと、インポスター症候群の部下は余計に自信を失ってしまうということになりかねません。
また、人に求められる仕事がどんどん高度化している中で、型にはめて欠点をなくしていくような指導よりも、強みを活かす方が高品質なサービスやイノベーションにつながる時代になってきてもいます。もちろん、成長課題は成果のボトルナックとしてクリティカルにならないようなところまで改善する必要があるでしょう。ただ、過度に課題をダメ出しするのではなく、強みを伸ばしイノベーションにつなげていくことが求められるようになっています。
上司自身のフィードバックスキルを強化することで、インポスター症候群の部下の自信を削いでしまうことなく、ポジティブな気持ちを引き出せるようにすることが重要です。
称賛する文化
周囲からダメ出しばかりされてしまうという状態ともなると、どうしても自信を失いがちになりやすいものです。とくにインポスター症候群の人の場合、通常の人よりもネガティブフィードバックを重く受け止める傾向になります。
そこで自分に対して自信が持てるように、お互いへの感謝や称賛を伝える文化を作ることが有効です。
具体的な方法として、サンクスカードやクラウド型のピアボーナスのような仕組みを導入することも一つの方法です。ポジティブフィードバックを受け取ることが増えることで、自分は人の役に立てていると実感できるようになり、自己肯定感につながります。