オンライン研修に必要なものとは? 失敗しないやり方と運営のコツを解説

更新:2022/09/06

作成:2022/07/04

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

オンライン研修に必要なものとは?失敗しないやり方と運営のコツを解説

働き方改革や新型コロナウイルス感染防止を背景に、これまで対面が中心だった社員研修をオンラインで実施する試みが多くの企業で実施されました。オンライン研修の実施を検討されている、あるいはすでに導入済の企業も多いでしょう。

オンライン研修で教育効果を上げるためには、前準備や運営でいくつか必要なポイントがあります。記事では、オンライン研修で必要なツールや環境、主なオンライン研修ツールの紹介、またオンライン研修で失敗しないためのコツを解説します。

<目次>

オンライン研修に必要な機材とツール、環境

最初にオンライン研修に必要な機材とツール、環境を確認しておきます。

実施に必要な機材、ツール(受講者側)

受講者側で必要となる機材、ツールは以下の3点です。

1)オンライン研修ツール(Zoomなど)をインストールした端末
オンライン研修ツールをインストールしたPCやタブレットなどの端末を、受講者各自で用意する必要があります。代表的なオンライン研修ツールは、次章で解説します。

2)Webカメラ
カメラがないと、受講者の顔が講師やほかの受講生に映らず、研修に対する意識も薄れてしまいます。Webカメラも必須として、研修中はカメラをオンにすることがお勧めです。受講者側のカメラはノートパソコンの内臓カメラ等で問題ありません。

3)マイク付きのイヤホン、もしくはヘッドセット
オンライン研修の講義を聞くためにはイヤホンが必要です。また、発表やディスカッション等で発信する機会もあるため、マイク付きのイヤホン、もしくはヘッドセットを用意するようにしましょう。

実施に必要な機材、ツール(講師・運営者側)

講師・運営者側は、上記で解説した機材・ツールに加えて、さらに以下のものが必要です。

1)ノイズキャンセラー機能を搭載したマイク
オンライン研修は、コミュニケーションにおいて音声が与える影響が対面よりも大きくなります。研修中に講師の音声にノイズが発生すると、講義が聞き取りにくくなり、研修体験が大きく損なわれます。講師はノイズキャンセラー機能を搭載したマイクやインカムを準備することをおすすめします。

2)外付けカメラと三脚などの固定ツール
オンライン研修で講師を映す時は、「講師の目線と水平位置にカメラを置くこと」がポイントです。ノートパソコンのカメラを上からのぞき込むようなアングルは、印象面でマイナスになるのでおすすめしません。カメラ位置が調整できるよう、外付けカメラと三脚などの固定ツールを準備すると良いでしょう。オンライン研修のパソコン操作に慣れている方であれば、ノートパソコン自体の高さを調整するだけでも大丈夫です。

3)リングライトなどの照明
受講者の端末にはカメラ越しの映像が届くため、明るさを十分確保することも重要です。自然光や部屋の照明だけの場合、明るさが不安定になったり明るさが不足したりします。事前にテストしてみたうえで、必要であれば均等に光が当たり映像全体の印象もアップする「リングライト」を利用すると良いでしょう。リングライトは多数の商品がリリースされていますが、被写体をきれいに照らす「女優ライト」と呼ばれる撮影専用のものを推奨します。

実施に必要な環境

オンライン研修はネットワークを介して実施します。したがって、インターネットに接続できる環境が必須です。Wi-Fi等の無線接続は、通信が不安定になりやすいので、講師・運営側は可能であれば有線での接続が望ましいでしょう。

また、受講者側には集中して受講できる環境が必要です。個室などの静かで研修に集中できる環境を確保してもらうようにしましょう。

 

代表的なオンライン研修ツール3選

前章で触れたように、オンライン研修の実施にはツールが必要になります。本章では、代表的なオンライン研修ツールを3つ紹介します。

Zoom

Zoomは、多くの企業で利用されているオンライン会議ツールであり、オンライン研修に非常に適しています。基本機能であれば、無料で利用できるため(利用時間などの制限があります)、試しに使って確認してみることをおすすめします。

Zoomの主なメリットや特徴を以下のようなものです。

  • オンライン研修内で、一時的に参加者をいくつかの小グループに分け、「ブレイクアウトルーム」でディスカッションすることもできる
  • パソコンにもよるが、画面に映せる受講者の人数が49人と多く、研修を実施しやすい
  • 他のツールと比べて、必要な帯域やデータ通信量が少なく、多くの人数でも安定して接続できる

上記のうち特にブレイクアウトルーム機能は使い勝手も非常に良いため、双方向型のオンライン研修を実施する際は非常におすすめです。
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

Google Meet

Google Meetは、Google社が提供するWeb会議ツールです。Google Meetの主なメリット・特徴は以下のとおりです。

  • Googleカレンダー、Gmail、Googleスプレッドシートなど、ほかのGoogleサービスと連携しやすい
  • プライバシーやデータ保護に最大限の配慮がされており、セキュリティの安全性が高い

上記のメリットがある一方、Google Meetならではの特筆すべき機能が特にない点はデメリットかも知れません。

また、Google MeetはZoomと違い、ブレイクアウトルーム機能を標準では備えていません。ただし、Google meetの法人プラン(いくつかの上位プランに限定)を契約すると同様の機能を利用できるようになります。
https://workspace.google.co.jp/intl/ja/products/meet/

Microsoft Teams

Microsoft Teamsは、マイクロソフト社が提供するWeb会議ツールです。Microsoft Teamsの大きな特徴は、同じMicrosoftが提供するOfficeなどのファイルとの連携です。

ほかにも、最大300人まで参加できる大規模なビデオ会議を開催できるのも特徴です(有料プランの場合。無料プランは最大100人まで)。このことからMicrosoft Teamsは、大勢で意見交換しながら1つの成果物を作り上げていくといった研修に向いているといえます。

なおMicrosoft Teamsにも、Zoomのブレイクアウトルームに相当する、グループディスカッション機能が備えられています。
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

LMS(学習管理システム)やe-ラーニング

前章では、代表的なオンライン会議ツールのZoom、Google Meet、Microsoft Teamsを研修ツールとして紹介しました。3つのツールはいずれも、リアルタイムで講義を配信して実施するタイプのオンライン研修ツールといえます。

オンライン研修に関連するツールとしては、他にも学習コンテンツやオンライン上での受講履歴、コミュニケーションなどを統合管理する「LMS(学習管理システム)」、また、動画やアプリを使って好きなタイミングで学習できる「eラーニング」などがあります。本章では、LMS(学習管理システム)とeラーニングについて代表的なサービスを1つずつ、簡単に紹介します。

UMU

UMUはユームテクノロジージャパン株式会社が提供する学習管理システム(LMS)です。特に、学習者のパフォーマンス向上にこだわって設計されており、クラスやコース管理、テキストや配布物、提出物、オンラインでの受講者同士、また講師とのコミュニケーション、Zoomと連携したリアルタイムでのオンライン研修実施など、「効果的なオンライン教育」を実現するのに必要な機能がギュッと詰まっています。

LMSのなかでもUMUの特徴は、AIによるコーチングや学習者同士のコミュニティといった、学習後のアウトプットや実践をサポートする機能を備えている点です。UMUはこれらの機能を通じて、学んで終わりとせず、学習内容の定着を図っています。
https://m.umu.co/

Schoo for Business

Schoo for Businessは、株式会社Schooが提供する法人向けのオンライン学習サービスです。Schooでは6,000本以上の研修動画を定額で利用できる点、100種類以上のパッケージから自社にぴったりのカリキュラムを作成できます。

多様なタイトルのコンテンツを好きなタイミングで利用できるというeラーニングサービスの典型的なイメージです。
https://schoo.jp/biz/

オンライン研修で失敗しないための運営のコツ

冒頭で触れたように、オンライン研修で期待どおりの研修効果を上げるためには、ポイントを押さえて、準備や運営を工夫することが大切です。本章ではオンライン研修で失敗しないための運営のコツをお伝えします。

1.研修実施前に、アナウンス等で事前フォローする

オンライン研修を実施する際、受講者の中にはオンライン研修に不慣れな人がいることもあります。不慣れなまま受講すると、研修に参加する際にトラブルが起こる、ツールの使い方がわからないなど、研修の内容理解よりも手前のところで支障をきたす可能性もあります。

受講生が研修に集中できるよう、研修の本番実施前にアナウンス等で事前フォローすることをおすすめします。事前フォローでは、ツールの基本的な使い方などをマニュアルで配布すると効果的です。

HRドクターでは、オンライン研修ツール「Zoom」のインストールや接続方法、パソコン/スマートフォンそれぞれの基本操作について解説した受講者向けの事前資料を無料でご覧いただけますのでご興味あればご覧ください。

2.研修の冒頭でアイスブレイクを兼ねた操作練習・体験の時間を設ける

オンライン研修の冒頭で15分程度時間を取り、アイスブレイクを兼ねて、ツールの操作や練習の機会を設けると効果的です。講義中の音声・映像のオンオフのルール、チャットやジェスチャーに慣れてもらうほか、ブレイクアウトルームなども一通り体験してもらうとよいでしょう。最初の段階でオンライン研修の雰囲気を掴んでもらうことで、研修本編もスムーズに進行できます。

下記でオンライン研修冒頭での操作説明とアイスブレイクの参考資料を公開していますので、ご興味あれば無料でダウンロードしてご覧ください。

3.講師と別のサポート担当者をつける

入念に準備をしても、研修本番では、機材や通信の不具合など、様々なトラブルが発生する可能性があります。本番中にトラブルが生じると、対応が終わるまで受講生を待たせたり、進行が押されたりするなど、研修の満足度にも大きく影響します。

とくにオンライン研修の場合、対面と違って講師が片手間で対応しにくいケースが多くなります。万が一の事態に備え、講師とは別にサポート担当者をつけることをおすすめします。サポート担当者がいれば、研修中のトラブルにも落ち着いて対処できるので、講師も受講者も安心して研修に集中できます。

4.顔出しでの参加を原則にする

オンライン研修では、顔を出さずに声だけでの参加もできます。しかし顔を出さないと、どうしても緊張感や集中力は落ちてしまいます。また、グループディスカッションでも、相手の顔が見えないとやりづらくなってしまいます。受講者の表情が見えないと、理解できているかどうかがわからず、講師も不安になります。

上記のように、顔を出さずにオンライン研修に参加すると、研修効果が落ちてしまいます。したがって、オンライン研修では、カメラオンで顔を出しての参加を原則とするのがおススメです。なお「部屋の様子が映ってしまうので、顔を出したくない」という場合も、大体のオンライン会議ツールにはバーチャル背景や背景を「ぼかす」機能がありますので大丈夫です。

5.大きめの文字サイズで講義資料を用意する

対面型研修の場合、大きなスクリーンに資料が投影されるため、資料の文字サイズを大きくしなくてもあまり支障は出ません。しかしオンライン研修の場合、端末の画面サイズによっては、資料が非常に見づらくなってしまいます。オンライン研修の講義資料は、対面型研修の時よりも大きな文字サイズで用意するようにしましょう。

対面であれば、投影仕資料のポイントは最低で20ポイントと言われますが、オンライン研修の場合には、28ポイントぐらいを確保するのがおススメです。

6.適度に休憩を入れたタイムスケジュールにする

オンライン研修で画面を見ていると、精神的にも肉体的にも疲れが出てしまいます。適度に休憩を入れたタイムスケジュールを組むようにしましょう。1時間の講義に対し10分の休憩が目安です。また、休憩の際は「できるだけパソコンの前から離れ、ストレッチをしましょう!」など、運営側から疲れを取るアナウンスすることをおすすめします。

7.双方向の要素を取り入れた研修内容にする

オンライン研修は、対面型研修に比べどうしても一方通行の講義になりがちです。研修効果を高めるためにも、講義にインタラクティブな要素を取り入れることが重要です。

インタラクティブな要素といっても難しいものではなく、

  • 受講者を指名して質問する
  • ジェスチャー等で反応してもらう
  • 意見やコメントを全員にチャットで投稿してもらう
  • ブレイクアウトルームで意見交換の機会を設ける

などがあります。10分~15分に1回程度は双方向の要素を入れることがお勧めです。

まとめ

記事では、オンライン研修で必要な機材やツール、主なオンライン研修ツールの紹介、およびオンライン研修の運営・実施のポイントを解説しました。お伝えしたように、オンライン研修で効果を上げるためには、コツを押さえたやり方で前準備や運営に取り組むことが大切です。

働き方改革や新型コロナウイルス禍を背景に、急速に導入の進んだオンライン研修。今後も、企業の人材育成の手法の1つとして、浸透していくことでしょう。本記事が、オンライン研修の導入、実施に少しでも役立てば幸いです。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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