目標設定で必須のフレームワーク「SMART」とは?具体例と活用のコツを解説

更新:2022/09/29

作成:2022/03/08

古庄 拓

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

目標設定で必須のフレームワーク「SMART」とは?具体例と活用のコツを解説

目標設定や目標達成のためのフレームワークには、さまざまな種類があります。なかでも特に重要なフレームワークが「SMARTの法則」です。SMARTの法則を活用することで、適切な目標設定が可能になり、目標達成の確率を上げることができるでしょう。

 

記事では、SMARTの法則の概要や活用するメリット、SMARTの法則を使った目標設定の例を紹介します。

<目次>

SMARTの法則とは?

SMARTの法則とは、効果的な目標設定に不可欠な5つの要素を示したフレームワークです。

SMARTの法則

効果的な目標設定に必要な要素、5つの頭文字をとってSMARTと呼ばれます。

・Specific(具体的である)
・Measurable(計測できる)
・Achievable(達成できる)
・Related(上位目標と関連する)
・Time‐bound(期限が定められている)

目標設定では、SMARTの法則に従うことが原則です。具体性や現実性がなかったり期限が曖昧だったりする目標は、目標とはいえません。ただの願望や夢に近いものになってしまいます。そして、目標達成の確率は低くなるでしょう。

 

一方でSMARTの法則の各要素を満たした目標を設定すると、個人・組織の目標達成力が上がります。具体的には以下のようなメリットがあります。

・ゴールが明確になる
・目標達成のモチベーションが高まる
・精度の高い計画を立てられる
・目標の進捗や成否を追跡できる
・人事評価などへ連携できる

SMARTの法則の構成要素

手を広げる男性

SMARTの法則を構成する5つの要素、概要やNG例、具体的な書き方を確認していきましょう。

Specific(具体的である)

設定する目標は、誰が読んでも誤解なく理解できるほど、具体的でなければなりません。例えば、「売上アップ」「品質改善」などは、非常に曖昧な表現となるためNGです。

 

一方で、「売上目標1,000万円達成」「商品Aのユーザー満足度を3.0から4.0に上げる」のように、商品名や数字の入った具体的な表現は、Specificに合った目標になります。

Measurable(計測できる)

目標は、達成の有無や進捗が第三者にも判断できる形で表現しましょう。例えば、「売上をたくさん増やす」「ミスを少なくする」といった表現の場合、「たくさん」や「少なく」のとらえ方は人によって異なります。

 

こうした表現で目標を設定してしまうと、達成進捗を把握できない、評価できない、改善策が打ちづらいといった問題が起こります。

 

例えば、上司から「設定した目標達成まで進んでいるの?」と聞かれた場合、「売上をたくさん増やす」という目標では、本人も自分の進捗の把握や報告ができないでしょう。

 

一方で、「1,500万円の売上を達成する」「ミスの発生件数を20%削減して6件/四半期に抑える」などの定量的な表現にすれば、精度の高い計画作成、上司への報告、評価への反映などがしやすくなります。

Achievable(達成できる)

設定する目標は、現実的に達成可能なものであることも大切です。達成可能にすることとは、難易度を下げて簡単な目標を設定することではなく、努力や工夫によって達成が見込める目標にする、現実的にチャレンジできるレベルで設定することを意味します。

 

逆にいえば、端から「今の目標は達成できない……」と諦めてしまうような目標、外部環境や運に大きく依存する目標は不適切だということです。

 

なお、適切な難易度は人事評価に連携させるか、チャレンジングでワクワクする目標を設定したいか、などの目標設定の意図に応じて変わってきます。

Relevant(上位目標と関連する)

組織における個人やチーム目標は、企業や組織の目標達成、ビジョンや目的の実現に貢献するものでなければいけません。基本的な図式は、以下のイメージです。

組織の理念・ビジョン > 組織の目標 > 部門の目標 > 個人の目標

このように全体がつながっていてこそ、個人が目標達成すれば部門が達成する、部門が目標達成すれば組織が達成する、といった形で、個々の目標達成が大きな達成につながるのです。

 

したがって、目標設定する際には上位目標からブレイクダウンして目標を決めていくことが大切です。ゆえに、組織の理念・ビジョン、計画が曖昧だと、個人は目標を適切に設定できなくなるでしょう。ただし、現実的には、全社の目標・計画と事業部の目標・計画を並行しながら立案して、統合する過程ですり合わせていくようなこともあります。

 

なお、個人においても、設定した目標が自分のキャリア、ビジョン、価値観などの上位概念がつながっていることが、内発的動機の源泉になりますので、Relevantの概念は大切です。

Time‐bound(期限が定められている)

目標は、いつまでに達成するかという期限が明確でなければいけません。したがって、「2022年3月までに~」「第3期の終わりまでに~」など、明確な期限を設ける必要があります。組織における目標管理制度(MBO)では、四半期や半期で設定することが一般的です。

 

短期的な目標のほうが、具体的な計画に落とし込みやすい傾向があります。しかし、短期間でできることは限られるため、チャレンジングな目標やワクワクする目標を掲げづらくなる側面もあるでしょう。したがって、目標の性質に応じて、適切な期間を組み合わせていくのがおススメです。

SMARTのフレームワークに則った目標設定の例

階段を上る人のイラスト

SMARTのフレームワークに則った目標設定例を紹介しましょう。

・2022年3月までに、2021年3月対比で120%となる月商1,500万円を達成する
・Google広告経由で、2Q(7~9月)の終わりまでに新規顧客40件を獲得する
・20期第2四半期で既存クライアントでの追加受注○万円を獲得する
・第3四半期の目標:リピート契約10件、総額800万円を受注する
・2023年9月までに、コールセンターの一次回答率を◯%までアップさせる など

SMARTな目標設定と一緒に活用したいフレームワーク

SMARTの法則を使うときには、目標設定や目標設定後の行動タスク洗い出し、目標達成に役立つ以下のフレームワークを一緒に活用するとよいでしょう。

MBO

Management by Objectivesの略で、目標による管理、目標管理制度などと呼ばれるフレームワークです。人事評価、業績評価と連動させる形で非常に多くの形で取り入れられています。MBOを使うときには、四半期や半期単位で目標設定を行ない、達成状況を人事評価に反映させていきます。

 

MBOでは、部門や職種を超えて、また異なる能力や外部環境に置かれた人を公正に評価していくため、達成度を指標とすることが多いです。達成度を指標とする場合、目標設定の難易度をそろえることが非常に重要になります。

OKR

OKR(Objectives and Key Results)も、組織における目標管理のフレームワークです。OKRを使うときには、以下の2つを設定していきます。

・Objectives = 目標
・Key Results = 目標への進捗を図るための定量的な指標

OKRは、MBOのように人事評価と直接的に連動させないことが一般的です。人事評価に連動させないことが多いからこそ、普通では50~70%ぐらいの達成率になるようなチャレンジングな目標、達成にワクワクするような目標を掲げます。

 

こうした特徴から、OKRは、ベンチャー企業や急拡大を目指す組織で多く取り入れられている目標設定のフレームワークになります。

 

また、OKRにおける目標は、MBOにおける目標とは少し概念が異なります。どちらかというと目標というよりは短期的なビジョンに近いもので、すべて定量的にするのではなく、定性的な概念が入ってきてもOKです。

 

OKRの場合、Key Resultsが、MBOなどでいう目標のイメージに近く、SMARTの法則を意識して設定することになります。

ex)
・Objectives :
オンラインゲーム○○〇〇の認知度を高め、多くのユーザーがワクワクしながら遊んでいる世界を作り出す
・Key Results:
DAU(日次のアクティブユーザー数)○万人
PUU(課金ユーザー数)○万人

目的・目標の4観点

SMARTな目標を設置しても、実行を担っているメンバーが目標達成に本気になれなければ目標達成は難しいでしょう。目標達成に対するメンバーの本気を引き出すには「目的・目標の4観点」というフレームワークを活用することがおススメです。

 

目的・目標の4観点では、「自分‐他者」「有形‐無形」という2種類の軸、4種類のマトリックスを使って目標達成への動機付けを行ないます。

KPIツリー

KPIツリーは、ビジネス上の重要なゴールであるKGI(重要目標達成指標)を頂点として、KGIからKPI(重要業績指標) 、KPIからKAI(重要活動評価指標)に分解していくアプローチ法です。

 

目標達成のために達成すべき先行指標を導き出し、具体的な施策・行動を考えることに役立ちます。KPI・KAIを活用することで精度の高い達成計画、達成率を高める先行管理が実現します。

KPIツリー

マンダラチャート(オープンウィンドウ64)

9×9の81マスを使い、目標達成のために取り組むテーマ、各テーマにおける具体的な施策アイデアを洗い出せるツールです。SMARTの法則で設定した目標を達成するための具体的アクションをリストアップするのに便利なものとなります。

マンダラチャート

ルーティンチェックシート

目標達成のために毎日行なうべき行動を習慣化するためのシートです。形式はさまざまなものがありますが、毎日実践すべきルーティンをリストアップし、できた・できなかったを○×でチェックする形が最もシンプルで続けやすいでしょう。

「目標設定のフレームワーク」に関してよくある質問

Q.「5W1Hの目標設定例は?」

営業職の場合、5W1Hを使うと、目標を以下のように設定できます。

  • ・Who(誰が):営業職である自分が
  • ・When(いつ):1年後までに
  • ・Where(どこで):第一営業部の担当エリアで
  • ・What(何を):新商品Aを
  • ・How(どのように):訪問営業で販売する
  • ・Why(なぜ):直近2年間は顧客訪問ができていないので、訪問を通じた顧客とのラポール形成が重要だから

 

Q.「SMARTな目標設定ってなに?」

効果的な目標設定に不可欠な5つの要素を示したフレームワークです。

  • 具体的である
  • 計測できる
  • 達成可能である
  • 上位目標と関連性がある
  • 納期が決められている

 

Q.「目標設定のやり方は?」

目標には、「結果目標」と「プロセス目標」があります。

 

「結果目標」:一番達成したい目標や中長期的な夢

「プロセス目標」:「結果目標」を達成するための「具体的な行動目標」

 

最初に「結果目標」を設定した後に、「プロセス目標」を設定することがおススメです。どちらの目標もSMARTの法則を忘れずに活用しましょう。

まとめ

SMARTの法則は目標設定における大原則となるものです。効果的な目標設定では、SMARTの以下の5要素を意識する必要があります。

・Specific(具体的である)
・Measurable(計測できる)
・Achievable(達成できる)
・Relevant(上位目標と関連する)
・Time‐bound(期限が定められている)

SMARTの法則を活用することで適切な目標設定ができ、目標達成の確率を上げられます。

 

SMARTの法則は、個人や組織の目標達成力を上げたり、MBOやOKRなどの組織における目標設定の仕組みを効果的に運用したりするためには欠かせないものでもあります。

 

SMARTに則った目標設定に加えて、他のフレームワークやツールを組み合わせて使うことで、メンバーの動機付けや行動計画の作成もスムーズに行なえるようになるでしょう。

・目的・目標の4観点
・KPIツリー
・マンダラチャート
・ルーティンチェックシート

ぜひ上手に活用してください。

著者情報

古庄 拓

株式会社ジェイック取締役

古庄 拓

WEB業界・経営コンサルティング業界の採用支援からキャリアを開始。その後、マーケティング、自社採用、経営企画、社員研修の商品企画、採用後のオンボーディング支援、大学キャリアセンターとの連携、リーダー研修事業、新卒採用事業など、複数のサービスや事業の立上げを担当し、現在に至る。専門は新卒および中途採用、マーケティング、学習理論

著書、登壇セミナー

・Inside Sales Conference「オンライン時代に売上を伸ばす。新規開拓を加速する体制づくり」など

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