新人の電話対応で教えておきたい基本の応対マナー5つの手順とNG例

最近ではリモートワークや電話対応の代行サービスの普及等で状況が変わっている会社もありますが、多くの会社では入社した新人に「電話対応」を任せることが多いでしょう。電話は、企業にとって外部との窓口であり、電話対応で会社の印象が左右される部分もあります。従って、新人に電話対応を任せるうえではしっかりとマナー等を教えておきたいところです。
記事では、新人に電話対応を教えるうえで大切な電話対応の位置づけ、また、基本となる5つのマナーを解説します。

 

<目次>

新人に教えておきたい“電話対応のマナーを身に付ける必要性”

新人に電話対応を教えるうえでは、まず電話対応のマナーを身に付ける必要性をしっかりと伝えることが大切です。当たり前のことではありますが、学ぶ意味や理由を伝えないと学習効果は落ちてしまいます。本章では電話対応のマナーが求められる理由を確認しておきます。

 

 

なぜ、電話対応でマナーが求められるのか?

電話対応でマナーが求められる理由は、“電話を取った社員が会社の印象を左右する”からです。電話をかけた側からすると、電話を受けた社員が企業との窓口です。相手が新人かどうかは関係ありません。特に初めて接点を持った方であれば、電話に出た社員の対応が印象のすべてであり、電話の良し悪しで会社の印象が決まってしまうといっても過言ではありません。

 

例えば、企業に電話する時を想像してみましょう。もし電話に出た相手の第一声が、ハキハキと心地良いものであればどうでしょうか。「こんな気持ちの良い受け答えをしてくれるなら、サービスの品質もきっと安心だろう」と想像するのではないでしょうか。また何度か連絡する中で電話の取り次ぎが、いつも正確かつスピーディーであれば「信頼して取引できそうな会社だな」と感じるかもしれません。

 

このように、電話に出た社員の受け答えが好ましいものであれば、会社に対する印象はプラスになるものです。新人が入社してすぐに責任の大きい仕事を任されることはないでしょう。しかし、電話対応のマナー一つで、会社に貢献することができるのです。

 

 

もし、新人の電話対応のマナーが低レベルだったらどうなるか?

一方で、対応した社員の電話対応が低レベルであればどうなるでしょうか。例えば、ぼそぼそと聞き取りにくい声で何を言っているのか分からない、受け答えが要領を得ないといったことがあれば、相手は良い印象を受けないでしょう。多少の敬語や取り次ぎミスに対して“新人だな”という情状酌量はあるかもしれません。しかし、声や対応に関してマナーがなっていなければ、会社への信頼は失われてしまい、場合によっては取引機会を逃したり、クレームに繋がったりすることもあるかもしれません。

 

電話対応の基本マナー 5つの手順とNG例

昨今の新人たちは、子供のころからスマートフォンがある環境で育ってきた世代です。「社会人になるまで固定電話を触ったことがない」という新人もいたりします。店舗等でアルバイトしたことがあれば別ですが、そういった経験がなければ「誰からかかってきたか、誰宛にかかってくるか分からない電話」というものを対応した経験が極度に少ないのです。

 

世代が違う年長者は「電話対応なんて誰でも知っているだろう」「相手の所属や氏名を確認して、取り次ぎすればいいだけじゃないか」と思う方もいます。しかし、昨今の新人は、固定電話に電話する/電話を受ける経験が少なく、スキル的にも心理的にも不安を感じやすいことは事実です。従って、電話対応に慣れている層の感覚からすると、「丁寧すぎるかな?」と思うぐらいにしっかりと電話対応のマナーや手順を教えることがおススメです。

 

以下では、電話対応の基本的なやり方とマナーを、5つの手順で説明します。各手順でやってしまいがちなNG例も合わせてお伝えしますので、新人に電話対応を教える際の参考にしていただければ幸いです。

 

 

手順1:電話は3コール以内で取り、最初に社名と自分の名前を名乗る

ビジネスでは、外部からの電話に対しては3コール以内に電話を取るのが一般的なマナーです。かけた相手が「待たされているな…」という感覚を持たず、「スピーディーに対応してくれたな」と感じる目安が3コールです。相手をお待たせしないように、躊躇わずに電話を取る習慣を付けましょう。

 

また、会社の電話に出る時、「もしもし~」はNGです。慌てていると「あー」「えー」なども出てしまいやすいので、受話器を取る前に、一呼吸おいて落ち着いて出るようにしましょう。そして、電話の第一声では「お電話ありがとうございます。株式会社○○○、担当○○でございます。」など、必ず社名と自身の名前を伝えるようにしましょう。

 

やりがちなNG例:電話を取るのを躊躇って相手を待たせてしまう

昨今ではメールやチャット等も普及した中で、電話がかかってくるのは急ぎの用件だったり、すぐに何かを確認したかったりする場合も増えています。急いでいる時に、なかなか相手が出ない苛立ちなどは、コールセンターなどに電話する中で誰もが味わったことがあるでしょう。

 

忙しい時間帯などもあるかもしれません。ただ、相手にとっては、対応側の事情は関係ありません。新人は率先して電話に対応して、相手を待たせないように心がけましょう。待たせてしまった場合は、「お電話ありがとうございます」の代わりに、「大変お待たせしました」などと対応すると印象は良くなります。

 

 

手順2:相手の所属や名前を確認して、復唱する

会社名や自分の名前を名乗った後は、通常、相手が社名や名前を言ってくれます。その際、相手の社名や名前はメモを取りながら復唱しましょう。相手の所属や名前、要件がうまく聞き取れない場合は、「申し訳ございません、お電話が遠いようですので、もう一度おっしゃっていただけますか?」「電波の調子が悪いようですので、もう一度お伺いしてもよろしいですか?」と伝えて確認しましょう。

 

やりがちなNG例①:相手が所属や名前が曖昧なまま対応してしまう

新人は「聞き返したら、相手に失礼なんじゃないか」と過剰に考えてしまい、よく聞き取れないまま対応してしまうことをやりがちです。しかし、相手の所属や名前が曖昧な状態ですと、社内に取り次ぐ際にも取り次がれた相手が困ってしまいます。また、折り返しなどの対応になった場合も対応しにくい状態になります。しっかり確認しましょう。

 

やりがちなNG例②:手元にメモがない

特に電話対応に慣れない新人のうちは、一言一言を聞いて対応するのに一生懸命で、電話の内容が頭に入っていないこともよくあります。やりがちなミスが、メモを取らずに電話を対応して「あれ、佐藤商会様だったかな、斎藤商会様だったかな?」「商品名はBC2000だっけ?なんだっけ?」などと所属や名前、用件などの固有名詞が曖昧になってしまうケースです。特に、電話対応が終わった直後に、次の電話の対応をした場合などは、ほぼ確実に一つ目の電話内容が記憶から飛んで行ってしまいます。

 

電話に出る時は、受話器の近くにメモ用紙のフォーマットをセットしておく、その場でパソコンのメモを立ち上げるなどして、「復唱⇒メモ」を習慣化しましょう。

 

 

手順3:いったん電話を保留にして担当者に取り次ぐ

入社したばかりの新人に、誰かが電話をかけてくることは殆どありません。新人の電話対応では、大半は誰かに電話を取り次ぐことになります。従って、電話をかけてきた方の社名とお名前を確認するのと同時に、要件と取り次ぎ先の部署名と社員名をしっかり確認しましょう。取り次ぎの際は、「かしこまりました。ただいまお繋ぎしますので、少々お待ちください。」と伝えてから電話を保留にし、早急に取り次ぎ先の人に引き継ぎます。

 

やりがちなNG例①:電話をたらい回しにする

新人が取り次ぎでやりがちなミスが、取り次ぎ先の社員名をしっかりと聞いていない、用件をしっかりと聞いていない、などで電話をたらい回しにしてしまうケースです。社内に「加藤さん」と「佐藤さん」など似たような名字や同じ名字の人がいる場合には要注意です。

 

また、用件を曖昧に聞いてしまっているケースもたらい回しが起こりがちです。例えば「採用の件」とだけ聞いていて、自社が「新卒採用」「中途採用」、両方のサービスを提供しているとどちらに取り次げばいいか分からなくなります。しっかりと自社の商品・サービスや部署構成を理解して、「誰に繋げればいいか?」が明確になってから取り次ぎましょう。

 

やりがちなNG例②:保留にするつもりで電話を切ってしまう

新人の多くが経験するミスに、電話を保留にするつもりで切ってしまう、という操作ミスがあります。単純な操作ミスなのですが、殆どの新人は「電話を保留して転送する」という経験をしたことがありません。また、今どきのビジネスフォンは、多機能な分、操作ボタンもたくさんついています。操作に慣れない状態で、かつ慌てていると、ボタンの操作ミスをしてしまいがちです。しっかりと練習させましょう。

 

 

手順4:担当者が不在の時の基本的な言い回しを押さえる

先ほどの手順3で、取り次ぎ先の社員が職場にいれば、すぐに対応は終わります。しかし、実際には外出や会議などで不在の場合も多いでしょう。不在の場合は、いったん伝言を受けるか、折り返し連絡することを提案する形になります。

 

「申し訳ございません。○○はただいま席を外しております。いかがなさいますか。」など、一度お客様に選択を委ねるようにしましょう。相手の意向を伺ったうえで、相手から伝言や伝達事項があれば、復唱⇒メモして伝言しましょう。

 

やりがちなNG例:間違った敬語、不適切な受け答えをしてしまう

例えば、新人の上司である佐藤課長宛にお客様から電話があったとします。ホワイトボードを見ると、佐藤課長は社内の会議で午後3時まで戻らない予定です。この時、「申し訳ございません。佐藤課長はあいにく会議に出ており~~」という受け答えは問題ないと言えるでしょうか。

 

上記の受け答えには、大きく2つの問題があります。1点目は敬語の誤りです。上記では「佐藤課長」という役職・肩書を付けて伝えていますが、社外に対しては、役職に関わらず自社の社員は姓(例なら「佐藤」)だけを述べて伝えるのが基本です。2点目は「会議に出ており~」という部分です。会議や打ち合わせなど社内の事情は伝えないことが基本です。

 

上記ケースの正しい受け答えとしては「佐藤は席を外しており、戻りは午後3時の予定ですが、いかがしましょうか?」といったものです。ただし、電話の内容によっては、会議や打ち合わせにメモを差し込んで確認したほうが良いこともあります。初めのうちは、まわりの先輩社員にどうするべきかをマメに聞くとよいでしょう。

 

 

手順5:相手が電話を切ってから受話器を置き、伝言は責任を持って確実に伝える

電話を取り次ぐ担当者がいる場合は、電話を保留にして取り次ぐ相手に、電話をかけてきた相手の所属やお名前、用件を伝えれば対応は終わりです。しかし、手順4のように取り次ぐ相手が不在だった場合、伝言を頼まれることもよくあります。手順5では、担当者が不在で伝言を承った場合、また電話の終わり方のマナーを説明します。

 

まず伝言を預かる際には、しっかりとメモを取り、復唱しましょう。所属や要件と比べると、伝言内容はより長文になります。固有名詞等に誤りがないようにしっかりと復唱して確認することが大切です。

 

漏れや聞き間違いがないことを確認できたら、「〇〇 (自分の名前)が承りました。確かに○○(取り次ぎ先の社員名)に伝言します。お電話ありがとうございました。」といった形で、自分の名前を名乗ると共に、取り次ぎ先の名前を確認して電話を終えると、相手は安心できるでしょう。そして、電話を終える時は、切り際まで気を抜かず、心を込めて対応しましょう。

 

やりがちなNG例:電話を切る時に、ガチャンと受話器を置いてしまう

電話対応が終わるとホッとする人が多いのか、最後の最後でマナーを忘れてしまう新人を時々見かけます。代表例が「電話をガチャンと切ってしまう」ことです。ガチャンと電話を置くと相手がまだ通話中の場合、印象がよくありません。

 

電話を切る時の一般的なルールは「電話をかけたほうが先に切る」形です。相手が電話を切るのを確認してから電話を切りましょう。また、自分から切る時は、先に指で受話器のフックを押してから受話器を置くようにしましょう。電話の切り方は、スマートフォンでは生じない固定電話特有のマナーですので、初めにしっかりと教えておきましょう。

 

 

おわりに

新人にとって電話対応は入社してすぐに任せられる業務の一つです。新人にとって、電話対応はビジネスコミュニケーションに慣れながら、顧客の名前や社内のことを知る機会です。同時に、電話対応は会社の印象を左右する業務でもあります。新人にはしっかりと電話対応のマナーを指導して任せたいところです。

 

記事では、電話対応の基本となる5つの手順とありがちなNG例を紹介しました。ぜひ記事内容も参考にして、新人の電話対応マナーを指導していただければと思います。

 

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著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役|HRドクター 編集長

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

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