
SMARTの法則を構成する5つの要素、概要やNG例、具体的な書き方を確認していきましょう。
Specific(具体的である)
設定する目標は、誰が読んでも誤解なく理解できるほど、具体的でなければなりません。例えば、「売上アップ」「品質改善」などは、非常に曖昧な表現となるためNGです。
一方で、「売上目標1,000万円達成」「商品Aのユーザー満足度を3.0から4.0に上げる」のように、商品名や数字の入った具体的な表現は、Specificに合った目標になります。
Measurable(計測できる)
目標は、達成の有無や進捗が第三者にも判断できる形で表現しましょう。例えば、「売上をたくさん増やす」「ミスを少なくする」といった表現の場合、「たくさん」や「少なく」のとらえ方は人によって異なります。
こうした表現で目標を設定してしまうと、達成進捗を把握できない、評価できない、改善策が打ちづらいといった問題が起こります。
例えば、上司から「設定した目標達成まで進んでいるの?」と聞かれた場合、「売上をたくさん増やす」という目標では、本人も自分の進捗の把握や報告ができないでしょう。
一方で、「1,500万円の売上を達成する」「ミスの発生件数を20%削減して6件/四半期に抑える」などの定量的な表現にすれば、精度の高い計画作成、上司への報告、評価への反映などがしやすくなります。
Achievable(達成できる)
設定する目標は、現実的に達成可能なものであることも大切です。達成可能にすることとは、難易度を下げて簡単な目標を設定することではなく、努力や工夫によって達成が見込める目標にする、現実的にチャレンジできるレベルで設定することを意味します。
逆にいえば、端から「今の目標は達成できない……」と諦めてしまうような目標、外部環境や運に大きく依存する目標は不適切だということです。
なお、適切な難易度は人事評価に連携させるか、チャレンジングでワクワクする目標を設定したいか、などの目標設定の意図に応じて変わってきます。
Relevant(上位目標と関連する)
組織における個人やチーム目標は、企業や組織の目標達成、ビジョンや目的の実現に貢献するものでなければいけません。基本的な図式は、以下のイメージです。
組織の理念・ビジョン > 組織の目標 > 部門の目標 > 個人の目標
このように全体がつながっていてこそ、個人が目標達成すれば部門が達成する、部門が目標達成すれば組織が達成する、といった形で、個々の目標達成が大きな達成につながるのです。
したがって、目標設定する際には上位目標からブレイクダウンして目標を決めていくことが大切です。ゆえに、組織の理念・ビジョン、計画が曖昧だと、個人は目標を適切に設定できなくなるでしょう。ただし、現実的には、全社の目標・計画と事業部の目標・計画を並行しながら立案して、統合する過程ですり合わせていくようなこともあります。
なお、個人においても、設定した目標が自分のキャリア、ビジョン、価値観などの上位概念がつながっていることが、内発的動機の源泉になりますので、Relevantの概念は大切です。
Time‐bound(期限が定められている)
目標は、いつまでに達成するかという期限が明確でなければいけません。したがって、「2022年3月までに~」「第3期の終わりまでに~」など、明確な期限を設ける必要があります。組織における目標管理制度(MBO)では、四半期や半期で設定することが一般的です。
短期的な目標のほうが、具体的な計画に落とし込みやすい傾向があります。しかし、短期間でできることは限られるため、チャレンジングな目標やワクワクする目標を掲げづらくなる側面もあるでしょう。したがって、目標の性質に応じて、適切な期間を組み合わせていくのがおススメです。