世代ごとの特徴は、あくまで一般論であり、当然、個人による違いがあります。したがって、「○○世代は○○である」とひとまとめにすることは暴論です。ただし、本章まで述べてきたとおり、生まれ育った環境による世代の傾向や常識があることも事実です。
以降で各世代の特徴を紹介しますが、紹介する特徴は「自分と違う世代を理解する入り口」の一つとしてとらえていただければ幸いです。
バブル世代
日本経済が好景気(バブル)だった時代に、社会人になった世代のことです。バブル世代は、1965年~1970年頃に生まれており、2023年時点の年齢は50代の半ばになります。
バブル世代が就職した当時は、終身雇用や年功序列が当たり前の時代でした。また、当時は、右肩上がりの成長が続くと思われていた時代になります。
上記の理由でバブル世代は、昭和の愛社精神を持った最後の世代であり、組織へのエンゲージメントなども高い特徴があります。また、終身雇用が当たり前であったため、“転職”に対して少しネガティブな感覚も残っていたりする人も多いでしょう。
一般論として、バブル世代は、コミュニケーション力が高く、世渡り上手な人が多い傾向があります。ただ、戦後を経験した少し上の世代からは、忍耐力の低さや甘えが指摘されることも多いでしょう。
氷河期世代
氷河期世代とは、バブル経済が崩壊し、日本全体が社会的に就職難になった就職氷河期(1993年~2005年頃)に就職活動をしていた世代のことです。1970年~1982年頃に生まれているため、2023年時点の年齢は40~50歳ぐらいになります。
氷河期世代の特徴は、不安定で辛い時代を経験しているため、真面目で堅実、タフといった傾向があります。ただ、「就職がなかなか決まらない」などの経験を繰り返しているため、人によっては、自信を失っていることもあります。氷河期世代は、ポジティブなバブル世代とはある意味で真逆ともいえるでしょう。
ゆとり世代
教育指導要綱の改訂によって、2002年~2011年にかけて義務教育(ゆとり教育)を受けた世代のことです。ゆとり世代は、1987年4月2日生まれから2004年4月1日生まれの世代であり、2023年時点では19歳~36歳ぐらいになります。
ゆとり教育では、多種多様な経験を通じて人間性を豊かにする“ゆとり”が大切にされていました。ゆとり尊重の結果、“学力低下”と“私立一貫校への進学”といった教育の二極化が生まれることになります。
ゆとり世代には、失敗を恐れる指示待ち・私生活優先の人が多い一方で、良い“ゆとり”によって、野球の大谷翔平やフィギュアスケートの羽生結弦などの成功者も生まれています。
ゆとり世代は、そもそも対象世代がかなり幅広いため、ひとくくりにすることは少し無理があります。ただ、上の世代と異なる教育を受けてきたことによるジェネレーションギャップは多少あると考えてよいでしょう。
さとり世代
さとり世代は、1987年頃~2004年に生まれており、時代的には先述のゆとり世代と完全に被っています。なお、ゆとり世代を“ゆとり前期”、さとり世代を“ゆとり後期”を指して使い分けることも多くあります。
さとり世代の大きな特徴は、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災などの自然災害や、バブル崩壊後の不安定かつ厳しい経済状況を経験するなかで、金銭的な裕福さよりも穏やかで安定した生活を求めるようになっている点です。
また、右肩上がりの経済成長を知らない、また、リーマンショックなどで大企業が倒産したりリストラしたりするのを見てきた世代でもあり、本章まで紹介した上の世代と比べると、企業やキャリアなどに対して一種の“冷めた目線”を持っている傾向があります。
Z世代
Z世代は、1990年代~2012年頃に生まれた世代です。最近入社してきた新人や若手が、Z世代にあたります。Z世代における最大の特徴は、インターネットやスマートフォンなどと慣れ親しんだ“ソーシャルネイティブ”である点です。
Z世代には、物質的には満ち足りた時代に育ってきた人も多いです。そのため、社会問題への関心や多様性・インクルージョンへの意識が高い特徴があります。
また、さとり世代と同様に現実主義者であり、働き方改革後の世代でもあるため、夢より生活の安定を重視する傾向が高かったり、組織への帰属意識が高まりづらかったりもします。