社会人一年目の新入社員に身に付けさせたい4つの重要分野を解説!

更新:2024/01/11

作成:2022/07/12

東宮 美樹

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

社会人1年目の新入社員に身に付けさせたい4つの重要分野

社会人一年目となる新入社員を迎えた際、新卒採用をはじめたばかりの企業や久しぶりに新卒採用した企業では、「新入社員に何をどう教えればいいか?」と戸惑うことがあるかもしれません。

 

また、採用自体は継続的に実施している企業でも、「新入社員研修をやって、現場に配属する」というフローを何となくの惰性で実施してしまっていることもあるかと思います。

 

記事では、社会人一年目の新入社員に身に付けさせたい4つの重要分野について、概要や指導のポイントを紹介します。自社の新入社員育成を組み立てる、あるいは見直す視点として参考にしてください。

<目次>

1.仕事への正しいスタンスや考え方の構築

新入社員は、少し前まで学生、つまり「お金を払ってサービスを受けていた」側です。もちろんアルバイトなどの経験はあるかもしれませんが、やはり正社員とは期待事項や求められる役割が異なります。

 

新入社員が社会人の自覚がまだ薄い状態の場合には、いきなり実務を教えてもなかなか身に付きません。こうした新入社員の実情から考えると、研修や人材育成の効果性を高めるには、まずは自社において望ましい仕事への考え方・姿勢を習得させ、学生から社会人へとマインドを変えてもらう必要があります。

 

新入社員に身に付けて欲しい内容は企業によって異なりますが、基本的には、以下のような内容をしっかりと教えることが大切です。

  • 給与をもらってプロとしての働く心構え
  • 新入社員に求められる姿勢と行動
  • 仕事への責任感
  • メンバーやお客様への貢献
  • 成果を上げて成長するための考え方
  • 物事を自分事にすることの重要性
  • 時間の価値とタイムマネジメントの基礎 など

2.仕事の基礎スキル習得

仕事の基礎スキルとは、社会人として仕事をするうえで、身に付けることが当たり前と期待されるスキルです。特定の企業や職種に限ったスキルではなく、ほとんどの会社で共通するスキルを指します。

 

基礎スキルは、職種や就業環境によって異なる部分はありますが、大枠としては、以下のような内容になるでしょう。

 

ビジネスマナー

ビジネスマナーは、メンバー・お客様・取引先などと関わる際の第一印象につながるものです。お客様や取引先などとの信頼関係の入口に立つうえでも、とても重要になります。正社員は新入社員といえども会社を代表する“顔”です。ビジネスマナーの質が企業のイメージを左右する部分は確実にあります。

 

ビジネスマナーの教育では、Off‐JT研修を通じて以下の内容を学習させるのが一般的です。

  • 服装、身だしなみ
  • 挨拶
  • 名刺交換や来客対応
  • 敬語
  • 社会人の立ちふるまい など

ビジネスマナー教育のポイントは、「心」を理解したうえで、基本の「型」を身に付けることです。

 

たとえば、「なぜ挨拶が必要なのか?」「なぜ身だしなみに気を付ける必要があるのか?」の理由や背景にある心を知ることで、納得感をもって所作などを身に付けることができます。また、背景を知ることで、応用できるようになります。

 

最近では、服装もカジュアル化していたり、オンライン化にともなって従来のビジネスマナーが変化していたりもします。しかし、ビジネス現場では、新入社員からすると自分の親よりも上の世代と仕事したり、自分たちとは感覚が異なる異業界人と「企業の代表」としてコミュニケーションを取ったりすることもあります。

 

ベースとなるビジネスマナーの「型」をしっかりと知ったうえで、自分たちの日常に合わせてアレンジする、崩せるようにすることが大切です。

 

ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーションとは、仕事をするうえで必要なコミュニケーションの総称です。ビジネスマナーと一部重複するところもありますので、ビジネスマナー研修内でビジネスコミュニケーションを教えることもあるでしょう。

 

ここでのビジネスコミュニケーションは、以下のようにさまざまなシーンで使われるコミュニケーションの総称です。

  • 上司やメンバーへの報連相(報告・連絡・相談)
  • ビジネスメール
  • 電話応対
  • 営業活動
  • クレーム対応
  • 会議 など

社会人1年目で特に身に付けたほうがいいのは、敬語、適切な言葉遣い、話の聴き方、報連相です。4つは少しずつ重複するところがありますが、上記のようなビジネスコミュニケーションをしていくうえで不可欠な知識です。

 

口頭・メール・ビジネスチャットなどにおける社内・顧客とのコミュニケーション、また、成果をあげてトラブルを防ぐための報連相、この2つは、新入社員が仕事していくうえでとりわけ大切なものです。

 

特に報連相は、勝手な判断によるミスや解決できない課題の放置などを防ぎ、新入社員の成長を促すうえでも重要なビジネスコミュニケーションになります。

 

ビジネスコミュニケーションはOff‐JTの研修だけで身に付くものではありません。Off-JTでしっかりと知識をインプットしたうえで、日常の中でしっかりと身に付けていきましょう。

 

その他、社内ルールやシステムの使い方、ITリテラシー、コンプライアンス

現場に配属される前に、基礎スキルとして「○○社の社員として知っておくべきこと」も教える必要があります。

 

たとえば、勤怠や日報、経費処理などの社内ルールや関連するシステムの使い方は働くために必須のスキルです。グループウェアや業務にまつわるCRMや顧客データベースなども含まれるでしょう。

 

ITリテラシーに関しても、レベルの確認と必要があれば教育が必要です。最近の新入社員はデジタルネイティブといわれる一方で、スマートフォンとタブレット中心で育っており、パソコンスキルは意外と高くない場合もあります。

 

なお、業界や職種に応じたコンプライアンス教育も大切です。個人情報や顧客情報の取り扱い、また、仕事に関連する各種法規などは押さえておく必要があります。また、SNSとの付き合い方や、上場企業であればインサイダー情報の概念、社内情報の取り扱いなども、教育プログラムに盛り込んだほうがよいでしょう。

3.基礎的な業務スキルの習得

Off-JTの後半から現場配属後のOJTでは、それぞれの業務に必要な知識・スキルを習得します。前章の「仕事の基礎スキルの習得」が職種などを問わないものだとすれば、業務スキルは職種ごとに必要な知識です。

 

たとえば、営業であれば商材知識やセールスステップ、また、現場配属の前に実施されるテレマーケティングやインサイドセールスなどの実習、企業紹介や商品紹介・ヒアリングのロールプレイングなどが該当します。

 

IT系などであればプログラミング研修、商社や製造業などであれば商品知識を身に付けるための物流拠点や製造拠点における実習などが想定されるでしょう。

 

Off‐JTで基礎的な知識や実習をしたうえで、OJTで業務スキルを習得していき、実践できる状態になることを目指します。

 

OJTでは、指導者の先輩・上司が一方的に説明しただけではスキルは身に付きません。以下の4段階職業指導法で習熟度を上げていくことが基本となります。

<4段階職業指導法>
  • ①やってみせる(Show)
  • ②やってみせたことを説明する(Tell)
  • ③実際にやらせてみる(Do)
  • ④やったことを確認し、追加で指導する(Check)

4.組織に馴染む(組織社会化)

組織社会化に必要な項目は意外と見落とされがちですが重要です。新入社員がいくら仕事を覚えても、組織に馴染めなければ能力は発揮できません。

 

「馴染む」には心理的な側面もありますし、組織に関する知識を身に付けることも必要です。一部はこれまでの基礎スキルや業務スキルと重複する点もありますが、組織社会化には以下のような項目を押さえることが非常に重要です。

 

ミッションやビジョン、沿革・価値観の理解

組織の一員として仕事するには、以下のような企業の根っことなる価値観を知り、共感・共鳴している状態になることが必要です。

  • 「何のために存在するか?」
  • 「どういう世界を生み出したいか?」
  • 「何を大切にする集団か?」 など

価値観や沿革が理解できると、チームの課題やメンバーと意見の相違などが生じたときにも、より良い選択をしやすくなります。リモートワーク下では、各自が異なる場所で作業をするからこそ、ミッション・ビジョン・価値観などを共有し、同じベクトルで仕事していけるようにする必要があります。

 

組織独自の用語やルール、暗黙知の理解

チームで仕事するには、各メンバーがコミュニケーションを図りながら共創・協働し、組織や企業としての目標達成を目指す必要があります。

 

組織には、組織固有の用語やルール、暗黙知があります。組織で仕事して能力を発揮するには、これらの用語やルール、暗黙知に対する理解を深める教育機会や仕組みづくりが必要です。

 

ルールや用語は実務をしていかないと完全には覚えられない部分もありますが、ある程度の基礎的な知識をOff‐JT(人事部主導の研修など)でインプットさせることで、OJTでの学習効率が高まります。

 

組織構成の把握と人間関係の構築

新入社員が組織に馴染むには、自分が配属されたところがどういった組織で、どのようなメンバーがいるかを把握したうえで、気軽に報連相などができる人間関係を築けるようにすることが大切です。

 

また、仕事は一部門で完結するわけではなく、他部門と連携して顧客に価値を届けていくことになるでしょう。そのため、どのような部門がどう連携して動いているのかという全体像を知ることは、自分が組織の一員である自覚を持ち、仕事をうまく進めるうえでも大切です。

 

詳細までを知る必要はありませんが、会社全体の組織編制、役割分担、関わり方などは押さえておく必要があるでしょう。

 

新入社員が組織を知り、人間関係を構築するためには、以下のように、実務以外でコミュニケーションをする場の提供もポイントです。

  • 既存メンバーへのインタビュー
  • 新人歓迎会
  • オンライン飲み会 など

新入社員の育成計画を作成しよう

成長のイメージ

 

新人教育の効果性を高めるうえでは、目標(ゴール)を設定して、目標から逆算して育成カリキュラムの計画を作成することも大切です。

 

特に新人研修は、ここまで紹介してきたように教えるべき内容がかなり多岐にわたります。そのため、コンテンツを積み上げて設計していくようなイメージになりがちです。

 

新人研修では「知っている」ではなく「している」状態までしっかりと身に付けさせたいスキルを絞り込んで、「そのスキルがどういう状態に身に付いていればいいか?」を言語化する、そして、研修だけではなく朝礼やミーティングなども使ってどのように指導していくかを設計しましょう。

 

まとめ

新入社員

 

新入社員に力を発揮してもらうには、社会人1年目のうちに以下4つの重要分野の教育・フォローを行なう必要があります。

  • 仕事への正しいスタンスや考え方の構築
  • 仕事の基礎スキルの習得
  • 業務スキルの習得
  • 組織に馴染む(組織社会化)

かなり幅広い分野の項目をインプットすることになりますので、特にしっかりと身に付けさせたい項目に関しては、具体的なゴールを決めたうえで、ゴールを実現する育成計画を立てることが必要です。

 

業務スキルの指導や組織社会化は自社でしかできない取り組みですが、社会人マインドや仕事の基礎スキル獲得などは、社外のサービスを利用して効率的に進めることもおすすめです。

 

HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、目的に応じた以下2つの新入社員研修を提供しています。興味のある方は、ぜひ以下のページをチェックしてみてください。

 

著者情報

東宮 美樹

株式会社ジェイック 執行役員

東宮 美樹

筑波大学第一学群社会学類を卒業後、ハウス食品株式会社に入社。営業職として勤務した後、HR企業に転職。約3,000人の求職者のカウンセリングを体験。2006年にジェイック入社「研修講師」としてのキャリアをスタート。コーチング研修や「7つの習慣®」研修をはじめ、新人・若手研修から管理職のトレーニングまで幅広い研修に登壇。2014年には前例のない「リピート率100%」を達成。2015年に社員教育事業の事業責任者に就任。

著書、登壇セミナー

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