社内コミュニケーションの活性化が求められる理由
なぜ今、声高に社内コミュニケーションの必要性が叫ばれているのでしょうか。主な背景は次の3つです。
知識労働の増加
まずは、組織における知識労働の増加です。そして、現代ではビジネス上の課題は高度化・複雑化しています。結果として、Aの問題を解決するにはBとCの知見が必要というように、1つの部門だけでは課題を解決できないケースが増えているのです。
各メンバーの専門性や知見を取り入れ、成果を最大化したり、イノベーションを起こしたりすることが求められる時代だといえるでしょう。組織内における情報の共有と連携の重要性が増しているのです。
解決のためには、職位や経験に関係なく、率直な意見や懸念、自分の無知などを安心して開示できる場の形成が必要です。
以上のように本音を前提としたコミュニケーションが活性化されている状態をつくることを心理的安全性の確保と呼びます。
働く価値観や意識の多様化
中途採用者や外国人労働者の増加、キャリアプランの多様化などにより、働く人の価値観や意識も多様化しています。日本で長く大事にされてきた「あうんの呼吸」で理解し合うことは難しくなっているといえるでしょう。
たとえば、全員が「上司に仕事を任されたらやる気が高まる」わけではありませんし、「自分自身が腹落ちしないと行動できない」人もいるなど、モチベーションの源泉は一人ひとり異なってきています。
価値観の多様化とダイバーシティーが進むなかで、価値観や意識の違いによる衝突が起こりやすくなっているという指摘もあります。つまり、画一的なマネジメントは、限界がきているといわざるを得ません。働く人同士での相互理解が重要であり、そのために社内コミュニケーションの活性化が欠かせないのです。
テレワークの普及
テレワーク下では一般的に、コミュニケーションの量と質が低下する傾向にあります。
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令された直後、2020年の春に実施された労働者調査では、テレワークで感じたデメリットとして、45.3%が「社内コミュニケーションが減った」と回答しています。さらに、「上司・部下・同僚とのコミュニケーションがとりにくい」と回答した割合は、37.7%でした。
テレワーク下では、オフィスにいるときのように「部下のバタバタしている空気」を感じることはできませんし、コミュニケーション手段もチャットや電話会議などに限定されます。
特に、メインの手段であるチャットでは簡潔なやり取りが好まれるため、事務的な報連相に終始し、感情的な部分の相談はしづらくなりがちです。テレワーク下では、一つひとつのコミュニケーションから得られる情報が薄くなってしまう分、回数を増やすなどしてカバーする必要があるのです。







