冒頭で触れたように、オンライン研修で期待どおりの研修効果を上げるためには、ポイントを押さえて、準備や運営を工夫することが大切です。本章ではオンライン研修で失敗しないための運営のコツをお伝えします。
1.資料を作成し、リハーサルを実施する
オンライン研修の資料を作成したら、リハーサルを実施して流れを確認しておくことが重要です。できれば最初から最後まで、オンライン研修の一連の流れを行うのが望ましいです。
受講者役も1名用意し、受講者側の立場で動作確認を行うことも大切です。オンライン研修のリハーサルでは以下のようなポイントに注意して実施するとよいでしょう。
- 配信機材の動作確認
- 利用システムなどの動作確認
- 研修スケジュール、時間配分は適切か
- 休憩時間
リハーサルは録画しておくことで、講師自身の身ぶり・手振り、声の大きさ、話し方のテンポなどを確認し、より分かりやすいように改善することが出来ます。特にオンライン研修の講師の経験が浅い場合には、こうしたリハーサルでの確認は重要といえます。
リハーサルを実施し、利用するシステムの動作確認や操作手順を一通り行い、不備がないかをチェックしておきましょう。そうすることで、当日は安心して研修に臨めるようになるでしょう。
2.研修実施前に、アナウンス等で事前フォローする
オンライン研修を実施する際、受講者の中にはオンライン研修に不慣れな人がいることもあります。不慣れなまま受講すると、研修に参加する際にトラブルが起こる、ツールの使い方がわからないなど、研修の内容理解よりも手前のところで支障をきたす可能性もあります。
受講生が研修に集中できるよう、研修の本番実施前にアナウンス等で事前フォローすることをおすすめします。事前フォローでは、ツールの基本的な使い方などをマニュアルで配布すると効果的です。
3.研修の冒頭でアイスブレイクを兼ねた操作練習・体験の時間を設ける
オンライン研修の冒頭で15分程度時間を取り、アイスブレイクを兼ねて、ツールの操作や練習の機会を設けると効果的です。講義中の音声・映像のオンオフのルール、チャットやジェスチャーに慣れてもらうほか、ブレイクアウトルームなども一通り体験してもらうとよいでしょう。
最初の段階でオンライン研修の雰囲気を掴んでもらうことで、研修本編もスムーズに進行できます。
4.講師と別のサポート担当者をつける
入念に準備をしても、研修本番では、機材や通信の不具合など、様々なトラブルが発生する可能性があります。本番中にトラブルが生じると、対応が終わるまで受講生を待たせたり、進行が押されたりするなど、研修の満足度にも大きく影響します。
とくにオンライン研修の場合、対面と違って講師が片手間で対応しにくいケースが多くなります。万が一の事態に備え、講師とは別にサポート担当者をつけることをおすすめします。サポート担当者がいれば、研修中のトラブルにも落ち着いて対処できるので、講師も受講者も安心して研修に集中できます。
5.顔出しでの参加を原則にする
オンライン研修では、顔を出さずに声だけでの参加もできます。しかし顔を出さないと、どうしても緊張感や集中力は落ちてしまいます。
また、グループディスカッションでも、相手の顔が見えないとやりづらくなってしまいます。受講者の表情が見えないと、理解できているかどうかがわからず、講師も不安になります。
上記のように、顔を出さずにオンライン研修に参加すると、研修効果が落ちてしまいます。したがって、オンライン研修では、カメラオンで顔を出しての参加を原則とするのがおススメです。
なお「部屋の様子が映ってしまうので、顔を出したくない」という場合も、大体のオンライン会議ツールにはバーチャル背景や背景を「ぼかす」機能がありますので大丈夫です。
6.大きめの文字サイズで講義資料を用意する
対面型研修の場合、大きなスクリーンに資料が投影されるため、資料の文字サイズを大きくしなくてもあまり支障は出ません。
しかしオンライン研修の場合、端末の画面サイズによっては、資料が非常に見づらくなってしまいます。オンライン研修の講義資料は、対面型研修の時よりも大きな文字サイズで用意するようにしましょう。
対面であれば、投影仕資料のポイントは最低で20ポイントと言われますが、オンライン研修の場合には、28ポイントぐらいを確保するのがおススメです。
7.適度に休憩を入れたタイムスケジュールにする
オンライン研修で画面を見ていると、精神的にも肉体的にも疲れが出てしまいます。適度に休憩を入れたタイムスケジュールを組むようにしましょう。1時間の講義に対し10分の休憩が目安です。また、休憩の際は「できるだけパソコンの前から離れ、ストレッチをしましょう!」など、運営側から疲れを取るアナウンスすることをおすすめします。
8.双方向の要素を取り入れた研修内容にする
オンライン研修は、対面型研修に比べどうしても一方通行の講義になりがちです。研修効果を高めるためにも、講義にインタラクティブな要素を取り入れることが重要です。
インタラクティブな要素といっても難しいものではなく、
- 受講者を指名して質問する
- ジェスチャー等で反応してもらう
- 意見やコメントを全員にチャットで投稿してもらう
- ブレイクアウトルームで意見交換の機会を設ける
などがあります。
10分~15分に1回程度は双方向の要素を入れることがお勧めです。
9.研修実施後の評価・振り返り
オンライン研修の実施後に、評価と振り返りを行なうことも重要です。研修後の評価・振り返るポイントは、以下の2点です。
ポイントの1点目は、次回以降の改善のために、受講者の反応や理解度を把握することです。研修直後のタイミングでアンケートや確認テストを実施するとよいでしょう。アンケートでは「音声が時々聞きとれなかった」「思ったよりも研修に集中できなかった」など、研修の質に関する声も多く寄せられます。受講者の生の声は、次回以降の研修内容を改善する重要なヒントですので、忘れずに集めるようにしましょう。
オンライン研修は、研修が終わった時点で学習者も接続を切ってしまうため、学習者の満足度や理解度などが把握しにくい傾向にあります。その意味でも、アンケートや確認テスト、生の声を聴くことなどが大切です。
また、ポイントの2点目は、研修効果を客観的に評価することです。研修直後のアンケートだけではなく、研修から少し間を開けて、「日常業務のなかで、学んだことが活用されているか?」「業務でどのような成果につながっているか?」「研修内で決めた課題を実践しているか?」等を現場の人にヒアリングするとよいでしょう。