新入社員研修では、主に以下のような内容を学び、社会人として働く上で必要な知識、マナーなどを身に付けます。
- 社会人のマインドセット
- 基礎的なビジネスマナー
- PCスキル・ITスキル
- コミュニケーションスキル
- コンプライアンス
- 業務に必要な基礎知識・スキル
以下に詳しく解説します。
社会人のマインドセット
マインドセットとは、「無意識の思考や行動パターン」「物事を見るときの思考の癖」といったことを指します。マインドセットはこれまでの経験や環境、学校で受けた教育などに大きく影響を受け形成されるため、社会人になったばかりの新入社員は「社会人としてのマインドセット」を習得し直すことが重要です。
また、新入社員の長期的な成長を図るために、成長マインドセットを意識した研修内容とすることが大切です。失敗を恐れず挑戦し、経験から学ぶことが大切であることを理解してもらいましょう。
これまでの学生としての思考から、社会人、ビジネスのプロフェッショナルとしての思考に切り替え、仕事をする中で生じる困難や失敗を成長の機会と捉えられるよう、意識改革を目指すことがマインドセット研修の目的です。
社会人のマインドセット研修を行う場合、以下のような内容を取り入れるとよいでしょう。
- プロのビジネスパーソンとしての姿勢
- 仕事を教わるうえでの姿勢
- 仕事を進める主体性
- 研修が終わった後も学び続ける自律性
- 論理的思考力
- ポジティブ思考
こうした内容を研修で学び新入社員の意識改革を促すことで、主体的に仕事に取り組む姿勢、失敗を糧として成長につなげていくポジティブ思考、コミュニケーションへの積極性が生まれやすくなり、成長スピードの向上が期待できます。
基礎的なビジネスマナー
新入社員研修では社会人として必要なビジネスマナーを学ぶことも大切です。新入社員といえども顧客対応する時には「企業の顔」です。新人の振る舞いや対応、身だしなみによって企業イメージが左右されたり、お客様の満足度や信頼関係に影響したりします、
最近は業界・会社によって日常的なビジネスマナーは違いますが、新人研修では以下のような基本マナーの「型」は教えた方がよいでしょう。
- 服装や身だしなみ
- 敬語
- 名刺交換
- 来客対応
- 訪問時のマナー
ビジネスマナーの定着率を高めるには、ロールプレイングやケース学習を入れた実践的内容にすることがポイントです。
テレワークが普及した近年では、お客様と直接会う機会も少なくなり、電話やメール、チャットなどのテキストコミュニケーションの重要性も高まっています。お客様や取引先などに失礼な対応をしないためにも、以下の内容は新人研修のうちに教えることが大切です。
- 電話の受け方・かけ方・取り次ぎ方
- ビジネスメールのマナーや使い方
- ビジネスチャットにおけるマナー
ある程度実務的な慣れが必要な部分もありますが、ロールプレイングや研修期間内での実践を通じて、身に付けさせていきましょう。
PCスキル・ITスキル
デジタル化が進む現在、あらゆる職種において業務を行う上でPCスキルは必須だといえます。特に近年はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によって、ますますデジタル化が進んでいます。
新入社員の早期戦力化、生産性UPを望む場合には、PCスキルは実施しておくべき研修内容になるでしょう。意外と最近の新入社員は、スマフォやタブレット、生成AI等には慣れている一方で、PCスキルは高くないことも多いものです。
PCスキルは業務効率や正確性に直結します。職種によりますが、PCスキル研修では以下のようなスキルを身に付けてもらう必要があるでしょう。
- タッチタイピング (ブラインドタッチ)
- ショートカット
- Excel、Word、PowerPointの操作
- 基礎的なセキュリティに関するリテラシー
PCを扱い業務を進めていく中で、最も基礎となるのがタイピング力です。ブラインドタッチができるかどうかで業務スピードが大きく変わってきます。ショートカットキーを把握することも同様に、業務スピードを改善することに重要です。
Excelの関数や機能を理解することができれば、ルーチン業務を効率化することが可能となります。PCスキル研修は可能であれば業種・職種に応じて、どこまでのスキルを学ぶ必要があるかを検討するとよいでしょう。
また、社内の殆どの情報がネットワーク上にある現在、社員一人のウイルス感染やPC紛失が大きな事態につながる可能性もあります。メールやWebアクセス、個人情報、パスワード管理等に関する基礎的なセキュリティのリテラシーは必須です。
コミュニケーションスキル
業務をスムーズに進めるためには、職場での上司や先輩との連携が欠かせません。また、人によっては顧客やパートナー等、社外とのコミュニケーションも多々発生します。
早い時期の新入社員研修でコミュニケーション能力を磨くことで、職場において円滑に業務を進行することができるようになります。
なお、新入社員研修で実施すべきコミュニケーションスキルとして重要なことの一つに、報連相(報告・連絡・相談)があります。
報連相の重要性を理解し徹底して行うことができれば、周囲と状況を共有しながら仕事を進めていくことができます。新人が進めている仕事の状況を上司や先輩がきちんと把握できるため、問題を抱えている際にも早期に気づきフォローをしやすくなります。結果としてトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
また、新入社員にとって報連相は上司や先輩の力を借りる方法でもあります。報連相をキチンと実施できる新入社員は、上司や先輩のアドバイスをもらって早期に成果をあげる、また、成長できます。
さらに周囲とのコミュニケーションが円滑になれば、分からないことがあっても質問しやすくなり、人間関係の構築もしやすくなります。社会人の離職理由の大部分は人間関係です。円滑なコミュニケーションは離職を防ぐことにもつながります。
コンプライアンス
コンプライアンスは「法令遵守」と訳されますが、最近は法令だけでなく、就業規則などの社内規定、また社会規範や社会倫理を守ることも含めて指すことが増えています。
新入社員の場合、入社するまでは「個人」として活動していますが、社会人になるとビジネスマナーでも記載した通り、「組織を代表する一人」になります。不祥事を防ぎ、企業や社員の信用などを守るために、コンプライアンス研修も新入社員研修で学ぶべき重要なテーマです。
新入社員を対象とするコンプライアンス研修では、特に以下の内容を学ぶことが重要といえるでしょう。
- 情報セキュリティ(個人情報や社内情報の取り扱い、SNS使用
- ハラスメント
- 社内規定、就業規則
- 関連法令
- 期待されている社会倫理
まず個人情報や社内情報の取り扱い、SNS使用時の注意など、情報セキュリティに関する注意事項は現在に必須のコンプライアンス研修と言えるでしょう。とくに現在の新入社員は何らかのSNSを利用している人も多いでしょう。SNSへの投稿で個人情報や機密情報が漏洩してしまわないよう、情報セキュリティについての理解を深めることは必要不可欠だといえます。SNSでの炎上などトラブルを未然に防ぐことは非常に重要です。
またハラスメントについても理解を深めておくことが大切です。ハラスメントは上司から部下に対してというイメージがあるかもしれませんが、新入社員であってもハラスメントを起こし得る可能性があります。取引先に対しての何気ない発言がハラスメントになる、といった可能性もあるのです。
また、守るべき社内規定や就業規則、また業界や仕事内容に関連する法令の注意点、社会から期待される社会倫理などは新入社員にもしっかりと教えておくことが大切です。
業務に必要な基礎知識・スキル
新入社員を戦力化するためには、業務に必要な基礎知識・技術・スキルに関する研修も行う必要があります。業界知識、取引先、業務フローなど、実際に現場に配属される前に知っておくべきことはたくさんあります。
必要とされる知識やスキルなどは配属される部署ごとに異なりますが、営業の場合にはアポイントの取り方、営業のロールプレイング研修などの内容があります。例えば、経理であれば貸借対照表や損益計算書、会計ソフトの使用方法などを学ぶなどで、実際に現場に配属された後に業務がしやすくなるでしょう。
なお、業務に必要な基礎知識やスキルは新入社員研修で教える必要があるものですが、どこまで集合研修や初期研修で教えて、どこからを部門配属後のOff-JT、またOJTで教えるべきかは検討が必要です。