新人が仕事でぶつかる5つの壁!乗り越える指導のポイントを紹介

更新:2022/07/11

作成:2022/07/11

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

新人が仕事でぶつかる5つの壁!乗り越える指導のポイントも紹介

 新人を定着させ早期戦力化につなげるには、新人が仕事でぶつかる壁を理解しておき、壁を乗り越えさせる指導が大切です。

 しかし、いま入社してくるのは、指導する上司や先輩社員とは異なる価値観を持つZ世代が中心です。異なる世代の新人を定着・成長させるには、上司や先輩の価値観・常識を押し付けるのではなく、新人の価値観を受容する姿勢も求められます。

 記事では、いまどきの新人が仕事で壁にぶつかる原因・理由を紹介しながら、解決策や指導ポイントを紹介します。

<目次>

1.周囲に馴染めない

 新人が自身の能力を発揮するには、業務スキルを覚えるとともに、組織に馴染むことが大切です。組織に馴染むことを、専門用語では「組織社会化」と呼びます。

 周囲に馴染めているからこそ、「頑張って仕事を覚えて貢献したい」などの意欲やモチベーションが新人に生まれます。また、社内用語や暗黙のルールを理解しているからこそスムーズに報連相できる、必要な決済を取れるなど、能力を活用できます。

 新人が周囲に馴染めなければ、周囲と円滑なコミュニケーションが図れなくなってしまいます。仕事にも支障をきたしますし、孤立しているような気持ちとなり、早期離職につながることもあるでしょう。

原因

 新人が周囲に馴染めない問題は、新人本人だけでなく、以下のような組織や人間関係の課題から生じることが多いです。

  • 新人の受け入れ準備ができていない
  • 新人の入社が周知されていない
  • 新人のサポート体制がない
  • 新人と先輩社員の年代が離れすぎている
  • 部署と新人の期待値に大きな開きがある
  • 組織の文化や価値観を学ぶ仕組みがない

 など

対策、指導のポイント

 新人が組織に馴染むことと早期戦力化の両方をサポートする仕組みに、オンボーディングというものがあります。

 オンボーディングは、組織に馴染んだり、後述する仕事を覚えたりすることも含めて、下記5つの壁を乗り越えることを支援する受け入れプログラムです。

<新入社員がぶつかる5つの壁とオンボーディングによる対策>

  • 準備の壁⇒新人の受け入れ準備、プロフィールの事前告知など
  • 人間関係の壁⇒歓迎会、ブラザーシスター制度、ウェルカムランチなど
  • 期待値の壁⇒育成計画の作成、ゴール像のすり合わせ、定期面談など
  • 学びの壁⇒企業文化・価値観・共通言語を学ぶ仕組みの提供など
  • アウトプットの壁⇒OJTでのミニゴール設定、自己効力感を高める振り返りなど

 
 「新入社員研修やガイダンスはやっているけど、受け入れに不安がある」という企業ではぜひ検討してみてください。オンボーディングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

2.仕事が覚えられない

 新人が仕事を覚えるスピードが遅ければ、先輩などOJT指導者の工数が余計に取られます。スムーズに戦力化していかない状況も困りますし、フォローなどに工数を取られる先輩や上司も徐々に苛立ちが募り、新入社員とのコミュニケーションに悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

原因

 新入社員が仕事をなかなか覚えられない状況は、もちろん新入社員側のやる気や能力に課題がある場合もありますが、教える側に問題があるケースもあります。たとえば、以下のような状況です。

  • 目的や概要、価値を伝えずにいきなりやってみせる
  • 業務が標準化されておらず、人によって言うことが違う
  • マニュアル等がなく、一人で振り返ったり自習したりすることができない
  • 相手の理解度を確認しないまま、一方的に説明している
  • 意味の共有もしないまま、専門用語を使っている
  • 新入社員に成功イメージを湧かせないままやらせる
  • フィードバックが多すぎる、単なるダメ出しになっている

解決策、指導のポイント

 指導のポイントは、教える側の都合(教えやすさ)ではなく、新人のわかりやすさを重視することです。非常に当たり前の話ですが、上記で紹介した教える側に問題のあるケースの逆をやることが大切です。

 たとえば、優秀な新人でも、仕事の目的や全体像がわからなければ、教えられた仕事に興味を持って自分事にすることができません。そのため、新人に仕事を教えるときには、最初に目的・全体像を伝えたうえで、基本的なやり方をやってみせることが大切です。

 また、仕事を身に付けるには、実践と振り返りが欠かせません。あとで振り返りができるように、マニュアルとして手順を言語化しておくとよいでしょう。マニュアル作成は、業務を標準化し、手順のポイントや注意点を整理することにも役立ちます。そして、やり方を教えたら、内容を忘れないうちに実践させることが大切です。

 仕事をスムーズに覚えてもらうための4段階職業指導法について、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

3.報連相ができない

パソコンの画面を見て悩むビジネスマンウーマン
 
 報連相(報告・連絡・相談)ができないことも、いまどき新人がぶつかりがちな仕事の壁です。

 報連相は、チームメンバーが協力しながら成果を生み出すうえで大切ものです。特に新人の場合は、上司や先輩の力を借りて成果をあげるために、報連相が不可欠です。報連相ができない新人は、自分勝手な判断でミスをしたりわからないことを放置したり、仕事を抱え込んだりしてしまいます。

 報連相を通して上司や先輩からのサポートがもらえなければ、上司や先輩の知恵やノウハウを知る機会も減り、成長にも支障が出るでしょう。

原因

 報連相ができない新人には、「こんなことを相談したら怒られるのではないか?」などの不安や遠慮があります。また、「上司や先輩は忙しそうだし、自分の仕事なんかで邪魔をしたら申し訳ない……」と変に遠慮してしまっている場合もあります。

 上司や先輩が本当に怒っており新人や若手が気軽に報連相ができない組織であるような場合は、そもそも上司や先輩のマネジメント改善が必要ですが、大半の場合は、“新人がそう思い込んでしまっている”だけです。

 ただ、新人の立場からすると、上記のような不安が生じることは当たり前ですし、特に最近の新人は“見られ方”や“他人の評価”を気にする傾向が強く、ネガティブに思われるかもしれない行動に二の足を踏みがちです。

解決策、指導のポイント

 報連相をしない問題の解消ポイントは、3つです。

 まず、報連相の目的や意義を伝えて、チームで仕事をするうえで報連相が必要だという自覚をしっかりと持たせることです。心理的な躊躇いを消すことは難しいのですが、それを上回る意味付け、重要性をしっかりと伝えましょう。

 同時に、心理的な躊躇いを少しでも減らして、報連相をスムーズにするためには、以下のように報連相の時間やタイミングを決めてしまうことも効果的です。

  • 自分で3分考えて答えが出なかったら
  • 昼の休憩に入る前、夕方終了する前の2回
  • 日誌に報連相の項目を設ける など

 「報連相は適時やってくれないと困る!」というのも最もですが、上司や先輩へのコミュニケーションと報連相に慣れて、心理ハードルがなくなれば、適切なタイミングでの報連相も自然と実現していきます。まずは仕組みで報連相に慣れさせる、習慣化させることが大切です。

 最後に、新人や若手から上司への報連相をスムーズにするためには、心理的安全性の高い組織であることも大切です。新人に限らず報連相に課題を感じる、会議やミーティングが盛り上がらないなどの課題を感じるようであれば、組織に心理的安全性があるかどうかチェックすることもおすすめです。

4.ミスを恐れて主体的に動けない

 ミスを恐れて主体的に動けない壁は、最近の新人に多い問題です。Z世代は日本経済が飽和し、また少子化が進んだなかで育ち、プチ万能感がある一方で脆さを持つ傾向が強いともいわれています。

 また、SNSなどで“炎上”や“アンチ”を目にしながら育ってきたなかで、良くも悪くも目立ちたくない、失敗して叩かれたくないという恐怖感が強いともいえます。

 失敗やミスに対して健全な恐怖を持つことは大切ですが、ミスを恐れすぎて主体的に動けないと、与えられたタスクだけをこなす指示待ち新人になってしまいます。

 確かに、新人の初期は仕事や指示を与えられることが中心ですが、新人から中堅社員、リーダーとステップアップするなかでは、目の前の課題解決や目標達成に主体的に取り組めない社員は成長できませんし、成果もあげられないでしょう。

 したがって、主体性やミスを恐れない姿勢を、新人のうちに育てる必要があります。

原因

 この壁も報連相と同じく、本人と組織環境の両方に原因が考えられます。

 本人の原因としては、前述のとおり、「ミスしたら評価が下がるのではないか?」という不安です。この心理自体は自然なものだといえるでしょう。

 また、組織側の課題としては、当たり前のことですが、失敗を責める風土があれば、「主体性を発揮して失敗するよりも、言われたことだけを無難にこなすのが良い選択」ということになります。

 経営陣や上司が「主体性を発揮しろ」「挑戦しろ」という一方で、メンバーが挑戦したり自分で判断して失敗したりしたときには強く責めて責任を追及する、そんなことをしていないか振り返ってみる必要があるでしょう。

解決策、指導のポイント

 まず大切なのは、組織の問題を解消することです。職場の心理的安全性を高め、挑戦による失敗を歓迎し受け入れる風土をつくりましょう。

 心理的安全性が低い組織では、新人の主体性やチャレンジ精神は育まれません。心理的安全性の高い組織であるうえで、上司が新人に興味を持ち、相互理解を高め、信頼関係を構築することも大切になります。

 また、新人側の心理ハードルを解除するうえでは実際に失敗させることも大切です。上司やOJT指導者が見守ってリスクはコントロールしながら、どんどん失敗させましょう。

 初期に自分で考えて失敗する経験を積ませるなかで「自分で考えて判断する」「失敗しても大丈夫」「精一杯やっての失敗であれば上司や先輩に見捨てられることはない」といった考え方を身に付けさせることが大切です。

5.成長実感が得られない

 最後に「成長実感が得られない」という問題は、新人本人が悩んでいても、組織のなかで表面化しづらいものです。

 しかし、成長実感が得られない状態が長く続けば、自分の仕事に自信が持てず、「現状のままでいいのだろうか?」などの不安からモチベーションが下がり、早期離職につながることもあります。

原因

 新人が成長実感を得られない問題には、以下の原因が考えられます。

  • 達成感や成功体験が得られにくい仕事である
  • 目標達成していない
  • 次の目標、次の課題に追われている

解決策、指導のポイント

 新人に適切な成長実感を獲得してもらうためには大きく3つのポイントがあります。

 まずは、成功体験、目標達成する仕組みをつくることです。仕事によっては、育成期間が長く新人が業績目標などを達成することは難しい、そもそも一人で業績目標などを立てるタイプの仕事ではない、といった場合もあります。

 こうした際にも有効なのが、

  • 1)ミニゴールを設ける
  • 2)スキル面などの成長目標を設ける

 ことです。

 スキル面での成長目標を設けるうえでは、スキルマップを作成して運用することも成長実感の獲得に役立つでしょう。

 次に大切なのは、上司や先輩のフィードバックです。新人に限らず、ビジネスパーソンというのは常に自分のいるステージで、次の目標・次の課題にぶつかるものです。新人、若手、中堅、管理職、経営幹部……とステージは上がっても常に壁にぶつかっています。

 そのなかでも新人は、次の目標、次の課題に目が向きがちで、後ろを振り返って成長箇所に目を向ける余裕がない傾向にあります。だからこそ、上司や先輩が第三者の立場から、「ここが成長したね」「3ヵ月前と比べるとこうだね」と成長箇所をフィードバックしてあげることが大切です。

 最後に、振り返りの機会や仕組みを持つことも大切です。新入社員であれば、たとえば「配属後○ヵ月研修」や「入社1年後研修」といった振り返りの機会を持つことが大切です。

まとめ

外を眺める若手ビジネスマン
 
 記事では、多くの新人が仕事でぶつかる以下5つの壁とそれぞれの原因、組織や上司・先輩ができる解決策・指導ポイントを紹介しました。

  • 周囲に馴染めない
  • 仕事が覚えられない
  • 報連相ができない
  • ミスを恐れて主体的に動けない
  • 成長実感が得られない

 これらの壁は、新人の成長を妨げるものです。新人が仕事を覚えられず、そして組織に馴染めなければ、居心地の悪さから早期離職につながることもあります。だからこそ、上記の壁を生じないようにする、スムーズに乗り越えられるようにすることが大切です。

 また、新人が仕事の壁にぶつからないようにするためには、新人側への初期教育、特に社会人としての正しいスタンスをきちんと教えるマインドセット教育が大切です。HRドクターを運営する研修会社ジェイックでは、2つの新入社員研修を提供しています。興味のある方は、以下から資料をぜひダウンロードください。

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著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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