ラーニングピラミッドを構成する7つの階層について、それぞれの詳細を説明していきます。
講義
1人の講師が多人数の参加者に向かって一方的に講義を行うやり方です。一般的な学校教育や企業の集合教育などの中には、講義に該当するやり方も多いでしょう。
受動的に講義を聞くだけでは、学習定着度は非常に低くなり、よほど興味のある内容でない限り講義内容のほとんどを忘れてしまうことになります(NTLの実験では5%、以下学習定着率の数値はNTLの実験数値)。
講義形式は新たな知識を体系的に教えるうえで必要な手法になりますので、学習定着率を少し上げも上げるには、ノートを取る、復習する、ワークを入れるなど、講義の内容を反復する方法を取り入れることが必要です。
最近では、たとえば、90分講義だけといった形式の研修は、一部のセミナー等を除いては姿を消しつつあります。
読書
書籍などを通じて知識を学ぶ学習方法のことです。企業内研修では、会社から指定された書籍、もしくは社員が自分で選んだ書籍を読むことが読書に該当します。
ただ聞くだけの講義より、「自分の意志で文字を読む」という能動的な要素が入っているため学習定着度は多少上がりますが、それでも10%程度とされています。
読書の場合も、レポートのアウトプット、学んだ内容を会議などで手短に発表する、読書した上での研修実施など、何らかのアウトプット、アクティブラーニング形式の学習と組み合わせることが大切です。
視聴覚
eラーニングのように、音声や動きのある動画で学習する方法のことです。活字だけの読書と比較すると、動画・音声は情報量が多く、記憶にも残りやすくなるため、20%程度の知識の定着が期待できるとされています。
デモンストレーション
実験や実技を見て学ぶ方法です。企業においては、スキルを持った人が実際に行っている姿を見せて覚えさせたり、工場見学に行ってやり方を学んだりすることがこの階層に該当します。
書籍を読んだり映像を見たりするだけの学習よりも、実際に目、耳、鼻などで体感することで学習定着率はより高くなり、学習定着率は30%とされています。また、デモンストレーションは、デモンストレーションの中や前後で質問する/質問を投げかけるなどの能動的な要素を組み込みやすい特徴もあります。
グループ討論
ワークショップなどのように、設定された議題に基づいて複数の受講者が議論しながら学びを深めていく方法です。グループ討論は、まずテーマについて理解する、自分の頭で考える、他者の意見に耳を傾ける、自分の意見を言葉にする、コメントやフィードバックをもらうといった体験や能動的な要素が多く含まれるため、見るだけ・聞くだけの学習より定着率が高まります。学習定着度は50%といわれます。
また、他者の発言から新たな知識が得られるという利点と共に、他者と意見交換していきますので、「サボるわけにはいかない」「適当な発言をするわけにいかない」という心理的効果が働き、前向きに取り組みやすくなります。
最近では、講義や事前課題としての読書や視聴覚とグループワークを組み合わせて、研修内でグループワークやディスカッションが実施されることは一般的になっています。
一般にグループ討論から下層の3つ、グループ討論、自ら体験する、他人に教えるという3つの学習方法を、アクティブラーニングと呼びます。
自ら体験する
自ら体験して学ぶ方法で、社員研修で良く使われるOJTやロールプレイング、現場に出向いて自分で調査・研究を行うフィールドワークなどが「自ら体験する」の階層に該当します。実際に体験することで集中力が高まるだけでなく印象にも残りやすいため、定着率も75%と高くなります。
MBAなどでよく実施されるケーススタディーや、社員研修における経営シミュレーションなども、疑似的に「体験する」ための学習法といえるでしょう。
他人に教える
ピラミッドの一番下、つまり定着率が最も高い学習方法が「他人に教える」ことです。OJTでの指導役がそうですし、自分が参加した外部研修の内容を、次は自らが講師として社内で教えるといったことも「他人に教える」です。
自分が学んだ知識や経験を他者に伝えることは振り返りにもなりますし、他人に教えるうえで「曖昧な点を調べ直す→理解が深まる」というサイクルが生まれるため、何度も復習するような形となり、自分の理解をより深めることができます。
「他人に教える」は、こうした振り返りや調べ直し、情報の整理、わかりやすい表現を追求することなどで、90%という高い学習定着率につながります。