信頼口座とは何か?
周囲と良好な人間関係を築けているかを考えるうえで、一つのバロメーターになるのが「信頼」です。相手を信頼して、相手から信頼されていれば、「相手との人間関係は良好だ」といえるでしょう。
『7つの習慣』では相手との信頼関係を「信頼口座」という概念で表現します。本章では、信頼口座とは何か、そして、信頼口座の特徴を解説します。
信頼口座とは何か?
信頼口座は、『7つの習慣』で人間関係における「相手から自分への信頼」を示す概念です。「口座」という単語からどのようなものを連想するでしょうか。「銀行口座」をイメージする人も多いかと思います。銀行口座は預金すれば残高が増えて、お金を引き出せば残高は減っていきます。じつは人間関係も同じです。
銀行口座で「お金」を預け入れたり引き出したりするように、信頼口座では「信頼」を預け入れたり引き出したりします。例えば、礼儀正しい態度や気遣いを示す、相手との約束を守るなどの行為は、相手の信頼口座に「信頼」を預け入れる行為です。
信頼口座に多くの信頼が貯まっていれば、人間関係が崩れることはありませんし、仮に意見が異なったとしても、「〇〇さんは、そういう考えなんだね」とお互い受け入れることも容易でしょう。信頼口座の残高は、相手との信頼状態、人間関係を表すバロメーターだといえます。
信頼口座と信頼残高
書籍『7つの習慣』には、1990年に初版が出版された『7つの習慣 成功には原則があった! 』と、2013年にスティーブン・R・コヴィー博士の没後1年を期に新たに翻訳しなおした『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』という大きく2つのバージョンが存在します。
「信頼口座」は、もともと『7つの習慣 成功には原則があった! 』では「信頼残高」という言葉で表現されていました。両者は同じ意味であり、今回の記事では完訳版で使われている「信頼口座」という表現に統一して記載しております。
信頼口座の特徴
前述のように信頼口座は、「相手との信頼関係」を「お金を預け入れる銀行口座」に例えて表現したものです。信頼口座は、信頼を出し入れする点は銀行口座と同じなのですが、信頼を扱うからこそ銀行口座とは大きく異なる特徴もいくつかあります。信頼口座が持つのは3つの特徴です。
信頼口座の特徴① 残高がわからない
銀行口座は通帳を見ればどれぐらい貯まっているかが一目瞭然です。しかし、信頼口座には通帳がなく、残高がいくらあるのかもはっきりわかりません。ですから、残高が十分貯まっているだろうと安心するのではなく、日々、信頼を積み重ねる努力を続けていくことが大切になります。
信頼口座の特徴② 残高はマイナスにもなり得る
銀行口座の場合は、どれだけ引き出しても残高の最低限は0です(キャッシングはどうなるか、等はご容赦ください)。しかし、信頼口座はマイナスにもなり得ます。信頼口座がマイナスの状態は、「ネガティブな意味で信頼されている」ということです。つまり、単に「信用されていない」どころか「あの人が言うなら疑ったほうがいい」「あの人とは約束するだけ無駄」といった状態です。
信頼口座の特徴③ 一瞬にして引き出される
銀行口座は、預け入れをした分だけ残高は増えますし、引き出した分だけ残高は減ります。これは信頼口座も同じです。ただ、信頼口座の場合、預け入れには非常に長い時間がかかり、丁寧に信頼を積み重ねていく必要があります。一方で、引き出しは一瞬にして行なわれます。「一回の裏切りで長年培ってきた信頼がゼロになる」というのはイメージできるかもしれません。信頼口座の預け入れは地道で時間がかかります。引き出すことがないように周囲の人との接し方を心がけることが大切です。






