
オンボーディングを実施すると、どのような効果が得られるのでしょうか。オンボーディングの導入で得られるメリットを3つご紹介します。
新人の離職防止と定着
オンボーディングを実施すれば、新入社員の離職防止と定着率アップの効果が期待できます。とくに、オンボーディングは、新卒採用者だけでなく、中途採用者の離職防止や定着にも有効です。
日本は一括ポテンシャル採用の文化があるため、「新卒社員に対しては体系だった初期教育を行なっているが、中途採用者に対しては入社ガイダンスだけやって部門での教育に任せてしまっている」という会社が少なくありません。
これは、ばらばらと入社する中途人材に新卒のような手厚い研修は難しいという実情もありますし、社会人経験、場合によっては業界や職種経験がある中途人材は“即戦力”であり、未経験者のような丁寧なフォローは必要ないという意識もあるでしょう。
しかし、いくらスキルのある優秀な中途人材であっても、価値観や組織風土、仕事のスタイルが異なる企業では、すぐに力を発揮することはできません。むしろ、前職があるからこそ、“常識の違い”により、組織に馴染むことに苦しむ側面があります。従って、新卒人材に限らず、むしろ中途人材にこそオンボーディングは有効です。中途採用者向けのオンボーディングを実施していない場合は、ぜひ導入してください。
新人の早期戦力化と活躍率UP
就職・転職によりこれまでと異なる環境に置かれた中で、初日から100%の実力を発揮できる人はいません。しかし、頭では理解していても、心では、やはり「早く戦力になってほしい」「すぐに現場で活躍してほしい」と思うのが、受け入れ側としての率直な気持ちでしょう。即戦力候補として採用した中途人材であればなおさら、早期の活躍を期待することでしょう。
オンボーディングは、即戦力化の期待に対してもしっかりと応えてくれます。オンボーディングを実施すると、新入社員が現場で戦力として活躍できるようになるまでの時間が短縮できます。実際に、9ヵ月ほどかかっていた中途人材の戦力化が、適切なオンボーディングの実施によって3ヵ月にまで短縮されたという調査もあります。
オンボーディングは決して魔法の手法ではありません。しかし、「組織に馴染み、業務スキルを覚えて、目標に向かう」という王道をプログラムして実践することで、大きな成果が上がります。
人に依存しない組織の受け入れ力向上
新卒・中途を問わず、受け入れの初期に関しては人事部門が取りまとめていることが多いかと思います。人事部門では、入社時に必要な対応やガイダンス等に関してノウハウが蓄積され、手順書やチェックリストとして可視化されていることも多いでしょう。
しかし、部門配属後に関してはどうでしょう。各部門に任せてしまっていることが多いのではないでしょうか。各部門で受け入れを担当して、新人を指導する人の中には、マネジメントがうまい人もいれば下手な人もいます。受け入れと指導経験が豊富な人もいれば、経験がない人もいるでしょう。新人を受け入れて戦力化するまでの精度や品質を受け入れ部門側に任せてしまうと、どうしてもばらつきが出ます。
そこで、実際に教える内容等は部門や職種によって違うにしても、いつ誰が何を実行するかをオンボーディングで決めると効果的なのです。オンボーディングを導入することで、受け入れ方法を仕組み化して、品質を安定させることが可能になります。誰が新人の受け入れを担当しても、ある程度同じようなサポートやケアをできる状態が実現できるでしょう。
また、適切なオンボーディングを実施して企業全体で新入社員をサポートする仕組みを作れば、OJT指導者等にかかる負担も軽減できます。指導するうえで業務的な負担が発生することはやむを得ませんが、いつ何をすればいいかが決まっている、また、メンタルやモチベーション面のフォローを上司・メンター・人事部門等が分担してくれる等は、OJT指導者にとっては大きな精神的な安心材料になります。