日本でも転職はかなり一般的なものになってきましたが、メンバーの退職がネガティブな要素として受け止められる職場はまだまだ多いでしょう。
前章では個別の兆候やストレスサインを見抜くマネジメントの視点を解説しましたが、本章では組織開発の視点から退職を防ぐコツを解説します。
自社の理念や社風とマッチする人材を採用する
退職を防ぐうえでは採用時の注意がまず必要です。採用段階で会社の理念や社風に合わない人材を採用してしまうと、入社後にミスマッチが発生し、退職につながりやすくなります。
特に中途採用では、求職者に仕事経験がある分、入社後に価値観は変わりづらくなります。そのため、社風や価値観との一致度を見るカルチャーマッチの視点が大切です。
カルチャーマッチの視点に対して、仕事内容とスキル・経験のマッチ度を見るのがスキルマッチです。採用時には両方の視点を持って選考することが重要です。
評価制度や給与体系を改善する
評価や給与はメンバーが不満を感じるきっかけになります。特に評価制度が明確ではないと、「評価や給与への不満」が「上司や組織への不満」と結びついて退職要因に繫がりやすくなります。
したがって、何をすれば評価されるかが明確な評価制度や給与体系の構築も、退職要因をなくすことに繋がります。
コミュニケーション量を増やす
退職理由で多い「人間関係(上司への不満)」は、上司と部下のコミュニケーション量や頻度を増やすことで改善が期待できます。
上司への不満は信頼関係を築けていないことが大きな原因であり、コミュニケーションを取って部下と信頼関係を築くことができれば、退職を防ぐことが可能です。また、コミュニケーションが増えることで前章のストレスサインにも気付きやすくなります。
特に昨今はリモートワークが増えているため、些細な「乱れ」に気付くのにも上司の力量が必要です。組織としては、1on1の仕組みやパルスサーベイ(意識調査)などを導入して、上司をサポートすると良いでしょう。
なお、人間関係やキャリアの悩みは直接の上司に話しにくい場合もあるので、人事部門や上司の上司とのキャリア面談などを定期的に行なうこともおすすめです。