本章では、『人を動かす』の基礎である「人を動かす3原則」を基に、人を動かすためのポイントをお伝えします。
本章の内容を読んでから、改めて「人に好かれる6原則」「人を説得する12原則」「人を変える9原則」のひとつひとつをお読みいただくと、人を動かすポイントがより詳細に理解できるでしょう。
人を動かすポイント①「盗人にも五分の理を認める」
人を動かす3原則のひとつである「盗人にも五分の理を認める」は、相手の立場や考え方を尊重することが人間関係を築き、スムーズなコミュニケーションを実現するうえで最も重要であることを示しています。
たとえ、世間では悪人とされる盗人のような人物でも、本人のなかでは「たとえ世間的に糾弾される行為だとしても私は正しい」「正当な、または、やむにやまれぬ事情があり、人から一方的に批判されるような理由は一切ない」と思っているものです。
このような性質を持っている人間に対して、たとえ正当だったとしても一方的な批判をすることは無意味であり、相手の心を頑なにするだけです。
人は批判されると、自分を守ろうとして反発したり逆ギレしたりするものです。一方で、自分のことを承認されると協力的になったり、自分のことを理解してくれようとするには感謝したり信頼を置いたりもします。
だからこそ、「盗人にも五分の理を認める」ことが大事なのです。
相手の主張を正しいものとするかどうかは別として、相手が正しいと思っている理由、相手から見た状況をきちんと聞いて共感する。そうすることが相手に好印象を与えて信頼関係を築くこと、ひいては人を動かすことにつながります。
この考え方を基に、人を動かすためのポイントを以下にまとめます。
- ・相手の立場や気持ちに共感する
- ⇒ 相手の気持ちや立場を理解し、それに共感することが、相手との信頼関係を築く第一歩です。前述のように、人は皆、自分の言動や考え方には理由があると思っています。それを理解しようとすることで、相手に対する敬意や信頼を示すことができるようになります。
- ・相手の言い分や考え方に耳を傾ける
- ⇒ 相手に興味を持ち、積極的に聴くことが、相手との良好なコミュニケーションを築くために重要です。相手が話しやすい雰囲気を作り、相手の話をしっかり聴くことで、相手の心を開かせることができます。
- ・相手との共通点を見つける
- ⇒ 相手と自分との間にある共通点を見つけることで、相手とのつながりを深めることができます。相手と共通の趣味や価値観、目標を見つけ、それを話題にすることで、相手との信頼関係を構築しやすくなります。
上記に挙げたポイントを実践することで、相手とのコミュニケーションがスムーズになり、相手を動かすことができる可能性が高まるでしょう。
HRドクターでは、「盗人にも五分の理を認める」の原則に関する詳細や実践方法を個別に解説した記事を用意しています。ご興味あれば以下のURLよりご覧にください。
人を動かすポイント②「重要感を持たせる」
人は自分が社会や職場で必要とされていると感じると、やる気や自信が高まり、逆に、無視されたり批判されたりすると、不満や反発を抱きます。
「重要感を持たせる」という考え方は、相手に「自分自身は大切な存在である」という実感=自己重要感を持たせることによって、相手が協力的な態度を取ってくれることを示しています。
重要感とは、有名なマズローの5段階欲求説でいう「社会的欲求」そして「承認欲求」に該当するものです。人がこうした欲求を持っているということを踏まえて、相手の欲求を満たしてあげることがポイントです。
相手の欲求を満たすことによって、相手はあなたを深く信頼し、あなたの言葉に耳を傾けてくれるようになるでしょう。
この考え方を基に、人を動かすためのポイントを以下にまとめます。
- ・相手の良い点や成功した点を見つけて、率直で誠実な評価を与える
- ⇒ 相手の優れている点をストレートに伝えることによって、相手に重要感を持たせることができます。その際に大切なのは、本心からの言葉を伝えることです。したがって、取ってつけたようなお世辞は逆効果であり、厳に慎む必要があります。
- ・相手の貢献を評価する
- ⇒ 相手が何かしらの貢献をした時、その貢献を評価し、感謝の気持ちを示すことが大切です。相手は他者から自分の貢献を評価されることで、自信がつき、自分自身を高めることができます。
- ・相手の意見を尊重する
- ⇒ 相手の意見や考え方を尊重することで、相手が自分自身を重要な存在だと感じることができます。相手に対して否定的な態度をとるのではなく、相手の意見を受け止め、尊重することで、相手との信頼関係を築くことができます。
これらのポイントを実践することで、相手は自己重要感が満たされ、あなたに協力的な態度をとってくれるようになるでしょう。
HRドクターでは、「重要感を持たせる」の原則に関しても詳細に解説していますので、ご興味あればご覧ください。
人を動かすポイント③「人の立場に身を置く」
「人の立場に身を置く」とは、相手の立場や視点に立ち、“相手が何を望んでいるか”“何に困っているか”などを想像し、それを手に入れる、あるいは解決する方法を教えてあげることの重要性を示しています。
カーネギーは、「人の立場に身を置く」ことで、相手に「強い欲求」を起こさせることができるといいます。
どれだけ信頼関係を作ったとしても、人は「あなたの欲求を満たす」ことには大きな興味はありません。人が関心を持っているのは自分自身のこと、そして、自分自身の欲求を満たすことなのです。
だからこそ、相手の立場に身をおいて、相手が欲しているものは何かを考えることが重要です。
その上で、「あなたの依頼を実行することで、自分が欲しているものが手に入る」と相手に気づいてもらうのです。
そうすれば、あなたの依頼を実行することは、相手にとって「自分の欲求を満たすこと」となり、実行に向けた強い欲求、主体性やリーダーシップが生まれます。
この考え方を基に、人を動かすためのポイントを以下にまとめます。
- ・相手の立場に立って考える
- ⇒ 相手の立場に立って考えることで、相手だったらどのように考えるのか?相手が何を欲しているのかを理解できるようになるでしょう。
- ・相手の立場や気持ちを理解する
- ⇒ 相手がどのような立場にいるか、どのような気持ちでいるかを理解することが大切です。相手の立場や気持ちを理解し、相手に対する共感や理解を示すことで、自分は相手の味方だと印象付けることができます。
- ・相手の利益を提供する
- ⇒ 相手が求めるものや必要とするものを提供することが大切です。相手にとって何が有益になるのかを考え、相手が求めるものを提供することで、人を動かす強い力が手に入るでしょう。
HRドクターでは、「人の立場に身を置く」の原則についても詳しく解説しています。ご興味あれば、以下よりご覧ください。