キャリア安全性とは?
まずキャリア安全性とはどういう概念かを確認します。
キャリア安全性とは?
キャリア安全性は、1999年に、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱したもので、「自分のキャリアが長期間安定な状態でいられると認識できるか」という概念です。
エイミー・C・エドモンドソン教授は心理的安全性の概念を提唱した方でもあり、同じ方が新たな概念としてキャリア安全性を提唱した点が非常に興味深いといえます。
キャリア安全性の概念をもう少し分かりやすく説明すると、たとえば、ある会社で仕事しているとして、「同じ会社で5年後や10年後のキャリアを思い描ける」ようであれば、キャリア安全性は高いと言えます。
一方で、「あの先輩や上司のようになりたくない」「この職場でこのまま働いていても、市場価値が高まらないのではないか」と感じているようであれば、職場のキャリア安全性は低いということです。
このように従業員が「この先、中長期の未来に渡って、自分のキャリアが安全か?キャリア形成できるか?選択肢を持てるか?」ということがキャリア安全性です。平易に言うと、「この職場で働き続けてキャリア発展や待遇の向上が望めるか?」「また、転職等を想定した時に選択肢を持てるだけの成長が実現するか?」です。
キャリア安全性を構成する3つの要素
キャリア安全性を構成するのは、以下の3つの要素です。
- 時間軸で見て、十分なスピードでキャリア形成できているか?
- 転職市場等を見た時、市場で通用する価値、転職先を選べるスキルが身に付いているか?
- 同期や同世代と比較して遅れたり劣っていたりしていないか?
職場のキャリア安全性を高めるためには、3つの構成要素すべてが満たされている必要があります。
自社を振り返って、どの要素が充足していて、どの要素が不足しているのかを把握し、不足している要素に対して手を打っていくことが、キャリア安全性を高めていく上でのポイントです。なお、大切なことは「客観的に」ではなく、個々の従業員「本人がどう感じているか?」という主観的な概念だということです。
キャリア自律/キャリアオーナーシップとの違い
キャリア安全性に関連した概念として、「キャリア自律」や「キャリアオーナーシップ」があります。
キャリア自律とは、自らのキャリアを組織などに依存するのではなく自律的にキャリア開発していこうとする姿勢を指します。キャリアオーナーシップも同様で、自らのキャリアをどうしたいか?を主体的に考えて行動する姿勢です。
終身雇用という労働慣習が終わって転職が当たり前になった、また成果主義やジョブ型が導入される中で、労働者個々にとってもキャリア自律/キャリアオーナーシップが重要になっています。
20代の若手にとっては、キャリア自律は非常に浸透した概念であり、キャリア自律/キャリアオーナーシップが進んでいるからこそ、職場にキャリア安全性を求める、という文脈にもなっています。
知識労働の高度化、ソリューション提案やイノベーション創出の必要性を受けて、各企業がキャリア自律を推進する流れになっていますが、その中で職場のキャリア安全性が高くなければキャリア形成できる環境を求めて離職されてしまうことにも成りかねません。
優秀な人材に自社で活躍し続けてもらうためには、職場のキャリア安全性を高めることが重要になってくるわけで、キャリア安全性は組織内でのキャリア自律を実現させることと密接な関係があります。








