
プレイヤーとして1人前に成長して、管理職へのステップを登り始める20代後半~30代前半で、多くの女性が出産・育児というライフステージの大きな変化を迎えます。
出産・育児によるキャリアの中断が、女性管理職の登用における大きな阻害要因であることは明確です。
女性管理職の登用を進めるうえでは、属人化した仕事の排除やワークライフバランスを考慮した働き方の多様化が必須です。
キャリアの中断を超えて女性の活躍を進めるためのポイントを確認しておきます。
女性管理職が活躍する前提となる職場環境
例えば、「管理職の正社員は絶対にフルタイム勤務である」という職場環境では、出産を経た女性が活躍することは難しいでしょう。
また、“管理職=長時間労働”になっているようであれば是正も必要です。
また、時短勤務者に対する評価制度の運用も、前提条件を整えるうえで重要なテーマになります。
時短勤務者が働きやすい環境づくりと同時に、既存社員から不平が出ないように、パフォーマンスを公平に評価する人事評価制度が必要です。
企業から離れる期間のコミュニケーション
産休・育休では、かなりの長期間にわたって職場から離れることになります。その間に企業へのエンゲージメントを維持するためのコミュニケーション設計も重要です。
接点がないと気持ちは離れがちになりますし、不安も募ります。
休職期間中でも企業から情報発信や定期面談を行ったり、全社イベントに参加できるようにしたりするなど、コミュニケーションを図るようにしましょう。
また、仕事面の接点を持つことも大切です。本人が希望するようであれば、育児休暇中に短時間の在宅ワークを通じて、少しずつ業務復帰してもらうことで、仕事や職場に復帰しやすくなります。
育児中の女性が疎外感や孤独感をあまり感じず、復帰しやすい仕組みを整備していくことが重要です。
復職後への不安解除
育休・産休などで長期休暇を取得した場合、休暇に入る前のポジションは既に違う人に任せられているでしょう。業務を継続するうえで当然の判断です。
一方で、育休や産休に入った女性社員は、復職後の居場所に不安を感じたり、今後のキャリアプランを考えにくくなったりすることも事実です。
女性の活躍や管理職のロールモデルが少ない企業の場合、営業系のライン部門だと「時短勤務の中で同じように働けるか」、マーケティングや事務などのスタッフ部門だと「既に席は埋まっており復帰先があるか」で不安を感じることが多くなります。
人事部門や経営層が面談などの機会を持ち、復帰後への期待やサポートに関する意思を伝え、本人の不安を減らしましょう。
人事評価への信頼性、実力評価の徹底
「女性は結婚や出産を機に辞める」「時短勤務の社員はパフォーマンスが出せない」という経営陣の意識は、女性管理職の登用、女性活躍を進めるうえで大きなハードルです。
ただ、意識はいきなり変えられるものではありませんので、半信半疑でもまずは取り組んでいくことが重要です。
その中で、実際に成果をあげる女性社員が出てくると、経営陣の意識はガラッと変わります。
また、女性管理職の登用が「逆差別」と解釈されてしまう可能性もゼロではありません。実力評価を徹底し、人事評価への信頼を高めていくことが必要です。
「頑張っている≒長時間働いている」ことを美徳とするような上層部の意識や発言は、女性活躍を進めるうえで大きなハードルですので、是正していきましょう。
これらの取り組みは女性の活躍だけに効果があるのではなく、例えば、介護などの様々な事情で時短勤務の社員、転勤できない社員、また、多様な働き方を望む若手層のニーズにも合致するものです。
男女に関わらず優秀な社員を惹きつけ、定着させるうえで効果が期待できます。