ビジネス現場で成果を出し続けるためには、インターネットが発達した現代においても、社内外とのコミュニケーションを通じて、信頼構築や情報交換していくことが不可欠です。
コミュニケーション能力は、“人柄や天性の才能によるもの”とも思われがちですが、実際には、コミュニケーション研修で後天的にレベルアップできるものです。
記事では、まず、コミュニケーション研修の定義と必要性、コミュニケーション力不足によって生じるデメリットを確認します。
記事の後半では、コミュニケーション研修を得意とする研修会社の知見を踏まえて、コミュニケーション研修で身につくスキルと、効果性の高い研修にするためのポイントも解説します。
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<目次>
コミュニケーション研修とは?
コミュニケーションとは、言葉などを通じて自分の気持ちや意見、情報などを相手と通じ合わせることです。
企業が実施するコミュニケーション研修とは、ビジネス上のコミュニケーションに必要なスキルを身につける研修の総称になります。
具体的な実施内容は、対象者が改善したいコミュニケーション上の課題や職種などによって大きく変わってきます。
コミュニケーション研修の必要性
ビジネスで成果を上げるには、社内外の関係者やお客様との間で、コミュニケーションを図ることが大切です。
<ビジネスで必要となるコミュニケーションの種類>
- 相手と信頼関係を構築する
- 相手から意見や情報を引き出す
- 自分の意見や情報をわかりやすく相手に伝える
- 相手の意思決定に影響を与える
- 相手の行動を変える など
コミュニケーションに問題を抱えている人の場合、自分の価値観で会話を進めてしまっており、本人も「なぜうまくいかないのか?」をわかっていないことも多いでしょう。
うまくいかない理由・原因がわからなければ、いつまでたっても課題を改善できないことになるでしょう。
コミュニケーション研修は、心理学などに基づく効果的なコミュニケーション方法や知識を体系的に学び実践することで、正しいコミュニケーションのやり方をしっかり身につけるものです。
コミュニケーション研修を受講すれば、今までコミュニケーションがうまくいかない理由・原因がわからなかった人でも、日々の行動に正しい方法などを落とし込みやすくなります。
コミュニケーション力不足によるデメリット
冒頭で触れたとおり、ビジネスで成果を出し続けるには、社内外の人との良好なコミュニケーションを図ることが不可欠です。
では、コミュニケーション力が低い場合、どのような問題が生じるのでしょうか。
本章では、コミュニケーション力が低いことで生じる仕事上の問題を紹介しましょう。
報連相(報告・連絡・相談)がうまくできない
コミュニケーション力の不足で報連相がうまくできない場合、仕事をするなかで以下のような問題が起こりやすくなります。
- 上司や同僚と意思疎通できておらず勘違いがある
- 不明点の質問や相談をせず放置している
- 自分一人で仕事を抱え込んでしまう
- ミスや失敗を報告しない
- ヒヤリハットの共有が遅い など
報連相が遅れた場合、本来は小さいはずの問題が重大トラブルやクレームに発展し、結果的に早期解決が難しくなることもあるでしょう。
また、同じチームの上司や先輩からすれば、「どこまで仕事を進めたのか?」「どのような問題を抱えているのか?」などの把握ができないため、報連相がうまくできないメンバーには、仕事を任せにくくなってしまいます。
さらには、自分一人の知見やノウハウだけで仕事するようになることで、出せる成果に限界が生じたり、機会ロスを起こしたりすることもあります。
良好な人間関係を構築できない
良好な人間関係は、良好なコミュニケーションによって相手に以下のような体験を与えることで実現します。
- こちらの意見を考えや立場をスムーズに理解してくれた
- 自分の悩みに関心を持ってくれている
- 自分の相談にも耳を傾けてくれた
- いつもスムーズに報連相してくれる
- ヒヤリハットを早く報告してくれた! など
以上の体験で共通して生まれるのは、相手への「信頼感」です。
一方で、コミュニケーション力が低い場合、以下のような対応から相手に信頼感を与えられず、結果として良好な人間関係も築けなくなってしまいます。
- こちらの話が伝わらない……
- 自分の悩みに関心を持ってくれない……
- 大事なヒヤリハットなのに報告が遅すぎる……
成果を上げられない
コミュニケーションを通じて良好な人間関係を構築できないと、以下のような人を動かせなくなります。
- 上司
- メンバー
- 取引先の担当者
- お客様 など
人を動かせなければ、「チームで目標達成する」や「お客様に商品を買っていただく」などの成果は上げられません。
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コミュニケーション研修で身につくスキル
コミュニケーション研修で身につけられるスキルには、以下のように多彩な種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
コミュニケーションにおける基本マナー
以下のような基本マナーは、新入社員研修で教えるべき内容です。
- 敬語や言葉遣い
- 身だしなみ
- コミュニケーションツールの使い方
- ビジネスメールのマナー など
新入社員の場合、大学生活のなかで目上の人と話す機会が少ないため、敬語や言葉遣いで苦戦する傾向があります。
近年では、スマートフォンやSNSの普及によって、固定電話の使用経験がなかったり、メールの作成経験がなかったりする人も増えるようになりました。
社会人は、多様な世代や関係性でコミュニケーションをするからこそ、基本的なコミュニケーションのマナーや型を押さえておくことは大切です。
信頼関係のつくり方(ラポール形成)
ラポール形成は、ビジネスで良好な人間関係を構築し、成果を出すうえで不可欠なものです。
コミュニケーション研修では、ラポール形成の3原則などの理論や重要性を理解したうえで、以下のような実践テクニックを身につけていくことが大切になります。
- ミラーリング(視覚や身体情報を鏡のように相手に合わせる手法)
- マッチング(音声情報を相手に合わせる手法)
- バックトラッキング(いわゆるオウム返し)
聴き方(傾聴力)
傾聴の基礎知識として、以下のような理論や考え方を理解することも大切です。
- 「聞く」と「聴く」の違いを理解
- 傾聴の3段階(受動的傾聴・反射的傾聴・積極的傾聴)
- 積極的傾聴に必要な3要素(共感的理解・無条件の肯定的関心・自己一致)
先述のラポールを築くうえでも、積極的傾聴は非常に有効な手法です。
コミュニケーション能力=「伝えることの上手さ」と思われがちです。しかし、まずはきちんと「聴く」ことができなければ、コミュニケーションはうまくいきません。
伝え方(ロジカルコミュニケーション)
ロジカルコミュニケーションとは、わかりやすい話し方や伝わるコミュニケーションのことです。
ロジカルコミュニケーションの研修では、ロジカルコミュニケーションの基礎となる論理的思考(ロジカルシンキング)や、PREP法などのフレームワークの使い方を身につけていきます。
プレゼンテーション
プレゼンテーションの研修では、聞き手を動かすうえで大切となる以下スキルを実践のなかで身につけていきます。
- ポジティブな第一印象の重要性
- 説得力や信ぴょう性を高める方法
- より強いインパクトを与える方法
- 聞き手に変化を促す方法
- プレッシャーのかかる場面での対応方法 など
プレゼンテーションにおいては、ロジカルコミュニケーションの基礎を踏まえたうえで、相手の感情を動かす、行動や意思決定に影響を与える伝え方が大切になってきます。
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質問の仕方(ヒアリング)
ビジネスシーンでは、相手の状況や意図を的確に把握したうえで、最適なヒアリングができる「質問力」が求められます。ビジネスシーンで使われる質問には、以下のような種類があります。
- 1.クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)
- 2.オープンドクエスチョン(はい・いいえで答えられないため、回答範囲が広い質問)
- 3.過去質問(過去に起こったことに対しての質問)
- 4.未来質問(未来に焦点をあてた質問)
- 5.否定質問(否定的な言葉を使った質問、原因要因を引き出すのに役立つ)
- 6.肯定質問(肯定的な言葉を使った質問)
- 7.呼び水質問(事例や選択肢、仮定などを置く質問) など
ヒアリングでは、各質問タイプの特徴を理解して、うまく使い分けていくことが大切になります。
褒め方
褒め方とは、いわゆるポジティブなフィードバックのことです。効果的な褒め方を実践するには、実践のなかで以下のようなテクニックを身につける必要があります。
- 肯定形で伝える
- Iメッセージを意識する
- 過程を褒める
上司がメンバーの良い行動を褒める方法を身につけると、メンバーの承認欲求が良い形で刺激され、良い行動の習慣化という好循環が生まれやすくなるでしょう。
叱り方
叱り方を誤ると、相手に嫌われたりパワハラに抵触したりする可能性もあります。そのため、研修では、最初に叱り方に関する正しいマインドセットを行なう必要があるでしょう。
マインドセットをしたうえで、「叱る理由を明確にする」「褒める・叱るのバランスをとる」などの未来に向けて相手を成長させる叱り方のテクニックを身につけていく必要があります。
コーチング
コーチングとは、「答えは相手のなかにある」という原則に基づき、適切な質問や傾聴を通じて、相手の考えを引き出すサポート手法です。
コーチングのスキルを向上させるには、実践を通じて、先述のラポール形成・傾聴力・質問力を高める必要があります。
コミュニケーション研修を行なうポイント
研修を通じてメンバーのコミュニケーション能力を向上させていくには、以下のポイントを抑えながら教育を進めていく必要があります。
対象と目的の明確化
コミュニケーション研修の対象となるスキルは非常に幅広いです。一方で、コミュニケーション上の必要スキルや課題は、人によって異なっています。
そのため、研修を通じてそれぞれの課題解決をしていくには、以下のように「誰のどのようなコミュニケーションの問題を解決したいのか?」という対象と目的を明確にすることが大切です。
- 新入社員:コミュニケーションの基本マナーを身につけさせる
- 営業職の若手社員:お客様とのラポール形成のテクニックを向上させる
- 管理職:人を動かすコミュニケーションスキルを向上させる など
コンフォートゾーンの脱却
コンフォートゾーンとは、各自が不安やストレスを感じることなく、安心して快適に過ごせる領域のことです。
たとえば、「メンバーの話に耳を傾けない」「自分だけが一方的に話をする」などのあまり良くないコミュニケーションを続けている上司がいると仮定します。
上司が、メンバーとの信頼関係を構築し、チームの目標達成などの成果を上げるには、「メンバーの話をさえぎらない」「メンバーに質問して傾聴する」といった今までの行動パターンを変える必要があります。
“今までの行動パターンを変えること”は、“自分のコンフォートゾーンから一歩踏み出すこと”です。そのためには、今までのコミュニケーションのやり方を変える“勇気”が必要となります。
したがって、コミュニケーション研修では、コミュニケーションの手法などを教えるとともに、受講者がコンフォートゾーンから一歩踏み出すことをサポートすることも必要となります。
自信の獲得
コンフォートゾーンからの脱却を後押しするには、小さな成功体験を積ませて自信が獲得できる環境をつくることも大切です。
たとえば、今まで周囲の話にまったく耳を傾けないことで、メンバーから嫌厭されている上司がいたと仮定します。
上司が積極的傾聴を実践することでメンバーからの報連相が増えれば、小さな成功体験から「自分にもできる!」という自信が生まれやすくなるでしょう。
上記は極端な例となりますが、成功体験⇒自信が得られる仕組みがあると、コンフォートゾーンからの脱却もしやすくなります。
実践を通じて経験を増やす
コミュニケーションは、ビジネスパーソンであってもなくても、誰もが日常で行なっているものでもあります。
コミュニケーションの場合、だからこそ、知識だけを学んでもなかなか行動変容が起こらない特徴があります。
そのため、コミュニケーション研修では、以下のサイクルをつくることで学びから行動変容を促すことが大切です。
- 1.知識やスキルを学ぶ
- 2.ロールプレイングをやりながらコンフォートゾーンから一歩踏み出す
- 3.自分の日常に戻ったなかで何らかの実践をする
- 4.結果を踏まえて、自信を獲得したりしながら習慣化する
継続する
コミュニケーション研修は、1回実施して終わりではありません。
具体的なやり方は内容によって異なりますが、定期的なフォローアップを通じて、「実践してどうだったか?」などを振り返り、足りないところは研修で補うなどの継続教育をしていくことが大切になります。
また、ビジネスコミュニケーションで必要なスキルは、たとえば、現場のメンバー(プレイヤー)とリーダーでは大きく異なります。
そのため、各メンバーのコミュニケーション能力を本質的に向上させるには、本人の役職やステージに応じたプログラムを取り入れていくことも大切でしょう。
まとめ
コミュニケーション能力が不足していると、仕事をするなかで以下の問題が生じやすくなります。
- 報連相がうまくいかない
- 人間関係を構築できない
- 成果を上げられない
上記の課題を解決するには、コミュニケーション研修を通じて、以下のなかから自分に足りないスキルを身につけることが大切です。
- コミュニケーションにおける基本マナー
- 信頼関係のつくり方(ラポール形成)
- 聴き方(傾聴力)
- 伝え方(ロジカルコミュニケーション)
- プレゼンテーション
- 質問の仕方(ヒアリング)
- 褒め方
- 叱り方
- コーチング
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