
女性の部下や後輩を叱るときには、性差に関係なく大切なポイントをわかりやすく示しつつ、相手の声も聞き、気持ちの変化も落ち着いて受けとめる必要があります。
女性に限らず、気持ちを仕事に注いでくれているタイプの方、すべてにあてはまることです。本項では、女性メンバーが増えてきた職場で特に注意していただきたい11のポイントを紹介します。
基本は褒めると叱るをMIXさせる
部下を叱る目的が問題の改善や成長と考えると、叱られたあとのモチベーションや部下と上司の関係を維持できる叱り方をすることが大切です。理想的な褒めると叱るのバランスは「褒める3:叱る1」とされています。
適切に褒めるためには、普段から女性部下の仕事ぶりを見て、良いところを見つけておく必要があるでしょう。最初に褒めてから問題点を伝えるのも、おすすめの叱り方の一つになります。
冷静に状況を判断し感情的にならず叱る
冷静に問題点を伝えるのが「叱る」であるのに対して、苛立ちや不満を感情ごとぶつけることは「怒る」です。怒られた部下は、上司に対して恐怖を抱いてしまい、平常心で仕事をしたり、上司との円滑なコミュニケーションをとったりすることができなくなります。
どうしても「叱る」ではなく「怒る」になりがちの場合は、アンガーマネジメントで早めに怒りの感情を管理できるようにするのがおススメです。
人格否定をせず行為を叱る
仕事をするうえで改善が必要となるのは、部下の性格・人格ではなく行動・言動です。例えば、「お前は本当にダメ人間だな!」と言ってしまうと、人格否定になります。言われた側は自己肯定感を奪われ、何をどう改善したらいいのかわからなくなってしまいます。
存在自体の否定は、パワハラに抵触する可能性も高いです。人としての存在、尊厳を肯定しつつ、事実を伝えましょう。
ですから、どのような相手であっても、人として対話ができる余地を残し、以下のように具体的な行為・行動を明示して叱る必要があります。
- これまでなかった書類のミスが、最近多い。
- 今月のアポが3件なのは、何か理由がある?
- 珍しいね。相手の言葉に反射してしまったのだろうけれど、乱暴に聞こえる口調では、お客様に失礼とわかっているはず。
叱るときは個別に叱り短い時間におさめる
叱責は1対1かつ短時間でおさめるのも鉄則です。
オフィスなどで大勢の前で叱責すると、見せしめのように本人も周囲も思いますし、本人の心の中では「みんなの前で恥をかかされた」という思いが募ります。
そして、恥ずかしさや動揺、反発などの感情が増大すれば、叱られている内容を冷静に受け入れることが難しくなります。
恥の感情が怒りや恨みに発展すれば、問題行動の改善はできなくなってしまうでしょう。
丁寧な言葉遣いでゆっくりとした口調で叱る
今まで男性中心のチームだった場合、叱責に限らず、もともとの言葉遣いが荒い場合も多々あります。
しかし、乱暴な言葉というのは、暴力を振りかざしているのと同じです。相手に対して威圧感を与えてしまうものとなります。
また「ちょっといいか?」などのぶっきらぼうな声かけをすれば、相手は叱られることに対して身構えてしまうこともあるでしょう。
叱る本来の目的(成長や改善を促すこと)から考えると、叱るときに乱暴な言葉を使うメリットはありません。部下が受け入れやすい口調で話すことが、気づきや理解を促すうえで、大切になります。
信頼関係を構築してから叱る
叱責などのいわゆるネガティブなフィードバックを受け入れてもらうには、普段から率直な話ができる信頼関係を構築しておくことも大切です。信頼関係を増やすためには、普段から以下のような行動を心がけることが重要となります。
- 相手の話を聴く
- 誠実な行動をとる
- 間違っていたら謝る
- 約束を守る など
女性が少ないチームの場合、女性を孤立させないための声かけなども信頼関係の構築につながるでしょう。
期待している気持ちを伝える
上司や先輩が自分に怒る理由を知ってもらううえでも、日頃の仕事ぶりや振る舞いを見て、自然な程度に、期待している気持ちをストレートに伝えることが大切です。
部下が「自分は上司に期待されている」と適度に思えていると、叱られたことにも前向きに受け入れられます。
また、期待や成長を願っているというメッセージは、特定の人を対象とせずにいつでもプラスに発することが可能であり、上司と部下の信頼関係を維持するうえでも大切になるでしょう。
相手の話や言い分、感情を十分に受け止める
感情が細やかな方、感受性の高い方は、自身の感情をとても大切にしています。
例えば、これまで気持ちを入れて頑張ってきたのに、上司から叱られてネガティブな感情になってしまうと、気持ちが切れてしまい、改善に向けて動けなくなる場合もあります。これは女性に限ったことではありません。
男性は感情を表に出さないことを美徳とする傾向もあるので、ご自身が男性の多い環境に慣れている場合は、もう一歩、相手の言い分や感情を聞く姿勢をもちましょう。
特に、部下を叱責するときには、相手の言い分や気持ちに耳を傾け、ポジティブな感情を喚起させるフォローが大切になってきます。
泣かれても狼狽えずに言うべきことを必ず伝える
感情があふれることで、人間は涙を流します。自分の不甲斐なさや悔しさを上司に理解してほしいなどの想いから、泣いてしまう方もいます。
そうした経験に慣れていない場合、女性部下の扱いに不慣れな男性上司の場合、泣かれたこと自体に動揺して、以下の対応をすることもあるでしょう。
- 叱責したことを謝ってしまう
- 今の場を収めるためにやさしくしてしまう
- 途中で叱責をやめてしまう
結論からいってしまうと、以上の対応はすべてNGです。厳しい言葉遣いなどは改めるべきものですが、叱責や指導の内容自体を曲げてしまうと本末転倒になります。大号泣が止まらない場合は、少し時間をあけてから冷静に話をするのもおすすめです。
いずれのポイントも、人材を活かす、育てるという観点からすると、性差に関係なく重要なものとなります。必要なタイミングで、適切な叱り方ができるよう、知っておくとよいでしょう。