オンライン研修を成功させるにあたって、一番の肝となるのが、プログラム設計です。対面型の研修は、その場の雰囲気や対応で挽回することが可能ですが、オンライン研修は、その場でのリカバリーが難しく、その分、緻密な設計が求められます。とくに行動変容を起こすためには、受講者に飽きさせない仕掛けを盛り込む必要があります。
どのようにプログラム設計をおこなうかと言うと、まず始めに「研修のゴール」を決めるところから始めます。「研修が終わった時に受講者にどのような状態になってもらいたいか」、あるいは「参加者にどのような気持ちを持っていてほしいか」を出来るだけ具体的に設定します。そして、ゴールに向けて、準備・設計をしていきます。以下にいくつかプログラム設計におけるポイントを記載します。
「45・10・4」の法則
オンライン上で集中できる時間は約45分程度と言われます。じつはzoomの無料版では、1回のmtg時間が「上限40分」となっているのも、これが理由です。研修設計においては、受講者の集中状態をコントロールすることが非常に重要です。従って、まず研修設計するうえでは、45分~60分に1回は休憩を挟むように設計すると、適度な休憩が取れるようになります。
また、人は10分間、同じ話を聴いていると飽きてしまうと言われています。従って、10分に一度は場面転換をすると良いでしょう。場面点検とは、例えば、一方的な座学からグループワークへ、講師によるレクチャーから個人ワークをおこなう、参加者に発言してもらうといった進行方法の変更です。これにより参加者の集中力が適度に保たれます。
最後に、4分に1回アクションを求める:画面が見えているかの反応、○や×等をジェスチャーで返してもらう、うなづく、などの進行にすることで、受講者を“聴きっぱなし”の状態から抜け出させ、集中力を継続させることができます。
上記の休憩、場面転換、アクションの3つは、対面での研修設計においても重要なポイントです。しかし、対面では、この時間がもう少し長くなるのですが、オンライン研修の場合には、「45・10・4」で実施することがおすすめです。余談ですが、これはオンライン会議の進行においても活かせますので、ぜひお試しください。
動画や画像など、ビジュアルな情報発信
これは新人だけに限ったことはでありませんが、最近の若手は昔よりも集中力が短い傾向があります。ネットの進化で動画やSNSが発展したことによって、我々が生活する中で受け取る情報量は莫大に増えており、データ量に換算すると10年間で530倍になっていると言われています。
その中でも、いまの新人は、子供のころから、スマートフォンに馴染み、youtubeやインスタグラム、twitterなどで、動画や写真、短い文章の情報量に慣れています。集中力の短さもこれが要因と言えるでしょう。動画や写真、短文に慣れている彼らに対しては、研修においても、なるべく文字量を減らし、動画や画像など、ビジュアルによる情報発信をメインに設計すると、吸収しやすくなります。パワーポイントを作る際には、ぜひ「文字サイズを大きくする」「文字量を減らす」「写真を入れる」等を注意してみてください。
ビジュアルによる情報発信を助けるツールを活用するのもおすすめです。プレゼンスライドのテンプレートやグラフ作成機能があるツールを使えば、簡単にビジュアルメインの研修プログラムを作れます。WEB上にはフリーで使えるグラフィックツールやパワーポイントのテンプレート集などもありますので、ぜひ活用してください。
https://www.canva.com/
https://massppvtrafficreview.org/
プログラム設計時点で「双方向性」を意識する
オンライン研修では、リアルでの集合型研修と違い、講師も終始画面に向き合う形になります。対面研修では、レクチャーの場面においても、講師は講義スペースの中を歩き回ることもできますし、その中で、参加者の表情を見ながら話しかけることも容易です。
しかし、オンライン研修は、講師もカメラ、画面に話しかけている感覚が強く、ともすれば、講師からの一方的なレクチャー中心の講義になりがちです。従って、プログラム設計の段階で、どのタイミングでどんな形でコミュニケーションを取るのかを盛り込んでおきましょう。
zoom等では、「参加者30人のオンライン研修で、一時的に3人×10グループのバーチャルな小部屋を作って、グループワークをおこなえる」機能等もあります。グループワークやチャット、投票機能を使って双方向性を持たせたり、全体発表を入れたり、敢えてジェスチャーで反応させて体を使った非言語コミュニケーションを織り交ぜるなどの工夫が有効です。前述した、「45・10・4」の法則」と組み合わせて設計すると良いでしょう。