コミュニケーションにおける言葉以外の要素はノンバーバルコミュニケーションに含まれますが、大きく以下の7つの要素に分けられます。
1.外見(姿勢・服装を含む)
2.身体の動き
3.相手との距離・接触
4.表情
5.視線
6.声・周辺言語
7.匂い
ここでは、ノンバーバルコミュニケーションの基本となる上記7つの要素を詳しく解説します。
1.外見
コミュニケーションにおいて、服装や表情などの外見も重要な要素です。服装は相手の印象を左右します。
まずTPOに応じた服装は、相手との信頼関係を築くための基本となります。最近はビジネスカジュアルが当たり前となり、リモートワークが普及した中でドレスコードも変わりつつあります。
一方で、たとえば、清潔感がない服装で商談をしたら信頼関係は作りにくいでしょうし、年配の方にお詫びの訪問をするときにはやはりTPOに応じたドレスコードの方がいいでしょう。
服装が相手に与える印象、どういった印象を相手に与えたいかを考えて服装を選ぶ、姿勢を作る、また、場合によっては相手と会う場所等を検討しましょう。
2.身体の動き
身体の動きは、会話や声、表情に加えて、ノンバーバルコミュニケーションの重要な要素です。
特にプレゼンテーションや誰かに何かを伝えるような場面においては、きちんと静止した立ち姿、逆に歩きながらしゃべる、また、腕の動きなどを上手く使うことで、自信や意思の強さ、情熱などを伝えることができます。
逆に、あたふたしたり挙動不審だったりすれば、どれだけ良いことを話していても自信がなく頼りないように見えてしまいます。
3.相手との距離・接触
相手との物理的な距離や接触も、ノンバーバルコミュニケーションの要素となります。物理的な距離を考えるうえでは、パーソナルスペースの概念を知っておくことが大切です。
パーソナルスペースとは、「個人的な空間」を意味し、他人が近づいても不快に思わない範囲を指します。パーソナルスペースは相手との心理的な距離感によって変わります。
例えば、恋人や家族、友人であればすぐ近くにいても何も思わないのに、見ず知らずの人が同じ距離にいたら警戒してしまうでしょう。逆に、親しいと思っていた友人が遠ざかるような素振りを見せたら、不安に思うのではないでしょうか。
自分と相手の関係、相手の性格などを考慮し、適切なパーソナルスペースを保つことが大切です。そして、逆に相手との物理的な距離をうまく詰めることで、相手との心理的な距離を近づけることも可能です。
相手との距離を通じたノンバーバルコミュニケーションのひとつとして接触、いわゆるボディタッチをするといったやり方もあります。具体的には、握手やハイタッチ、相手の背中や肩を叩いて励ます、力づけるといった方法です。
ただし、相手との距離・接触などは、相手と深い関係を築けていない状態で、相手が不快に感じるところ、つまりパーソナルスペースを侵し過ぎると、反発を生んでしまう可能性もあります。特に接触は、今の時代、ハラスメントにもなり得るので注意が必要です。
また、距離だけでなく位置関係もノンバーバルコミュニケーションのひとつです。たとえば、相手と正対する位置に座ると対立関係になりやすいと言われています。相手と有効的な関係性を作りたい場合は、もしくは90度の角度で座るといったこともひとつのテクニックです。
4.表情
身体によるジェスチャーなどと同様に、表情はノンバーバルコミュニケーションの要素です。とくに1対1で、オフラインの空間で会う場合には表情は相手にとても良く見える要素です。
たとえば、相手の話を聞くにしても、頷いたり相槌をうったりして共感を示しながら聞くのと、ずっと無表情のまま黙っているのとでは、相手が受ける印象は大きく変わるでしょう。同じように、真剣さや熱意を伝えたいのであれば、それに応じた表情があるでしょう。
表情は、外見と同じように自信や意思、共感や親愛などを伝えることができます。外見と違って会話の文脈に応じて変えられるからこそ、表情はよりコミュニケーションへの影響度が大きいといえるでしょう。
5.視線
視線もノンバーバルコミュニケーションの1つです。会話をする際には、相手の目を見て話すことが大切です。ただ、緊張して相手の目を見られない場合は、鼻のあたりを見るのが良いでしょう。
ただし、あまりジロジロみると相手に嫌がられることもあるため、考えるときや相槌を打つときは適度に目を逸らすことも大切です。
これは、相手の話を聞く時も同様です。例えば「何かをしながら聞く」「相手と目を合わせずに聞く」というのは「真剣に聞く気はない」というメッセージを送るノンバーバルコミュニケーションになり、失礼にあたります。社会人として、相手の話を聞くときはしっかり集中しましょう。
6.声(周辺言語)
話す速さ、声の強さ、トーン、沈黙、声色などの「声」に関する情報は、周辺言語(パラ言語)と呼ばれ、ノンバーバルコミュニケーションの重要な要素です。
声は、言語コミュニケーション(会話の内容)を届けるものですので、その影響力は非常に大切になります。表情と同じように、声の大きさやペース、トーンや間をうまく使うことが大切であり、伝える内容にあわせた声や表情を使うことが大切です。
なお、細かな表情が見えづらくなる1対多でのプレゼンテーションやスピーチ、また、オンラインでの対話、とくに資料などを画面共有している際は細かな表情(視覚情報)が非常に見えにくくなるため、声(聴覚情報)の重要度が高まります。
7.匂い
匂いも「相手に印象を与える」という意味では、ノンバーバルコミュニケーションの要素のひとつです。
匂いは、まずは服装における清潔感と同じで、体臭や口臭などをきちんとケアして、ネガティブな要素をなくすことが大切です。
日本の場合には、欧米ほど香水を付ける習慣はありませんが、軽いオーデコロンなどを使ってもいいでしょう。また、夏場は汗へのケアなどは必要です。