スリーパー効果
お世話になっております。
HRドクターを運営する株式会社ジェイックにて
取締役 教育事業部長を務めます
東宮美樹と申します。
今回は「スリーパー効果」について
お話できればと思います。
スリーパー効果とは
アメリカの心理学者である
カール・ホブランドによって
提唱された心理現象です。
こちらに関して
少し怖い実験結果があります。
第二次世界大戦中に
アメリカが自国の兵隊に対して
ある映画を見せました。
それが、
「敵国の残虐性とアメリカの正当性」を
前面に押し出した内容の映画でした。
その映画を見させられたアメリカ軍の兵士たちは
あまりの宣伝色の強さと、根拠の強引さに
逆に、懐疑的になったそうです。
普通に考えれば、その反応は自然でしょう。
身近な例で考えれば
いくら中身が良い商品を提案されても
その提案をしてくる営業マンが
あまりに営業色が強いと
逆に買いたくなくなる。
そのような心理です。
ですが、この「スリーパー効果」が
恐ろしいのはここからです。
実は、その検証から9週間ほど経つと
兵士たちに、ある変化が生まれました。
それが、映画を見なかった兵士よりも
実際に映画を見た兵士たちは
戦争に対して支持的になり
自分の与えられた任務に対して
積極的に遂行するようになったというのです。
これが「スリーパー効果」なのです。
つまり、始めは
その根拠の薄さや、宣伝色の強さなどによって
客観的に見れていた物事も
時間が経つことによって、その背景は忘れ去られ
「敵国の残虐性とアメリカの正当性」
というメッセージだけが、頭の中に残る
ということが起きるのだそうです。
私は、これは非常に怖い心理現象だと
感じました。
教育をしていく立場だからこそ
その教育の内容・質には
プロとしての責任とプライドを持って
磨き続けていかなければならないと
改めて身を引き締められました。
そして一方で、本当に大切なメッセージは
時間がかかってでも、伝え続けていく必要があると
感じることができました。
今週はここまでとさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。