社員研修とは、企業をはじめとする組織で実行される人材育成のプログラムを指します。社員研修を行うことで、社員に様々な影響を与えられ、企業に良い効果があります。
研修の効果を最大化するには、実施対象者の状態や身につけてほしい内容などに合った種類を選び、適切な流れでプログラム設計していくことが大切です。
本記事では、研修会社としての知見を踏まえて、実施方法・実施対象者・プログラム構成の視点から、研修の種類を紹介します。加えて、おすすめの研修会社を紹介するとともに、効果的な研修の選び方や社内研修を成功させるための進め方を解説しますので、研修を行う際の参考にしてください。
<目次>
研修とは?
研修とは、組織で実施される人材育成の取り組みで、成果を出すために必要な姿勢、知識・スキルなどを習得するためのプログラムの総称です。
研修の目的
研修の目的は、受講者の行動変容を実現して、成果変容(成果創出)につなげることです。
たとえば、現場に配属されたばかりの新入社員に何も教えず、「先輩を見て仕事を覚えろ」のスタンスでは、以下のような不安や状態から行動できないでしょう。
- どの技術や道具を使えば良いのかわからない……
- なぜいまの作業が必要なのかわからない……
- 方法Aと方法Bの違いがわからない……
- 何をすれば正解(成功)になるのかよくわからない…… など
新入社員を自社が求める人材に育て上げるには、日々の業務や自己成長に必要な技術・スキル・知識・価値観などを教える必要があります。適切な研修を通じて必要スキルなどが身につけば、主体的に課題に取り組めるようになるなど、個人と組織の生産性向上などの多くの効果も得られやすくなるでしょう。
社内研修と社外研修の違い
社内研修は、自社のメンバーが講師となり、企画~設計~実施までを行なう研修を指す言葉です。ただ、場合によっては自社の社員のみを対象として実施する形式を社内研修と呼ぶこともあります。
社内研修の講師には、人事部門や組織開発部のほかに、業務に精通したベテラン社員やスペシャリストのメンバー、経営陣などが登壇することもあります。
一方で社外研修は、外部の企業に研修を委託して実施する形態です。社外研修には、以下の2種類があります。
- 講師派遣(インハウス):
⇒外部から研修会社の講師などを招いて、自社のメンバーのみを対象に実施するもの
- 公開研修:
⇒研修会社や団体などが開催する公開セミナーに自社のメンバーを派遣するもの
研修の主な種類
まずは研修の実施方法という視点で、研修の主な種類を紹介します。
Off-JT
Off-JT とは、Off The Job Trainingの略称で、以下のように現場や職場を離れて学ぶ研修の総称になります。
- 新入社員のビジネスマナー研修
- 新任管理職研修
- ハラスメント防止研修
- キャリアプラン研修 など
人材育成の流れとしては、Off-JTで学んだ知識・スキルを、OJTで繰り返し体験して身につける、そして、振り返りを通じてブラッシュアップしていく形が標準的です。
OJT
OJTとは、On the Job Training(職場内研修)のことです。具体的には、日々の業務のなかで、実践を通じて必要なスキルや知識を教えるスタイルです。1対1や少人数で、実践スタイルで教えていくやり方です。
OJTは、育成対象者の経験や特性に合わせた実施が可能であり、職場内で実施しますので教育コストもかかりません。
ただし、実務を通じて教える分、体系的な知識が身に付きにくい、教え方によっては応用が利かなくなる、OJT担当者の力量で成長スピードに差が付くといった留意点もあります。したがって、Off-JTと組み合わせて実施することが一般的です。
eラーニング
パソコン・タブレット・スマートフォンなどを使い、動画やアプリを通じて学習するスタイルです。Off-JTの一種ともいえますが、時間や場所に縛られず、本人のペースで学習可能なところが大きな特徴になります。
eラーニングは実施費用を押さえやすい、同じ品質・内容の研修を時間や場所を超えて提供できる、オンライン上での受講管理が可能といったメリットがあります。eラーニングの効果を高めるには、学習管理システム(LMS)を利用することが一般的です。
OJD
OJDは、最近、HR分野で使われ始めた人材開発のスタイルです。人事配置や異動などを含めた実務のなかで、人材育成していく考え方になります。先述のOJTと類似していますが、OJTよりも中長期的な視点で実施します。
OJDは、たとえば、新人時代はプログラマー、3年目からはシステムエンジニアとして5つのプロジェクトに参加……のような流れで、職種や部署、担当プロジェクトなどを変えながら、将来のプロジェクトマネージャーを育て上げるイメージになります。
OJDは一般的な“研修”とはいえないものですが、人材育成やキャリア開発を考えるうえでは大切な要素となるため、紹介しておきます。
研修の対象者は?
研修の対象者はどのような人でしょうか。階層別、職種別に対象者は考えられます。
階層別
社員研修の対象者は階層別に考えることができます。社員の階層としては以下のようなものがあります。
- 新入社員
- 若手社員
- 課長
- 部長 など
それぞれの階層ごとに必要なマインドや知識、スキルは異なってきます。各階層ごとに研修を行うことで、それぞれの階層において期待される役割を果たせる人材を育成します。
これから役割が大きく変わる場合、該当ステージでスムーズに活躍するためのオンボーディングのひとつとして、研修で姿勢や考え方、基本スキルを教えることが大切になってきます。
オンボーディング的な意味合いを持つ研修で最もわかりやすいのが、学生から社会人へと変わるタイミングで実施される新入社員(新卒)研修、そして、プレイヤーから管理職へと変わるタイミングで実施される新任管理職研修です。
職種別
社員研修の対象者は職種別にも考えることができます。階層と同じように以下のような職種ごとで、必要なスキル・知識があります。
- 営業
- エンジニア
- カスタマーサポート
- 人事・労務
- 経理・財務
- 総務
- 広報 など
こういった職種別の研修では、該当の職種で成果をあげるために必要な専門性を研修で身につけるものとなります。
初期にどの程度の知識が必要になるか、Off-JTが適切か、OJTが適切か、また少し実務を経験してから研修したほうが有効か……などは職種によって変わってくるでしょう。
たとえば、エンジニアなどの場合、未経験者をOJTで教えられる状態にするためには、システムの基本的な仕組みや用語、考え方、また、プログラミング技術の習得などが必要です。そのため、エンジニア未経験者の採用後は、1~3ヵ月程度のOff-JTが実施されることが多くなります。一方で、営業などの場合には、比較的短い研修のあとで、OJTと実務を通じて学んでいくような流れが多いでしょう。
研修のプログラム形式
社員研修には様々なプログラム形式があります。こういった形式のなかから、自社に合ったプログラムの形式を選定する必要があります。
また、Off-JTなどでは、1つのプログラムだけでなく複数のプログラムを組み合わせることで学習効果を高めるように設計されることが一般的です。こういった場合には、複数のプログラムを組み合わせるのがよいでしょう。
座学
座学は、研修プログラムの最も一般的な形式です。名前のとおり、受講メンバーが座った状態で講師の話を聞く形式です。座学は、研修における基本的なものであり、様々なプログラムと組み合わせることが多いです。
座学の利点は、短時間で、多くの知識を伝えられることです。ただし、座学は知識のインプットだけになってしまうため、受動的になってしまい、実践を伴わないと学習定着率が高まりにくいという特徴があります。
最近では、座学的な研修は、同じ場所に集合して実施する形から、オンラインやeラーニングに代替されることが増えています。
個人ワーク
個人ワークとは、講師から与えられたテーマに対して、各メンバーが一人で取り組む学習形態です。
個人ワークは、個人の目標設定や自己体験の振り返り、自己分析などでよく用いられます。また、後述するケーススタディーなどを個人ワークで行なう場合も多いでしょう。
個人ワークを行うことで、自身の現状を把握することができますし、内省を行うことで自身の弱みや強み、課題などを理解することができます。様々なプログラムにおいて、初めに行う自己分析や講義中の理解度確認などに利用するのがよいでしょう。
グループワーク
グループワークは、与えられたお題(テーマ)に対して、数人のグループで議論・検討・意思決定・発表するものです。自由討論型、課題解決型、チーム対抗のディベート型、ケーススタディー型、ゲーム型と、さまざまな種類のグループワークがあります。
グループワークでは複数人で会話することになるので、参加者の主体性を引き出しやすいことが特徴です。コミュニケーションを通じて思考を深めたり、協調性を養ったりできるというメリットもあります。
グループワークは、何かの知識をインプットするものではありません。そのため、たとえば、事前に座学をしたうえでその知識やスキルを身に付ける実践の場として行うのがよいでしょう。また、グループワークの進行やプロセスを踏まえて何らかの振り返りや学びをするような構成にするのもよいです。
ロールプレイング
ロールプレイングは、「役割(role)」と「演じる(play)」を組み合わせた言葉です。ロールプレイングは、実際の場面を想定し、各シーンでの役割などを疑似体験することで、実際に体験してみないと習得できないスキルを身につけることができます。アウトプットの力を鍛えることができ、実践力や応用力なども高めることができます。
名刺の渡し方や電話応対のやり方など、新人のビジネスマナー研修でも実施されますし、營業や接客、コールセンターのオペレーターなど、コミュニケーションをともなう職種の研修でも実施されます。特に営業職や販売職などの育成がうまい企業では、研修でロールプレイングが日常的に実施されていることが多いです。
ケーススタディー
ケーススタディーは、いわゆる事例学習です。実際に起きた、もしくは、起きそうな事例をテーマとして、思考やディスカッションするような形式です。
ケーススタディーは、ロールプレイングと同様に、実践的な思考力や問題解決力、対応方法などを学べるものです。たとえば医療や看護、また、経営幹部を育成するMBAの講座など、ロールプレイができない、また現実で練習・失敗できないような仕事の研修でよく行なわれます。社員研修でケーススタディを繰り返すことで、実際に業務内で起こる事態に対処をすることができるようになります。
また、ミッション・ビジョン・バリューの浸透など、抽象的な考え方や判断基準を具体的に使えるものとして浸透させる場合などにも、様々なケーススタディーを見せることで理解を深めることができます。
体験学習
体験学習とは、名前のとおり“体験”を通じて学びを得るプログラムの総称です。体験内容には、身体を動かすようなアクティビティーからグループワークをするものまで幅広い種類があります。
体験学習は、以下のラーニングピラミッドが示すとおり、座学などよりも学習定着率が上がりやすい特徴があります。
たとえば、ビジネスゲームなどのように屋内で行うものから、キャンプや運動やゲームなどのように屋外で行うものなどもあります。共同で行うことで相互理解が深まりますし、座学だけでは得られないチームワークや深いコミュニケーションを学ぶことができます。
数ヵ月の研修期間で新規サービスを立案・提案するようなグループワークも、体験学習ともいえるでしょう。また、体験学習は、アクティブラーニングの一種であり、ロールプレイング的な要素を含むこともあります。
ワークショップ
ワークショップとは、目的別のプログラムや与えられた課題に取り組み、実体験することで、学びを得る学習方法です。
ワークショップは、「座学として講師の授業を聞くスタイルではなく、参加者が自ら考えたり作業したりすることで学んでいく」という意味合いで使われることが多いです。そのため、ワークショップの具体的な進行は、グループワークやケーススタディーなどと重なる部分が多々あります。
ただ、ワークショップは必ずしもグループワークのように複数人で課題に取り組むわけではありませんし、ケーススタディーのように事例を扱うこともあります。
研修会社の選び方
研修会社はそれぞれ様々な研修を提供しており、各社で特徴が異なります。研修会社を選ぶ際には、どのような会社を選べばよいのでしょうか。ここでは、研修会社を選ぶときのポイントを紹介します。
講師の質をチェック
研修会社を選ぶときには、講師の質をチェックしましょう。
研修において、講師の果たす役割は非常に大きいものです。講師の伝え方によって受講者の成長が決まります。講師に充分なスキルや知識、経験などがないと、せっかく研修を受けても成果が出ないということになってしまいます。
講師が経験豊富か、どのような実績があるかなどを確認しましょう。研修会社のWebサイトを見て、講師が紹介されているか、経歴などが掲載されているかを確認するとよいでしょう。
プログラムをチェック
研修プログラムの内容もチェックが必要です。
研修のプログラムによっても受講者の成長が変わってきます。プログラムが成果の出ないものであったり、自社の課題にあっていないものだと、時間と費用をかけても自社の利益につながらない可能性があります。
研修のプログラムは、科学的に研究されたノウハウやフレームワークなど、より実績のあるものを用いた研修が信頼性が高いといえます。もちろん、プログラム内容が自社の抱える課題に合っているか、求める成長を実現してくれるかも確認することは必須です。
アフターフォローをチェック
研修後のアフターフォローがどう設計されているかも確認しましょう。
どんな研修でも1度受けただけで現場の業務で成果に反映するのは難しいです。だからこそ、アフターフォローが重要になってきます。
研修のプログラムが、研修で学んだことを実践して振り返るというサイクルを生み出す内容になっているか、研修の内容を実践できているかをチェックしてくれるアフターフォローがあるかなどを確認しましょう。
カスタマイズの可否をチェック
研修のプログラムを自社に合わせてカスタマイズできるかも確認しましょう。
企業の業界や業種、仕事の進め方は千差万別です。たとえば、同じ「営業」といっても、ルート営業か新規営業か、無形か有形か、個人向けが中小企業向けか大手企業向けか、さらに価格帯はどれぐらいかなどによって、営業の進め方は全く異なります。
公開研修の場合にはプログラムはカスタマイズできませんが、個別に講師を招いて研修する場合には、自社の実情や参加者に合わせて、プログラムや事例等をカスタマイズしてもらえるかが効果性が変わります。
おすすめの研修会社13選
ここからは、研修会社13社を紹介します。社員研修を外部に依頼しようと考えている方は参考にしてください。
1.ジェイック
ジェイックは、HRドクターの運営企業であり、1991年の創業より企業に対して教育研修やセミナー、人材採用などのサービスを提供しています。
ジェイックの社員研修では、階層別・テーマ別に様々な研修を用意しており、企業の課題をピンポイントで解決できます。研修では、「7つの習慣®」研修や「原田メソッド®」研修、「ストレングス・ファインダー®」研修、「デール・カーネギー」研修など、世界的に実績のあるプログラムを中心としたヒューマンスキル研修を得意としています。
研修はオーダーメイドで企画提案。じっくりとヒアリングをして、企業にあった研修プランを作成してくれます。研修の前後も重視しており、研修の前後に企業に対してフォローを行うとともに、参加者にも学んだことが身につき現場で実践できているかをフォローツールでサポート。研修の成果を高めています。
ジェイックの講師はすべて経験豊富なベテラン講師です。社内インストラクター資格を実施しており、それに合格した人だけが登壇しています。年齢も経歴も様々な講師が揃っているので、自社に合った講師が見つかります。
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2.リクルートマネジメントソリューションズ
リクルートマネジメントソリューションズは、リクルートグループの研修会社であり、人材育成や組織開発を提供しています。専門の研究・開発部門を持ち、組織行動学や産業組織心理学などの情報を蓄積し、研修に活かしています。
研修の特徴としては、受講者の気づきを引き出し、実践につなげるというプログラム構成になっていること。ケーススタディやグループワークなどで受講者同士での気づきを促します。
3.インソース
インソースは講師の派遣や人材紹介、研修事業を行っている会社です。
コミュニケーションやチームビルディング、部下育成など様々な研修プログラムを用意しており、ニーズに合わせて研修を選ぶことができます。社内にはコンテンツ開発の専門部門があり、DX推進やリモートコミュニケーションの研修、最新の行動経済学を取り入れた研修などを開発しています。
研修だけでなく、組織の課題に取り組むプランや研修体系構築などのコンサルティングも行っています。
4.SMBCコンサルティング
SMBCコンサルティングは、SMBCグループのネットワークとノウハウをもとに、社員研修やセミナー事業を行っている会社であり、30年以上に渡って企業の社員教育をサポートしてきた実績があります。
階層別研修やテーマごとの研修など、豊富な研修コンテンツを用意。独自の厳しい基準を設けており、質の高い研修を提供しています。課題やニーズに合わせてオーダーメイドで研修プログラムを作成してもらえるのも特徴です。
5.三菱UFJリサーチ&コンサルティング
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシンクタンク・コンサルティングファームであり、経営戦略、組織・人事戦略の提供、DX推進などを幅広く行っている企業です。講師を派遣しての人材育成・研修サービスも行っています。
MUFGだからこその豊富なソリューションがあり、それらを組み合わせて最適な研修を提供してくれます。
講師は経験豊富なコンサルタントが担当。オーダーメイドで社員研修を作成してもらえますし、企業の経営ビジョンや戦略実現に向けて、体系構築などの人材育成の仕組み作りも提供しています。
6.りそな総合研究所
りそな総合研究所は、りそなグループのコンサルティングファームとして、経営・財務などのコンサルティング、マネジメントスクール、人材育成のための研修などを行っています。
階層別の研修やスキルアップ研修、業務別の研修など、様々な研修を提供しており、事業内容や経営方針、人材育成方針などをヒアリングし、最適な研修プログラムを作成してくれます。
経験豊富な講師が、ケーススタディやロールプレイングを取り入れながら、実践的な研修を行ってくれます。
7.グロービス
グロービスは企業の人材育成・組織開発のサポート、経営大学院の運営、学習コンテンツの提供、スタートアップ企業の支援などを行っている会社です。
グロービスの社員研修の特徴は、スキルとマインドの両面に対してのプログラム設計になっていることです。ディスカッションやグループワーク中心でスキルや情報を定着させられます。自社にあったプログラムをオーダーメイドで設計してもらえます。
また、専任の担当者がプロジェクトを最初から一貫してサポート。目的からずれないように進捗確認をしてもらえ、成果を最大化することができます。講師も経営学を体系的に理解しており、学びの場作りができるビジネスリーダーが担当します。
8.ラーニングエージェンシー
ラーニングエージェンシーは、2019年にデロイトトーマツグループから独立した人材育成・組織開発のコンサルティング会社です。
階層別、テーマ別に300以上の多彩な研修を用意。定額制のサブスクリプション型の研修もあるので、社員の成長度合いや業務内容ごとに研修を選択することができます。
各階層ごとに必要なスキルや知識が異なるので、社員1人ひとりに合わせた育成計画を作成してくれます。
9.リンクアンドモチベーション
リンクアンドモチベーションは、20年以上組織開発や個人の開発、人材紹介などを行ってきた企業です。
心理学や行動経済学などを基盤とした独自の組織変革技術「モチベーションエンジニアリング」を使用して、再現性・実効性のある組織変革を行っています。企業の問題をあぶり出し、独自のコンサルティングで明確に診断を行い、的確に問題を解決するプランを提示してくれます。
10.アル―
アル―は、人と組織の成長を実現する育成のプロフェッショナルです。日本に3拠点、シンガポール、中国、インドをはじめ、アジア各国を中心に拠点をかまえています。
階層別の研修や、マネジメントやリーダーシップなどのテーマ別の研修を用意。オーダーメイドで研修プログラムを作成してもらえますし、研修教材のカスタマイズやeラーニングシステムとの併用など、企業のニーズに合わせて柔軟に対応してもらえます。
育成の成果にこだわりeラーニング学習管理プラットフォーム「etudes」や、評価ツールの「ALPath」などを用いて、学習成果を定着させるとともに、成果を分析することが特徴です。
11.ジョブサポート
株式会社ジョブサポートが提供している『新人SE・PG向けエンジニア研修(Java2ヶ月・3ヶ月コース)』は、配属先で求められる「技術力」「ビジネススキル」を最大3ヶ月で新人を育成することが可能です。講義中心で「知る、分かる」ステップを研修ゴールにせず、コードを書く頻度、自分で考える時間を増やし「できる」ステップをゴールとして目指します。
https://job-support.ne.jp/new-face-Java-course2021
12.WEBMARKS
WEBMARKSは、SEO対策のインハウス化の研修を提供している会社です。8週間でSEO担当者の社内育成をサポートし、SEOスキルを内製化して、SEOを駆使して自力で質の良い集客ができる企業となるように支援しています。研修だけでなく、SEOをメインとしたWEB集客のコンサルティングや、SEOと広告が学べるスクールも運営しています。
https://webmarks.co.jp/school/
13.ガイアシステム
ガイアシステムは、企業研修・管理職研修・新入社員研修に強みを持つ研修会社です。オーダーメイド研修に対応しており、企業の理念や社風、営業スタイル、受講者のタイプなどを踏まえ、ニーズに応じたカリキュラムを設計しています。研修形式も、講師派遣型やオンライン研修、e-ラーニングと幅広く対応でき、リピート率も93.2%と高い信頼を獲得しています。
研修の準備からアフターフォローまで、専門の講師がサポート対応しているため、自社の課題解決のために、オーダーメイドのカリキュラムで効果の高い研修を実施したい場合におすすめです。
https://www.gaiasystem.co.jp/human/
社内研修を成功させるための進め方
研修を効果的なものにするには、各ステップのなかで以下のようなポイントを押さえて設計をしていくとよいでしょう。
ステップ①課題を分析する
研修を実施するときには、研修実施を通じて解決したい課題があるはずです。課題は、ネガティブな内容であったり、何らかの状態や理想を実現するためのギャップだったりするでしょう。
まずは、大枠として何が課題か(解決したいこと、現状と実現したい状態のギャップ)を明確にしましょう。課題によっては、研修ではない方法、たとえば、ツール導入や外部委託、制度修正などで解決したほうが良いこともあるでしょう。
ステップ②既存の研修体系と照らし合わせる
「課題解決の方法として研修がよさそう」ということであれば、既存の研修体系と照らし合わせておきましょう。照らし合わせに、多くの時間をかける必要はありません。ただ、既存の研修と照らし合わせずに、場当たり的な研修にならないようには注意が必要です。
照らし合わせてみると、既存の研修体系と重複している場合なども出てきます。重複する場合、既存の研修体系で教えた内容と矛盾しないようにしておくことが大切です。
また、実施する研修でよい効果が見いだせた場合に、「重複する既存研修をやめるのか?」などの選択肢も、多少は検討しておいた方がよいでしょう。
他にも、一度きりの単発なのか、良かったら継続するのか……なども、ある程度は事前に検討しておきたいところです。
研修体系における課題解決の位置づけを考えておかないと、気が付くと「たくさん研修しているが、似たような研修が多い」といった状態になり、参加者が“研修疲れ”を起こしてしまう、研修の参加意欲が下がるといったことも生じがちです。
ステップ③研修の目的・ゴールを設定する
研修の実施が決まったら、「いまの研修が終わったとき、どのような状態になっていれば成功か?」「職場に戻ったあとに何を実施してもらうのがゴールか?」など、研修のゴールを設定します。
研修のゴールは、派遣者ともすり合わせることも大切です。社内研修の場合、参加者の上長や決裁者とのすり合わせも大切です。ゴール設定が、上長や決裁者が望むものでない場合、研修参加への協力、また研修後のフォロー協力が得にくくなります。
ステップ④対象と研修方法を決める
設定した目的・ゴールを達成するために、「参加者を誰にすべきか?」また、「どういう方法で実施するのが良いか?」を具体的に考えます。
研修を実施する側としては、効率などの観点からなるべく大勢の参加者に参加してもらいたくなりがちです。しかし、参加者が増えると、参加者のレベルや知識、意識がばらけることで、研修内容が一般的、汎用的なものになりがちです。
また、参加者が増えれば、実施できる研修方法にも制限が出てきます。したがって、そもそもの課題、また、研修の目的とゴールを踏まえて、研修の投資対効果を最大化するためにどういう対象と方法がいいかを検討・決定することが大切です。
ステップ⑤アフターフォローを設計する
研修の目的は、受講者の行動変容、成果変容を促すことです。行動変容・成果変容を生み出すために、非常に重要なのがアフターフォローです。
教えた知識やスキルをきちんと身に付けてもらい、身についた段階から成果につなげていくには、研修で得たことを実務のなかで実践していく必要があります。具体的には、以下のような問いを考えることが、アフターフォローの設計で必要です。
- どのように実践してもらうか?
- どのように実践率を高めていくか?
- どのように実践結果を振り返って学ぶか? など
ステップ⑥研修プログラムを準備する
研修プログラムの設計は、アフターフォローの設計と並行・前後して行なうことになります。プログラム設計をする場合、「何を教えるか?」を羅列して考えてしまいがちですが、大切なことはゴールから逆算することです。
また、プログラム設計では、内容を詰め込みすぎないことも大切です。あまりに多くの内容を詰め込み過ぎると、一方的なレクチャーになったり、グループワークなどの時間を十分に取れなかったりして、学習定着率が下がってしまいがちです。
研修の目的や位置づけにはよりますが、「10教えて1しか実行されない研修」よりも、「3教えて3実行される研修」を目指すとよいでしょう。
ステップ⑦研修を告知する
研修効果を高めるには、参加者に前向きな姿勢や意欲を持ってもらうことも不可欠です。以下のような仕掛けがあると、研修内容に興味を持ってもらいやすくなるでしょう。
- 研修の実施意図や得られる効果を伝える
- 事前学習ができる動画・資料を提供する
- 受講者の悩みが解決できる効果をチラ見せする
- 憧れの先輩社員(受講者)のリアルな感想を掲載する
- 社長・上司などから、期待のメッセージを伝えてもらう など
ステップ⑧研修を実施する
ここまで準備をしたら、いよいよ研修を実施します。研修実施には、以下のような点に注意が必要です。
- 研修効果を高めるための“場”を作る
- 参加者の集中力を維持する
- 研修内容と実務とブリッジングする
- 実践に向けたタスク設定をしてもらう など
社内研修の場合には、講師を担当する人は、研修実施を専門としているわけではないため、特に注意したほうがよいでしょう。
社内研修を行ったあとには、効果測定を行うことも大切です。満足度を測るためにアンケートを実施する、知識やスキルの理解度を確かめるために簡単なテストを用意するなどが定番です。また、研修実施後には忘れるのを防止するとともに知識を定着させるために、フォローアップをすることが重要です。
まとめ
研修の目的は、受講者の行動変容を実現し、成果変容につなげることです。設計から実施までの各ステップでポイントを押さえておかないと、社内研修の効果を得ることはできないかもしれません。
なお、研修を社内実施する場合、講師のスキルが大切です。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、社内講師養成の公開セミナーを主催しています。セミナーは、社内研修に登壇する講師が必要な「心構え」「知識」「スキル」を身に付け、実際に講義ができるようになるところまでを1日で完了させるカリキュラムです。
研修を本業とするトップ講師が、プログラム設計のポイントからイレギュラー対応の仕方までを解説します。
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