なぜ新人の教育は難しいのか?
毎年、新人が現場に配属されて数か月、夏から秋ごろに多くの上司やOJT担当者が、「新人教育は難しい」と悩んでいます。なぜ新人を受け入れた上司やOJT担当者は「新人教育が難しい」と感じるのでしょうか。新人教育のポイントを解説する前に難しさの理由を確認しておきます。
「今の新人は理解できない」という先入観
新人や若手社員をひとまとめにした呼び名として、古くは「新人類」、最近では「ゆとり世代」「さとり世代」といった言い方があります。後述する通り、確かに世代ごとに生まれ育った環境による特徴や傾向があります。
一方で、こうした新人や若手をひとまとめにネーミングする裏側には、「新人や若手社員は自分たちとは違う存在だ」という、少し年齢が離れた世代の無意識の先入観(思い込み)があります。
ある意味では「苦手意識」だったり、「自分たちと違う存在であり理解できない」という諦めにも近いものかもしれません。
「苦手」「理解できない」という無意識の先入観があり、新人と心理的な距離を置こうとしている状態では、新入教育は難しく感じやすいでしょう。自分の中に、そういった苦手意識や避ける意識がないか、確認することも大切です。
新人の特徴や傾向が変わっていく
HRドクターを運営する研修会社ジェイックは、毎年多くの企業で新人研修を開催しています。毎年のように一千人規模の新人と接していると、特徴や傾向が変化していることを感じます。
もちろん、個人差が大きな部分ではありますが、同時に、価値観が作られる時期、多感な時期、「仕事」を真剣に捉える時期に、どんな遊び方やIT環境、コミュニケーションツールを使ってきて、社会で何があったかは、価値観やコミュニケーションの傾向として現れます。
ジェイックでは、研修の進行の仕方や参加する新人への接し方も毎年少しずつチューニングしながら研修を実施しています。受け入れ企業や上司に求められることも同様です。新人教育について、過去のやり方をそのまま踏襲してしまうと、教え方やコミュニケーションがずれてしまう可能性があります。
受け入れる新人が生まれ育った時代環境と世代の特徴を踏まえて、全体的なやり方を修正する。そのうえで、受け入れた新人一人ひとりの特徴や価値観を理解したうえで対応することが大切ですが、これも新人教育を難しく感じさせる一因と言えるでしょう。
教えることはそもそも難しい
最後に身も蓋もない表現になってしまいますが、相手が新人であれ誰であれ、教えることは難しいものです。相手の知識や経験、理解力等に合わせて準備をする必要がありますし、価値観にも合わせてチューニングする必要もあります。
「ひとつの作業に関してやり方を教える」だけであれば難易度は低いですが、新人教育は教える範囲も広く、さらに「仕事への姿勢」「考え方」といった抽象的な要素も教える必要があります。したがって、もともと新人教育というのは、「教える」という行為の中でも、相当に難易度が高いものです。
教育経験が長い方は、「教える難しさ」や「個人差」も踏まえて、思うように育たなかったり、伝わらなかったりしても余裕を持って受け止められます。
しかし、新人教育の難しさに感覚がない人ほど、「一生懸命教えているのになぜ伝わらないのだろう」「思うように育たない…」といったことに、苛立ちや焦りと共に「難しさ」を感じやすいのです。






