従業員のキャリア支援とは?
現代は、「人生100年時代」とも言われ、人間の寿命が企業の寿命を大きく上回るようになりました。また、終身雇用が崩壊して、雇用が流動化、つまり転職することは当たり前ですし、フリーランスや独立といった選択肢も身近になりました。
その中で、従業員のキャリア自律やキャリア支援といった言葉が企業内でも取りざたされるようになっています。ただ、そもそもキャリア支援、キャリアとは何を指すのでしょうか。はじめに確認しておきましょう。
「キャリア支援」とは?
「キャリア支援」と聞くと、大学におけるキャリア教育・就職支援をイメージする方も多いでしょう。
ひとつの組織の中で経験や実績を積み重ねながら出世していく、つまり終身雇用を前提に企業内でキャリアアップしていくことが主流だった時代には、「どこに就職するのか」が重要になってきます。
結果として、学生に少しでも“いい会社”に就職してもらえるようにと、大学が学生をサポートするというのが、これまでのキャリア支援の大半でした。この20年ほどで、“大手企業がいい会社ではない”という考え方も広がってきましたが、一方で、生涯賃金や給与水準・福利厚生などを見た際、やはり“大手企業に就職する”ことがキャリア支援におけるひとつのゴールとなっている側面は否めません。
一方で、近年は人生100年時代やリスキリングといった言葉が普及し、雇用制度の前提であった終身雇用が崩壊した中で「大人のキャリア支援」が注目されるようになりました。
現在は、日本経済が右肩上がりに成長する時代は大手企業でも倒産やM&Aされる時代となっています。終身雇用も年功序列もなくなり、成果主義と転職が当たり前となった中で、キャリア形成を企業に依存できる時代は終わり、自らのキャリアは自分で考えていかないといけない時代になっています。
仮に転職しないとしても、DXやAI活用によって同じ企業に在籍していたとしても同じ仕事を続けていけるとは限りません。また、女性の社会進出や介護問題の広がりなどがあるなかで、出世や昇進、つまりキャリアップ=キャリア構築という考え方も変わりつつあります。
このような背景があるなかで、労働者、とくに若年層にとってキャリア形成は大きな関心事となっており、企業側でもジョブ型等への切り替えに伴って従業員のキャリア意識を変革する、また、若年層や優秀層の離職を防ぎ、エンゲージメントを高めるためのキャリア支援を実施することが大きな関心事となりつつあります。
そもそも「キャリア」とは?
「キャリア」とは、仕事を軸とした個人の人生、つまり職業人生を指すものです。厚生労働省の定義を引用すれば、「過去から将来の長期にわたる職務経歴やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指す」となります。
もともとは馬車の“轍(わだち)”を指す言葉であり、それが転じて“自分が歩んできた跡”を意味するようになりました。また、キャリア形成やキャリア構築が注目される中で、過去だけではなく、未来のキャリアをどう作るか?も含んで“キャリア”と言われることが増えてきました。
前述の通り、以前はキャリア形成=出世すること(キャリアアップ)という考え方が中心でした。しかし、女性の社会進出やワークライフバランスの重視、また、多様な働き方が存在するようになった中で、“自分の価値観やライフステージを踏まえて望むキャリアを実現していく”という概念が強くなりました。












