
コーチングを通じて職場における人材育成やマネジメントを成功させるには、コーチとなる上司やリーダーに以下のようなスキルが必要となってきます。
ラポール構築
ラポールとは、「信頼関係」や「心が通い合う関係」を意味する心理学用語です。繰り返しますが、コーチングは、メンバーとの信頼関係があってこそ成功するものになります。
そのため、メンバーのコーチングを担当するなら、まず、信頼関係の構築に力を入れる必要があるでしょう。ただし、先述のとおり、組織の上司-部下などで行なう場合、日常における関係構築が何より大切になります。
傾聴力
ラポール構築に欠かせないのが、相手の話に耳を傾ける傾聴力です。
傾聴とは、相手の話に集中して聴いたうえで、話を表面的に理解するだけでなく、相手の感情や見えている世界まで考えて聴くことです。つまり、傾聴力とは、相手の感情や見えている世界を想像しながら聴く力だといえるでしょう。
たとえば、メンバーAが、なかなか解決できないトラブルを抱えていたと仮定します。
上司が自分の世界観でメンバーAの状況を見た場合、「トラブルが長期化すれば、自分の監督責任が指摘されるのではないか?」といった不安を抱き、メンバーAに対して違和感や苛立ちを覚えることもあるでしょう。
また、勝手に「どうせ課題は目の前のものだろう」「目にしたことをアドバイスしてやろう」と考えてしまうかも知れません。
一方で、まずメンバーAは、連日の残業で疲弊し、適切なリソースも見つからず困っている状態かも知れません。
傾聴では、まずは “疲弊・困っている”というAの感情と世界に目を向け、以下のように話を進めていきます。そうすることで、メンバーAに「自分のことをわかってくれている!」という安心感が生まれ、質問に対して心が開かれる好循環が生まれていくでしょう。
- 上司:トラブルの現状はどうなっているの?
- メンバーA:外注さんにもお願いして復旧作業をしているのですが、まだ解決できずです。もう3日目になるので、みんな疲弊しています。
- 上司:そうか、トラブルは大変だったね。早期の解決には、まず何が必要かな?
- メンバーA:プログラムと一緒に設計書も見直す必要があるので、設計書に詳しい人がいると助かるんですが。
- 上司:わかった。では、○○チームから3人メンバーをそっちに入れるようにするよ……。
上の会話のように、相手の感情と世界に目を向け、想像する姿勢がなければ、相手の心を開くことはできませんし、適切な質問を選ぶこともできないでしょう。
傾聴力を鍛える方法は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ご覧ください。
質問力
質問とは、相手の状況・意図などを正確に把握し、適切な質問を使い分けられるスキルのことです。ビジネスシーンで使われる質問には、以下のような種類がります。
- クローズドクエスチョン(はい・いいえで答えられる質問)
- オープンドクエスチョン(はい・いいえで答えられず、回答範囲が広い質問)
- 過去質問(過去に起こったことに対しての質問)
- 未来質問(未来に焦点をあてた質問)
- 否定質問(否定的な言葉を使った質問、原因要因を引き出すのに役立つ)
- 肯定質問(肯定的な言葉を使った質問)
- 呼び水質問(事例や選択肢、仮定などを置く質問)
*7種類は、漏れなくダブりなく、いわゆる“MECE”に分類したものではなく、一部重複するものもあります。
質問力を高めるには、以下5つのポイントを大切にする必要があります。
- 論理的思考を磨く
- 何事にも疑問を持つ
- 相手の感情に寄り添う
- 相手の意見や考えを否定しない
- 場数を踏む
質問力を高めるポイントを詳しく知りたい人は、以下のページから資料をダウンロードしてみてください。