
近年、従業員のキャリアデザイン支援に取り組む大手企業が増えています。なぜキャリアデザイン支援が注目を集めているのか、個人視点の必要性と組織視点の背景を紹介します。
【個人視点】終身雇用の崩壊
昭和から平成前半に就職した世代にとって、キャリアは自分で考えるものではありませんでした。ある意味、自分のキャリアは企業が考えてくれていたともいえます。
終身雇用があたりまえであった時代は、昇格できるかできないかの問題こそあれ、ビジネス人生は1つの企業内で終わるのが一般的でした。自分自身でキャリアを考えなくても、企業で仕事を頑張っていれば自然にキャリアが形成できていたのです。
しかし終身雇用が崩壊した昨今、転職が一般化しています。ビジネスパーソンそれぞれに、自分の“キャリア”を真剣に考えることが求められるようになっています。
【個人視点】キャリアステージの長期化
キャリアデザインの必要性が増している背景として、キャリアステージの長期化も挙げられます。現在、これまでのように“1社で定年まで勤務して年金生活に入る”というライフプランはどんどん描きにくくなっています。
終身雇用の崩壊と並行して、国内では少子高齢化が進み、年金支給開始年齢の引き上げが検討されています。“老後2000万円問題”が話題になったことも、記憶に新しいでしょう。
企業がキャリアを保証してくれないということに加え、人生100年時代を前提としてキャリアを考えなければならなくなっているのです。
【個人視点】キャリアの複線化
終身雇用の崩壊やキャリアの長期化に加え、働き方も大きく変化しています。副業や兼業が普及しているほか、フリーランスや個人事業主として働く人も増えています。
また、正規雇用だから週5日フルタイムで働くという価値観も変わりつつあります。さらにリカレント教育やリスキリングのような、社会人の学び直しも注目されています。
新卒で正社員として就職して1本のレールの上を歩いていくキャリアだけでなく、「正社員で就業しながら別の企業で副業する」「転職してレールを変える」「フリーランスとして独立する」「働きながら大学院で学ぶ」など、キャリア自体が複線化・複雑化しています。このような状況では、個人が主体的にキャリアを考えていくことがより求められます。
【組織視点】エンゲージメントや定着施策としてのキャリアデザイン支援
社会環境と個人の価値観が上記のように変化するなかで、組織としても従業員のキャリアデザインを支援する必要性が増しています。
まず組織として従業員の終身雇用を保証できなくなっています。したがって、従業員にも自社に依存する形で一生のキャリアを考えるのではなく、自分のキャリアデザインを自律的に設計してもらいたいと考える企業が増えています。
同時に少し矛盾するようですが、従業員にキャリアデザインを描いてもらったうえで、それを社内で可能な“キャリア開発”と重ね合わせてもらうことで定着率やエンゲージメントの向上につなげたいという狙いもあります。
キャリア開発のメリットや方法、注意点、事例などは以下にまとめているので参考にしてください。
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🕒️2026年7月26日