リーダーの「エンゲージメント」に対する勘違い ~マンパワーグループ労働白書「キャリアの方程式」より~

更新:2025/11/15

作成:2025/11/07

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック

総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社より、世界8カ国(イギリス、フランス、ブラジル、メキシコ、アメリカ、カナダ、シンガポール、オーストラリア)における1,029人のリーダーおよび2,402人の従業員を対象にした、リーダーと従業員のエンゲージメントギャップを調査した労働白書「キャリアの方程式」が発表されました。

 

調査結果における「エンゲージメント」の状態や原動力に対するリーダーの“勘違い”は、従業員エンゲージメントの向上施策を考えるうえで興味深い点がありますので、本記事では、労働白書「キャリアの方程式」の一部を抜粋して紹介します。

 

<目次>

抜粋|【従業員視点】従業員エンゲージメントの認識ギャップ:食い違うリーダーと従業員の意識

【従業員視点】従業員エンゲージメントの認識ギャップ:食い違うリーダーと従業員の意識

 

リーダーが認識する従業員エンゲージメントの状況と、従業員が実際に感じているエンゲージメントには、大きなギャップが生じています。

 

53%のリーダーが「従業員のエンゲージメントは非常に高い」と回答した一方で、従業員のうち「エンゲージメントは非常に高い」と回答したのはわずか37%であり、41%が「非常に低い」と回答しています。

 

こうした認識のズレにより、自組織の人材に関する誤った前提に基づいて、効果の乏しい人材戦略が優先されるという課題が生じています。

 

抜粋|【リーダー視点】リーダーはエンゲージメントの原動力を正しく理解しているのか?

【リーダー視点】リーダーはエンゲージメントの原動力を正しく理解しているのか?

 

従業員エンゲージメントに最も影響を与えていた要因は、「フィット感(チーム・組織文化との適合性)」であると回答した従業員は37%を占めました。次いで「キャリア形成」支援に対する満足度が27%と、2番目に強い影響を持つ要因となっています。

 

しかし、リーダーが「フィット感」と回答した割合は23%、「キャリア形成」は約20%にとどまり、代わりに報酬や福利厚生、業務運用といった要素に注目している傾向がみられます。

 

マンパワーグループ労働白書「キャリアの方程式」

抜粋した上記のような情報に加えて、白書では、「人材の惹きつけ」と「従業員エンゲージメント」に影響を与える要因の違いとして、新たな仕事を検討する際に求職者が最も重視する要素と、従業員のエンゲージメントを左右する主要因の違いなども紹介されています。

 

アジア太平洋地域における結果もあり、採用時にアピールすべき要素と、従業員に対して発すべきメッセージや実施すべき施策の違いなどを考える材料となるでしょう。ご興味あれば、ぜひ白書全体をご覧ください。

マンパワーグループ労働白書
「キャリアの方程式|人材を惹きつける戦略が人材の定着に有効とは限らない」
https://www.manpowergroup.jp/company/r_center/w_paper/

 

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、執行役員・取締役等を歴任後、現在に至る。

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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