採用活動を成功させるには、採用プロセスの各所に存在する課題を発見して、1つずつ改善を積み重ねていくことも大切です。
本記事では、採用プロセスの概要と基本的な流れを確認します。確認したうえで、採用プロセスにおけるよくある課題と、改善方法のポイントを紹介します。
<目次>
採用プロセスとは?
採用プロセスとは、採用活動における、採用計画の作成~入社受け入れまでの流れを指すフローのことです。人事担当者は、決めた採用プロセスに沿って採用活動を行なっていきます。
中途と新卒における採用プロセスの違い
採用プロセスで押さえるべき主要なポイントや要素は、中途と新卒でも変わりません。
ただし、日本の新卒採用には、大学3年生~4年生にかけて、就職を希望するほとんどの学生が一斉に動くという特徴があります。そのため、採用プロセスの組み方も一括採用に合わせたものとなります。
たとえば、採用スケジュールに関しては、24卒でいえば、政府が主導する新卒スケジュールが「3月に採用広報の解禁、6月選考解禁」となっており、主要媒体における説明会の募集の掲載解禁が3月、一部の大手企業の内々定出しが6月など、政府主導のスケジュールの影響を受けています。
一方で、最近では、政府主導の新卒スケジュールの形骸化も年々進んでおり、近頃の一般的なスケジュールとしては以下のよう流れが多いです。
- 2~3月:説明会スタート
- 3~4月:選考開始
- 5~6月:内定出し
また、もともと新卒スケジュールの策定を主導していた経団連がスケジュール策定から2018年に撤退してからは、採用活動の早期化が進んでいます。結果的に、大学3年の6月頃から大学3年生向けにサマーインターンシップを実施する企業も非常に多くなっています。
中途の採用プロセスも、賞与後の退職が増加する、年度に合わせて4月1日の採用枠が増えやすいといった傾向はあります。ただし、中途の場合、新卒と比べればシーズン性は少なく、事業計画や欠員補充といった自社の都合やタイミングに合わせて進行することが多くなります。
採用プロセスの基本的な流れ
採用プロセスの基本的な流れと、各プロセスのポイントを確認しましょう。
採用計画の作成
採用計画とは、採用活動における以下のようなゴールや具体的な行動計画の総称です。
- ゴール:どのような人材を、いつまでに何人採用するのか?
- 行動計画:ゴールに到達するために、どのような方針に沿って、どのような手法を打つ必要があるのか?
採用計画は、以下のようなステップを経て作成されます。
- 事業内容の確認と経営陣とのすり合わせ
- 採用ターゲットの設定
- 現状の整理と採用課題の明確化
- 採用手法の選定と設計
- 採用スケジュールへの落とし込み
なお、採用計画の精度や粒度は、設定する期間によって変わってきます。ただし、中途であれば自社の事業年度、新卒であれば○○卒という卒業年度を軸にして単年度で設定されることが多いでしょう。
なお、単年度で設計すると、年度のなかでできることがどうしても限られてきます。単年度での計画と並んで、ある程度中長期で自社の採用力を強化していくための視点も大切です。
母集団形成
母集団形成とは、自社の求人に興味・関心を持つ人材を集めることです。
近年では、従来行なわれている求人媒体のような“待つ”採用手法のほかに、ダイレクトリクルーティングという“攻め”の採用手法も人気となっています。
ダイレクトリクルーティングの場合、求人企業はサービス登録者のなかから自社に合う人材を選び、スカウトメッセージを送って能動的にアプローチすることになります。
また、ほかに、自社の要件に合う人材を紹介してもらえる人材紹介サービスなどもあります。
なお、HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、新卒のダイレクトリクルーティングや、新卒および中途ポテンシャル層の人材紹介を提供しています。興味があれば、以下の資料をぜひご覧ください。
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説明会・セミナーの開催
企業説明会やセミナーは、自社や業界に興味を持ってもらいエントリー(選考応募)につなげるための場です。
近年では、コロナ禍を契機にオンライン説明会を実施する企業も多くなっています。
また、中途採用の場合、会社説明会を実施せず選考に進むことが一般的で、中途向けに説明会を開催するのは大量採用している企業に限られることが多いでしょう。
選考・面接の実施
選考の回数は企業によって異なりますが、書類選考⇒筆記試験⇒一次面接⇒二次面接⇒最終面接……といった流れで進んでいくのが一般的です。
面接の目的は、自社に合う人材かどうかの見極めと、志望度アップにつながる魅了付けです。
面接での見極め精度を高めるためには、自社の採用基準や質問をあらかじめ用意したうえで、面接官にトレーニングをしておく必要があるでしょう。
面接は、人が判断するからこそ確証バイアスをはじめとする心理的なバイアスの影響も生じやすいものです。見極め精度を高めるには、確証バイアスなどの存在を知っておくことも大切になります。
内定・内定後のフォロー
採用活動では、内定辞退や入社後の早期離職を防ぐために、接触頻度を保ち、以下のようなフォローや内定者イベントを実施していきます。
- 内定者面談
- 内定式
- 内定者研修
- 内定者アルバイト
- 同期との懇親会
- 先輩社員との座談会 など
入社受け入れ
新入社員の受け入れに向けた準備には、大きく分けて以下3つがあります。
- 新入社員に、マイナンバーや健康診断書などの各種書類を提出してもらう
- 社会保険や住民税などの行政手続きを行なう
- 新人研修や配属に備えて、社員証・タイムカード・パソコンなどの準備をする
上記はどちらかというと労務やオペレーション的な視点です。
採用プロセスとの連携という意味では、組織に馴染み、早期の戦力化を図るための受け入れ準備も非常に重要となります。受け入れ準備のことを、HR分野ではオンボーディングと呼びます。
オンボーディングでは、業務スキルを教えるだけでなく、「組織社会化」と呼ばれる組織に馴染むためのプロセスをきちんと設計することで、定着率の向上や早期の戦力化が実現できます。
採用プロセスにおけるよくある課題
採用プロセスで起こりやすい課題には、以下のようなものがあります。
求める人材の応募が少ない
求人媒体に広告を出しても応募が来ない、あるいは、応募が来たとしても自社が求める人材がほとんどいない、といった課題です。
採用はある種の確率論になるところもあり、母集団形成で苦労すると、採用成功が苦しくなりがちです。
選考中、内定後の辞退が多い
書類選考⇒一次面接⇒二次面接……と選考を進むなかでの辞退や、内定後の辞退が多い課題です。
採用にかかる費用は母集団形成の費用が多くを占めることが多く、また、選考中や内定後に辞退されると、内定までかかった工数も無駄になるため、採用担当としては非常に苦しい状況に陥ります。
入社後のミスマッチが発生する
自社に合う人材だと思って採用してはみたものの、配属後に現場のニーズと合っていなかったり、価値観が異なっていて馴染めなかったりするなどの問題が生じる課題です。場合によっては、早期離職につながることもあります。
早期離職が多い
母集団形成⇒選考⇒内定通知⇒内定承諾⇒入社の人数目標は達成できているものの、入社から1年以内の早期離職が多い課題です。
早期離職が多い場合、入社後のマネジメントに課題がある、採用の合否基準に課題がある、採用選考で伝えるべきリアルな情報を伝えていないといったことが要因であるケースが多いでしょう。
人事の業務負荷が重い
採用業務が多すぎて、連日残業になっているなどの課題です。また、エントリー人数が多すぎて管理や対応が大変になった場合、ミスや対応の遅れが生じやすくなります。
特に新卒採用の早期化にともなう期間の長期化、また、採用手法の多様化などにともなって、人事の業務負荷が重くなりがちです。
採用プロセスの改善方法のポイント
採用プロセスの課題を解消するには、以下のポイントを踏まえながら、課題が生じている各プロセスを改善していくことが有効です。
求める人物像の明確化
たとえば「仕事ができる人材」や「優秀な営業」などの漠然とした人物像だと、適切な採用計画が立てられません。
採用ターゲットの明確化には、議論などに加えて、適性検査などを使って自社のハイパフォーマー分析などを行なって、以下のように具体的な言語化をしていくことが大切になります。
- 話を聴くことの重要性を理解しており、ラポール形成がうまい営業
- SaaSサービスの法人営業の経験がある営業(新サービスを担当させたいため)
- 次世代リーダーの資質(自己管理力・主体性 など)が高い営業
人物像の明確化をするうえでは、主体性やラポール形成といった、人によってとらえ方が異なる抽象的な単語は、具体的にどういうことを指すか言語化するとよいでしょう。
採用力と採用ターゲットに適した募集方法
人材募集には、求人媒体・ダイレクトリクルーティング・ハローワーク・人材紹介……とさまざまな方法があります。
各方法のなかで自社に合う方法を選ぶには、まず、採用ターゲットに適した方法が何かを考えることが大切です。
少し表現は悪いですが“魚がいない場所に釣り針を垂らしても魚が取ることはできない”のと同じです。採用ターゲットが就職・転職活動をするときに、どのような媒体を使ってどう活動するのかを想像しましょう。
また、自社の採用力を客観的に分析することも大切です。
たとえば、業界認知度が低い一方で求職者を口説く力が高ければ、大手の競合が集まる総合型求人媒体などよりも、自社からスカウトメッセージを送れるダイレクトリクルーティングのほうが適しています。
今の例のように採用力に応じて、有効な手法は変わってきます。
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採用フローの見直し
採用選考フローには、以下のようにさまざまなパターンがあります。
- 標準型
- 説明会・選考一体型
- 試験先行型
たとえば、学生のコミュニケーション力を重視し、スピード感を持った採用活動をしたい場合、説明会と一次選考のグループワークを同日に行なう「説明会・選考一体型」がおすすめです。
一方で、自社の魅力のアピールや求職者の納得感を重視したい場合は、会社説明会のあとに選考を順次行っていく標準型が向いているでしょう。
採用フローは、見極め精度の向上、魅了付けの強化、実施キャパシティという3つの視点で見直し、改善していくことが大切になります。
人材紹介の利用
自社に合う優秀な人材を獲得したい一方で、工数を減らしたい・費用のリスクを最小限に抑えたい場合は、人材紹介サービスを使うのも一つです。
人材紹介は、紹介会社に自社の欲しい人材の要件を伝えると、サービス登録者のなかからマッチする人材を紹介してもらえる仕組みです。人材紹介サービスを利用すれば、紹介会社の担当者が、自社の“外部の人事”として一次選考をしてくれるイメージです。
企業側は面接して合否を決めるだけですので、採用担当者は、効率的な活動が可能になります。また、人材紹介サービスは完全成果報酬となっているため、無駄な費用も発生しません。
ただし、メリットが大きい分、採用単価は高くなりますので、高くなる点をどう判断するかがポイントです。
採用代行や採用管理ツールの導入
人事担当者の業務負荷の軽減や、求職者管理の効率化などを図るなら、一部業務をアウトソーシングする採用代行や、採用管理ツールの導入もおすすめです。
採用代行の場合、代行可能な業務や範囲は、代行会社やプランによって変わってきます。
採用管理ツールには、媒体と連携して、自動でエントリーデータを取り込んだり、データやステータス管理、募集方法別の効果検証を自動で実施してくれたりする特徴もあります。
採用代行などのサービス・ツールは費用が発生しますので、自社の抱える課題を洗い出し、優先順位をつけるとよいでしょう。
まとめ
採用プロセスとは、採用計画の作成~入社受け入れまでの流れを指すフローのことです。
新卒の採用プロセスは、新卒一括採用という日本の仕組み上、時期が固定化され、年間の繁閑差が激しい特徴があります。一方で中途は、新卒ほどの時期変動はなく、企業側の都合やタイミングで策定することが一般的です。
採用プロセスの基本的な流れは、以下のとおりです。
- 採用計画の作成
- 母集団形成
- 説明会・セミナーの開催
- 選考・面接の実施
- 内定・内定後のフォロー
- 入社受け入れ
企業で生じる採用課題は以下のような課題が多いでしょう。採用プロセスのなかで課題が生じている個所を一つずつ改善していくことが大切です。
- 求める人材の応募が少ない
- 選考中、内定後の辞退が多い
- 入社後のミスマッチが発生する
- 早期離職が多い
- 人事の業務負荷が重い
採用プロセスを改善するには、以下のポイントを押さえていくとよいでしょう。
- 求める人物像の明確化
- 採用力と採用ターゲットに適した募集方法
- 採用フローの見直し
- 人材紹介の利用
- 採用代行や採用管理ツールの導入
なお、HRドクターを運営する株式会社ジェイックでは、以下のようなダイレクトリクルーティングや人材紹介サービスを提供しています。
- 新卒ダイレクトリクルーティング「FutureFinder」
- 大学連携型の人材紹介「新卒カレッジ」
- 中途のポテンシャル採用を対象とする「採用カレッジ」
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