Z世代を育成するポイントは?Z世代の特徴や指導のNG例も紹介

更新:2023/10/06

作成:2023/09/30

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

Z世代を育成するポイントは?Z世代の特徴や指導のNG例も紹介

いま新入社員として入ってきているZ世代は、多くの企業で経営陣や管理職をつとめている昭和世代とは大きく異なる価値観を持つ世代です。

 

当然、今後もZ世代を中心とする若手の割合はどんどん増えていくことになります。

 

したがって、人材育成やマネジメントを有効に実施するには、Z世代の特徴やZ世代ならではの育成ポイントを把握し、自社の人材育成やマネジメントに採り入れていく必要があります。

 

記事では、まず、Z世代の概要と特徴を確認します。記事の後半では、若手研修に強みを持つ研修会社としての知見を踏まえて、Z世代への育成・指導におけるNG例と、Z世代を育成するポイントを紹介します。

<目次>

Z世代とは?

Z世代は、一般的に1990年半ば(もしくは2000年代序盤)以降に誕生した世代を指します。2023年時点では、10代前半~26歳ぐらいまでの人がZ世代に該当します。

 

つまり、企業でいえば、大卒の新入社員~入社3、4年目の世代までがZ世代にあたります。

Z世代の特徴

笑顔な若い男女

 

Z世代には、以下のような特徴や価値観の傾向があります。あくまで一般論になりますが、違いを知るうえで参考となるでしょう。

タイムパフォーマンスを重視

タイムパフォーマンスとは、いわゆる時間対効果のことです。「タイパ」と略されることもあります。具体的には、「費やした時間・労力」と「得られた満足度や効果」の比較になります。

 

Z世代は、終身雇用の概念がないからこそ昭和世代のような企業への忠誠心はかなり低く、ワーク・ライフ・バランスを重視する側面があります。

 

仕事の現場でも、「努力することが素晴らしい」といった価値観は薄く、限られた時間のなかで効率よく仕事を行ない、成果や自己成長につなげていくようなタイムパフォーマンスを重視する傾向にあります。

 

自己成長などに関しても、いかに効率よく「さくっとこなして成果をえるか?」に興味関心があります。

 

つまり、Z世代には、「努力するプロセスが大事」「苦労した分だけ、得られるものがある」といった言葉はあまり刺さりにくいでしょう。

やりがいや充実感を重視

Z世代は、大企業でも倒産したり、M&Aがされたりすることが当たり前にある時代に育ってきました。Z世代には、日本が右肩上がりに成長した時代の感覚はありません。

 

そして、終身雇用の感覚もないことから、企業が自分の人生を守ってくれるとは思ってはいません。

 

また、未来に日本や企業がぐっと成長していくような明るいイメージもあまり持っていないことが多いでしょう。

 

明るいイメージがない結果、企業への期待感や忠誠心は低く、“やりがい”“充実感”などの精神的な報酬が重視されやすくなります。

 

Z世代は、“やりがい”だけでなく“生きがい”も重視する傾向も強くなっており、ワーク・ライフ・バランスを大切にする特徴があります。

 

昭和世代は無意識に、「プライベートよりも仕事を優先するもの」という価値観を持っていますが、Z世代は、仕事優先の感覚を持っていないことが多いので注意が必要です。

楽しく働けることを重視

Z世代には、一緒に楽しく働けるメンバーやプロジェクト、社内の良い雰囲気などを重視する傾向があります。

 

また、ギスギスした“競争”よりも、信頼できるメンバーとの“共創”で成果を出したいと考える傾向も高くなっています。

 

Z世代は、日本が少子化へと進むなかで生まれ育っていますので、「競争しないと生き残れない」「競争して打ち勝つことで素晴らしいものが手に入る」という価値観自体が薄れています。

価値観の押し付けを嫌う

Z世代は、多様性を尊重し、個人の価値観・アイデンティティが認められる風潮のなかで育ってきました。そのため、古かったり保守的だったりする価値観の押し付けを嫌う傾向があります。

 

先ほどの「プライベートよりも仕事を優先すべき」という価値観も傾向のひとつですが、特に「企業の価値観」「上司の価値観」を、納得できる理由もなく押し付けられることに反発しがちです。

行動修正力が高い

Z世代は、終身雇用の期待がないからこそ、「自分が成長しないと人生が安定しない」という一種の焦りにも近い成長意欲があったりします。

 

そのため、上司からのフィードバック内容や他者の意見に納得感が得られれば、行動修正されやすいです。

 

ただし、タイムパフォーマンス意識との掛け合わせで、キャリア構築や自己成長への過度な焦り、空回りにつながるような側面もありますので注意しましょう。

Z世代への育成・指導NG例

Z世代の育成や指導で以下のような対応をとると、本人のモチベーションが下がったり、不信感や反発から早期離職につながったりするリスクがありますので注意が必要です。

価値観の押し付け

上述したように、古い価値観や保守的な考え方、Z世代にとって納得できない話などを押し付けると、Z世代は反発することが多いでしょう。たとえば、以下のような伝え方には注意が必要です。

  • (Z世代の質問に対して)「それがどうした?そういうものだ…」
  • 「新人はこのように振る舞うものだ…」
  • 「うちの企業ではこうなんだ…」 など

「Z世代だから……」というレッテル

「Z世代だから◯◯だ……」というレッテル貼りは、相手に対して、一人の人間ではなく、“Z世代”という属性でしか見ていない印象を与えてしまいます。たとえば、以下のような表現です。

  • 「Z世代だから、そういう考え方をするのだね…」
  • 「Z世代だから、◯◯が苦手なのかな…」
  • 「これだからZ世代は…」

上記は、短所やネガティブ要素に対するレッテル貼りの一例です。こうした言い方は、本人の強みや長所の指摘でも使わないほうがよいでしょう。

叱責による育成

若手に厳しい叱責やダメ出しをして奮起させようとする育成法は、楽しく働くことを重視するZ世代にマッチしません。

 

Z世代の場合、企業への忠誠心が低く、転職へのハードルも低くなっているため、古くから続けてきた厳しい叱責で育成しようとすると、早期離職が増加する結果になるでしょう。

 

ただ、Z世代は自己成長の意欲は高いため、上司からの適切な指導・指摘が「自分のメリットにつながる」と納得すれば、行動修正につなげていく傾向もあります。

 

ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社の調査によると、Z世代社員の77.3%が、「適切な『指導』であれば、上司から強くはっきり指摘されたい」と希望していることがわかっています。

 

上司は、奮起させようとするような“厳しい叱責”と、相手を励ます“適切な指導・指摘”の違いを理解して、Z世代の教育にあたる必要があるでしょう。

 

出典:Z世代社員における「上司からの指摘の受け止め方」に関する意識調査データ(2022年10月)の配布を開始しました(ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社)

外発的動機付けへの偏り

給与や賞与、昇進、昇格といった物質的な動機付けでZ世代を動かそうとすると、あまり効果が得られません。

 

ある程度充足した環境の中で育っているZ世代は、競争や努力して物質的な報酬を手に入れることに対して、昭和世代ほど強い動機がありません。

 

むしろ、成長ややりがい、ワクワク感などを刺激して、内発的動機付けすることを意識することが大切になるでしょう。

放置・放任

Z世代は、SNSの「いいね!」などで他人から承認されることが当たり前になっています。

 

そのため、承認欲求が強く、ビッグローブの調査ではZ世代の6割以上が「他人に認められたい」と思っていることがわかっています。

 

したがって、承認やフォローをせずに放置・放任するのは絶対にNGです。

 

また、Z世代には現実主義的な一面もあるため、上司からの放置・放任によって「今の企業は大丈夫だろうか?」や「こんな企業で成長できるのだろうか?」といった違和感やキャリア形成への不安が生じると、不安から早期離職につながる可能性もあります。

 

出典:あしたメディア by BIGLOBEが承認欲求に関する意識調査を発表(ビッグローブ株式会社)

Z世代を育成するポイント

オフィス、新入社員

 

Z世代の育成を成功させるには、以下のポイントを大切にするとよいでしょう。

一人ひとりの価値観を尊重する

Z世代の育成で最も大切なのは、上司側がZ世代メンバーそれぞれの価値観を理解・尊重することです。

 

たとえば、Z世代の新人や若手は、デジタルネイティブであり効率を重視するため、上司が目の前にいるにも関わらず、社内チャットで報連相してくることもあるかもしれません。

 

上司からすれば、自分は今まで口頭中心の報連相をしてきたわけで、Z世代のチャット偏重の価値観が理解できないこともあるでしょう。

 

だとしても、Z世代を育てるうえでは、まずはZ世代がチャットで報連相をしてくる理由や背景に関心を持ち、“理解する姿勢”を見せることが大切になります。

 

相手を理解しようとする姿勢も見せずに、「目の前にいるのにチャットで報連相するなんてありえない!いい加減にしろ!」と怒ったりすれば、関係性は壊れ、相手の反発を受けることになるでしょう。

 

したがって、先述のケースでは、チャットで報連相してくる意図を聞いてみたうえで、「こういう内容はチャットでいいけど、こういうテーマはこういう理由で、チャットで送ったうえで、口頭で声をかけて」などとすり合わせていくことが大切になります。

目的や理由を明確に伝える

Z世代は彼らなりの常識や価値観で行動しているため、相手の行動変容を促すなら、「なぜそうすべきか?」という相手が納得できる目的・理由を明確に伝える必要があります。

 

たとえば、報連相を口頭で行なってほしい場合、「資料を持って僕のデスクに来てもらえれば、資料を見ながら修正点を丁寧にフィードバックできるんだよね。フィードバックしたほうがあなたも修正しやすいでしょう」といった話をすれば、納得してもらいやすくなるでしょう。

 

ここで大切になるのは、そうする論理的な理由、相手にとってのメリットをきちんと伝えることです。「ルールだから」「そういうものだ」と理由もいわずに価値観を押し付けることはNGです。

質問しやすい環境を整える

株式会社リクルートマネジメントソリューションズによる2021年度新入社員を対象とした意識調査によると、「不安・苦手意識があるけど大事だな」「意識的に取り組みたい」と思うスタンスは、“自発”が39.8%とトップになっています。

 

自発がトップという結果からは、自らの受け身の姿勢や消極性を自覚しつつ、なかなか改善できていない様子が見て取れます。

 

こうしたZ世代の成長を促すには、わからないことを気軽に質問・相談できる環境を整えることが大切です。つまり、心理的安全性が高いチームや信頼関係を築くことになります。

 

まずは、上司から「あの件はどうなった?」「大丈夫?」などと積極的に声かけするとよいでしょう。

 

出典:【調査発表】2021年 新入社員意識調査(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

デジタルネイティブとしての強みを活かす

Z世代は、物心がついたときからインターネットが普及していたデジタルネイティブ世代でもあります。

 

デジタルネイティブ世代は、“タイパ”志向ともあいまって、「ITなどを駆使して、仕事などを効率的に進めたい」という価値観があります。

 

効率化の特徴は、昭和世代から見れば、Z世代の強みの一つに映るでしょう。

 

Z世代の育成をする場合、こうした“強み”を伸ばす役割や仕事を与えることも一つです。

 

たとえば、自社でSFAやCRMの新システムを導入する場合、ITに詳しいZ世代の若手を主担当にしてもよいでしょう。本人の“強み”を洗い出せると、キャリア支援なども行ないやすくなります。

まとめ

Z世代は、1990年半ば(もしくは2000年代序盤)以降に生まれた年代のことです。Z世代には、以下の特徴があります。

  • タイムパフォーマンスを重視
  • やりがいや充実感を重視
  • 楽しく働けることを重視
  • 価値観の押し付けを嫌う
  • 行動修正力が高い

Z世代への育成をする際には、早期離職やモチベーションの低下を防ぐためにも、以下のNG指導は避ける必要があります。

  • 価値観の押し付け
  • 「Z世代だから……」というレッテル
  • 叱責による育成
  • 外発的動機付けへの偏り
  • 放置・放任

Z世代の早期離職を防ぎ、早期の戦力化へとつなげていくには、以下のポイントを大切にしながら適切な指導をしていくとよいでしょう。

  • 一人ひとりの価値観を尊重する
  • 目的を明確に伝える
  • 自分事への落とし込みを丁寧にする
  • 質問しやすい環境を整える
  • デジタルネイティブとしての強みを活かす

HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、Z世代の育成に役立つプログラムを提供しています。

 

Z世代への新入社員研修であれば、プロとして成果をあげる考え方を伝える新入社員研修「PRO」がおすすめです。

また、Z世代の教育では、成長意欲やキャリア意識をうまく仕事のパフォーマンスにつなげてもらうことも大切です。つなげるためには、強み活用や主体性の強化、キャリア自律の支援が有効となります。

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著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

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