
人材紹介サービスの利用には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。長所と短所の両方を知って、サービスをうまく活用しましょう。
メリット
採用に人材紹介を利用するメリットは、以下の4つが代表的です。
・費用のリスクを最小限に抑えられる
ほとんどの人材紹介サービスは完全成功報酬制を採っていますので、人材紹介を使うとコスト面でのリスクが無くなります。
求人広告やダイレクトリクルーティングの場合、広告の出稿・サービスの契約時点で費用が発生することが基本的です。従って、応募者の人数や最終的な採用結果に関わらず、一定のコストが発生します。
例として、100万円の求人広告を出した場合を考えてみましょう。2名採用できれば、1名あたり50万円で採用できたことになりますが、1名も採用できなかった場合も100万円は戻ってきません。
一方で人材紹介を利用した場合、何人紹介してもらっても、入社に至らない限り費用が発生しません。人材紹介を利用することで、かけたコストが無駄になるリスクはゼロになります。
・採用活動の工数を極限まで減らせる
求人広告を出す場合、選考や合否の判断以外にも、求人企業で行なう作業が意外と多くあります。
出稿先の情報収集やプランの選定、広告内容の準備・決定、応募者対応、説明会の開催、応募者との連絡、内定承諾のクロージング……などのプロセスを求人企業側が実施する必要があるため、採用活動に多くの工数がかかってしまいます。
人材紹介を利用する場合、上記プロセスのすべてを人材紹介会社が代行してくれます。極端に言えば、求人企業がやる必要があることは面接の実施と合否決定だけです。
従って、採用の専任担当がまだいない規模の企業や、経営陣が採用活動を行なう企業にとっては、人材紹介は非常に便利なサービスだといえます。
・応募者を絞り込める
求人広告を出して採用活動を進める場合、思い通りに応募者を絞り込むことは困難です。
定量的に「資格」や「法人営業経験が2年以上」といった形で明確に絞り込める場合はともかく、未経験層や若手等を「人柄」や「コミュニケーション能力」で採用する場合には応募要項での絞り込みは難しくなります。
しかし、人材紹介を利用する場合、人材紹介会社のエージェントがいわば「外部人事」として一次選考を行なってくれる形になります。従って、ある程度定性的な採用要件も踏まえて該当する人だけが推薦され、効率的に採用活動を進められます。
・求人広告では応募してこない層の採用が可能
採用市場で出てきにくい職種や経験者を採用する場合も、紹介会社に依頼すると効率的です。自社やデータベースへの新規登録者等を継続的にウォッチしてくれますので、専任の採用担当がいても、網を広げる意味で経験者層の採用に人材紹介会社を使う会社も多くあります。
・社内外に知られたくない非公開での採用が可能
求人広告で採用活動を行うと、採用媒体上に公開した広告は、社内メンバーや競合企業からも見えてしまいます。
一方で人材紹介サービスを利用する場合、求人を一般に公開しない旨を依頼できます。非公開にすれば、求人を紹介される候補者以外には求人が公開されません。現職スタッフの退職予定にともなう中途採用、社外秘段階の新規プロジェクト要員の採用などで、人材紹介が利用されることも良くあります。
デメリット
メリットの多い人材紹介サービスですが、いくつかのデメリットもあります。
・1人あたりの採用単価が高い
前述の通り、人材紹介は採用が決まった人材の理論年収×紹介料率で、人材紹介会社への紹介料が決まる仕組みです。入社した場合にのみ費用が発生しますのでリスクはありませんが、一方で人材紹介会社が手間をかける分、採用単価は高くなります。
とくに求人広告に多くの募集が見込めるケースでは、人材紹介より求人広告のほうが採用単価を抑えられることが多いでしょう。
求人広告は、出稿企業が費用を前払いして、効果があがらなくても費用発生する代わり、応募者がどれだけ多くても追加費用はかかりません。例えば、広告費用100万円で出稿して1人も採れなくても100万円かかりますが、4人採ることができれば採用単価は25万円に抑えられます。
従って、自社の認知やブランド力が高く、かつ多くの応募が見込める未経験者層の採用などであれば、求人広告を使うことがおススメです。
また、継続的に採用する場合は、ダイレクトリクルーティングを活用することも採用単価を落とす効果があります。
ダイレクトリクルーティングは、求人企業側で直接データベースを見てターゲット人材にのみスカウトを送信することができるサービスです。いわば、求人広告や人材紹介会社の登録者データベースが有償で公開されて利用できるようなイメージです。
スカウト原稿を作り、日々検索してメッセージを送信する手間はかかりますが、うまく活用すれば、採用費の抑制と質の向上を実現できます。
採用費の抑制と採用活動に割ける工数、また自社の採用ブランド力と採用人数を勘案して、自社にとってベストな手段を検討しましょう。
・採用ノウハウが蓄積しにくい
採用活動の工数を削減できることが人材紹介を使うメリットですが、採用活動をアウトソースする分、社内に採用ノウハウが蓄積しにくいというデメリットもあります。
もちろん人材紹介でも、面接での見極めや魅力付けのノウハウは蓄積できますが、面接前後でのやり取り、志望度の把握、求職者の応募を生み出すための企業紹介のポイントといったノウハウは蓄積しにくくなります。