
新人研修の内容を組立てて、実施して、振り返りを行なうまでのポイントとなる点を、流れに沿って解説します。
1.受講者のレベルや課題の把握
まず、受講者の状態や現状のスキルレベルを把握しておくことが大切です。新卒者は、“社会人経験がない”という意味では横並びですが、思考や意識のレベルは決して均一ではありません。思考力や主体性、入社時の意識に応じて、研修内容やワークの進行等を調整する必要があります。
また、受講者のレベルと同時に、自社の現状を把握しておくことも大切です。新人研修のゴールを考える上で、目安のひとつは「スムーズな現場配属(スムーズなOJTへの移管)」です。
現在、現場配属/OJTにおける新人への評価が高い点、低い点、生じている課題等をヒアリングしておくと、適切なゴール設定と効果的なプログラム設計につながります。
2.研修の目的・ゴールの具体化と明確化
出発点を把握できたら、研修の目的・ゴールを設定します。
新人研修は教える内容が多く、ある程度内容も決まっているため、「何をどう教えるか」からプログラム設計を始めてしまいがちです。しかし、教える内容先行の設計方法だとプログラムの軸がぶれ、求める成果を得られなくなる場合もあります。
研修のゴールとして、「受講者が最終的にどうなってほしいか」を明確に定めましょう。新人研修であれば、「1年後の姿」と「部門配属時の姿」という2つの時点で、どのような意識が浸透し、どのような行動が習慣化しているべきかを具体的にイメージしてみると良いでしょう。
とくに現場配属時の姿は、「知識として知っている」ではなく、「実際にしている(身に付けている)」レベルで求められるものが何かをしっかりと絞り込んで特定しましょう。現場配属時の姿を、受け入れる現場側とすり合わせておくことがおススメです。
3.具体的な内容を決めて、カリキュラムやスケジュールの作成
研修ゴールが決まったら、研修内容、実施方法を具体的に考えるフェーズです。研修内容は先述のとおりゴールから逆算して考えるのと同時に、新人研修の基本内容である「意識変革・組織社会化・基礎スキル」という3大テーマを細分化してリストアップしておくと、内容の抜け漏れを回避しやすくなります。
実施方法は、「学習ピラミッド(ラーニングピラミッド)」の考え方を踏まえて、定着率が高いアクティブラーニングをなるべく多く取り入れ、受講者が主体性を発揮できる場を作ることがポイントです。

研修時間だけが研修ではありません。朝礼や夕礼、日報、余白時間などをどう使うかが、「身に付ける」うえで大切になります。
新人研修を設計するポイントは下記の記事も併せてご覧ください。
4.受講者へ案内
受講者に開催日時やカリキュラム内容などの概要を案内し、事前資料を共有します。
5.研修当日
研修当日は、プロジェクターなどの機材の動作確認を行ないます。オンラインで実施する場合は、カメラやマイク、通信環境などのチェックも必須です。
予定時刻になったら、カリキュラムに沿って研修を実施しましょう。研修のはじめに受講者とゴールを共有しておくと、研修効果の向上が期待できます。講師としてはあれもこれもと教えたくなるものですが、研修当日は「教えすぎない」ことが大切です。
本当に記憶にとどめたいことは何かをしっかり絞り込みましょう。研修中は、受講者の反応から理解度や納得度を確認します。状況に応じた臨機応変なプログラム修正も、講師の腕の見せ所です。
6.フォローアップ、研修の振り返り、報告書の作成
研修は実施して終わりではなく、内容を振り返る時間を十分にとることが重要です。受講者自身が学びを振り返り、「その学びをどう実践に活かすか」という行動目標を立てられるような仕組みを作ることで、研修内容を実際の業務へとスムーズにつなげていけるでしょう。
学習ピラミッドの考え方だと、「人に教えること」が最も学習効果を高めます。そのため、「今日の学んだことのポイントを翌日に発表してもらう」などの課題を出すことも効果的です。